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【失敗しない】革製品の色・傷補修のコツ – レノベイティングカラー補修クリームの使い方

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公開日:2020/07/13    /  最終