革靴を履いて出かけた時に、うっかりどこかにぶつけてしまったりして、目立つキズができてしまった経験、ありませんか?
「気合入れてピカピカに磨いた♪」後や、「天気もいいし新しい靴を履こう♪」とウキウキ気分の時だと、めちゃくちゃヘコみますよね…。他にも、気付いたら深いキズができていた、なんてこともあるあるですよね。
こんな時には、キズ・色補修ができるサフィール レノベイティングカラー補修チューブの出番です!
今回は、ShoesLifeではお馴染みのカービー・アリソン氏が公開している動画を日本語に訳してご紹介します。
当トピックスではレノベイティングカラー補修チューブについてお伝えしている記事を公開していますので、あわせて読んでいただけると幸いです。
引用元:How To Repair a Cut in Leather Shoes | Kirby Allison
ハンガープロジェクト主宰 カービー・アリソン氏が動画内でお話している内容を日本語に翻訳しています。
この動画では、エドワード・グリーンのつま先についてしまった深い傷を補修します。
カービー・アリソンです。おしゃれなみなさんのワードローブを充実させるお手伝いをいたします。
一流のクラフトマンシップと伝統の世界を一緒に探りましょう。
カービー・アリソンのハンガー・プロジェクトでは宅配便による靴磨きサービスを承っていて、実にさまざまな状態の靴が届きます。
今回は、徹底的に靴を補修して磨き上げるプレジデンシャルサービスにお申込みいただいたエドワード・グリーンの靴が届きました。
トゥキャップにとても深い傷があります。この部分です。(つま先のキズ)
このお客様は縁石を蹴ってしまったかどうか定かではありませんが、おそらく道を歩いていてここの革をひどく傷つけるようなことをしてしまったのでしょう。
いわゆる深い傷というやつで、少量のクリームポリッシュで消せる程度のすり傷やひっかき傷とは違います。革の奥深くまで入ってしまっているので、これを消すには細心の注意と特別なお手入れが必要です。
私どものプレジデンシャルサービスでは靴をまるごと補修します。深い傷はもちろん、すり傷やひっかき傷などどんな傷でもお任せください。
ほとんどの小さなすり傷やひっかき傷を消すには、ここカービー・アリソンで販売しているようなクリームポリッシュ(注:クレム1925やファインクリーム)で十分です。このようなワックスには仕上げをなめらかにする効果がありますが、深い傷となるともうひと手間必要です。
それがこのサフィールレノベイティングカラー補修クリームです。
レノベイティングカラー補修クリームは靴クリームと違い樹脂ベースなのでパテのように深い傷を埋めることができます。
表面の凹凸がなくなってから靴クリームで磨きます。
今回は、レノベイティングカラー補修クリームでこの傷を埋めてからトゥキャップの傷の上にワックスポリッシュを塗り重ねて仕上げ、ミラーグロスで磨きます。
この靴はプレジデンシャルサービスに届いたあと、革を覆う有害なポリッシュやシリコンや樹脂などなんでも落とすサフィールレノマットリムーバーでクリーニングしたうえ、革をしっかり保革してくれる潤沢な油分が配合されたでサフィールの靴クリームを2回塗ってあります。ここまで下準備ができたら、深い傷を補修して鏡面磨きを施します。
まず、靴の色に合うレノベイティングカラー補修クリームの色を探します。このエドワード・グリーンにはコニャックを使います。
このクリームはチューブタイプで、深い傷を埋める部分補修に適しています。靴全体に塗るのには向きません。質感がガラリと変わってしまいますし、革の表面に乗るとこのエドワード・グリーンのような高級な革が持つ美しい自然な風合いが損なわれてしまいます。
では、開封します。チューブの口はキャップを強く締めるだけで簡単に開けられます。
とても濃いクリームです。少し絞り出してみましょう。
ご覧の通り本当に油性絵具のようです。顔料のレシピに含まれる樹脂が乾燥してこのような傷を埋めてくれます。
では、指で傷のある部分に塗ってみます。
傷のない部分に塗り広げないように注意してください。何回か塗って仕上げを重ねる必要があるかもしれません。
傷のある部分の内側にだけ塗りたいので、ポリッシュクロスで傷の周りについたクリームを拭き取ります。
ご覧の通り深い傷が埋まっています。塗り重ねることにより表面が滑らかになり磨くことができます。レノベイティングカラー補修クリームが非常に優れているのはその点です。
では、深い傷のへこみを埋めるためにもう一度塗ります。傷のある部分にだけ慎重に塗ります。指で塗って… ポリッシュクロスで余分なクリームを拭き取ります。最小限だけ残します。
それから乾かします。1回塗ったら10~15分乾かします。息を吹きかければ少し早めに乾くかもしれません。表面を磨くために傷を埋めているので、完全に乾いてから重ね塗りした方がいいです。
傷が完全に埋まるまでレノベイティングカラー補修クリームを塗り重ねます。磨くときに大きな深い傷があると気づかないくらいに革の表面が元通り平らにしたいのです。
おそらくこれが最後の一塗りです。表面を磨くと少し減ると思うので、ここでは少し多めに塗っておきます。では、始めましょう。
わりと平らになっていますね。では、両端から塗ります。レノベイティングカラー補修クリームを塗るときは傷の端からはみ出さないようにします。このように外側ギリギリのところから中心へ向かってそっと薄く塗ります。
完全に同じ色はないので、この部分にアンティーク仕上げを施して色を濃くします。ミラーグロスとビーズワックスポリッシュで鏡面磨きをするとすべての色が混ざり合います。もちろんなるべく近い色がいいですが、完全に同じ色にはなりません。そろそろ仕上げなのでここで少し色を混ぜましょう。
少々時間がかかりますが、この通りすっかり平らになって触り心地もとてもいいです。革の深い傷やひっかき傷ももう目立ちません。表面が平らになったので磨き上げることができます。
ここが少しまだらになっているのが絶対にわかると思いますが、これは樹脂を革の表面に載せているためです。天然の毛穴のある革ではないですが、少なくとも見た目は前よりなめらかになるでしょう。
傷がきれいに埋まりました。次は靴を磨きます。
この部分が目立たなくなるようになじませます。それにはアンティーク仕上げが最適です。サフィールミラーグロスとポリッシュクロスで靴に美しい鏡面磨きを施していきます。
一般的な鏡面磨きの手順とポリッシュクロスでワックスを塗り重ねていきます。
これで傷が目立たなくなるでしょう。この部分にこのワックスを塗るとこのシミと大きな傷がなじみやすくなります。そして、ワックスのおかげでさらになめらかになります。ワックスを塗り重ねることで表面が厚くなりなめらかになるのです。
それでは始めましょう。鏡面磨きの実演動画はたくさんあるのですべての手順はお見せしません。
革のドレスシューズの深い傷や小傷の消し方をお見せしたかったのです。
それでは、少々お時間をいただいて鏡面磨きをします。もう片方の靴もありますので、仕上がるまでしばらくお待ちください。
お待たせしました。両足ともきれいに仕上がりました。これにてプレジデンシャルサービスは終了です。
レノベイティングカラー補修クリームで補修したつま先は、補修前と比べると傷がほとんど目立ちません。トゥキャップの鏡面磨きが際立っています。
どんなタイプの傷でも、特に今回のようなトゥキャップの深い傷でも、ミラーグロスのようなハードワックスやふつうのワックスポリッシュを合わせて使うことで傷を埋めて表面をならし、このようにきれいに隠せるのがレノベイティングカラー補修クリームの長所のひとつです。
若干の変色が見られますが、遠目には傷があるとはわかりません。とても美しい靴です。我ながらトゥキャップの鏡面磨きが実にいいと思います。
この靴はプレジデンシャルサービスにお送りいただいたものです。サフィールレノマットリムーバーで古いポリッシュを落として革に栄養をしっかり浸透させてからクリームポリッシュとワックスポリッシュを塗り重ねて仕上げに鏡面磨きを施し、80ドルほどで靴が完全に蘇ります。お客様にもきっとご満足いただけると思います。
靴磨きサービスについての詳しい情報は当店のホームページをご覧ください。[靴の補修]のページでリソール、リメイクのほか靴磨きサービスをご案内しています。ご質問はカスタマーサービスまでなんなりとお寄せください。
ご自分で補修なさるのが面倒でしたら当店まで靴をお送りください。ですが、私どもで行う補修はこの動画でお見せした通りのものです。
この靴は、靴の美しさを保ち寿命を延ばすうえで上質な靴磨きがいかに効果的であるかを示すすばらしい例です。きちんと磨いていなかったこのとても美しいエドワード・グリーンの靴はもう寿命だと思われて、ほかにも傷があれば捨てられていたかもしれません。ですが、丁寧に補修して磨くことでこの靴は見事に生まれ変わりました。
一流のクラフトマンシップと伝統の世界を探り、おしゃれなみなさんのワードローブを充実させるお手伝いをするカービー・アリソンがお送りしました。ご視聴ありがとうございました。
本記事で紹介した商品はこちらで購入できます。
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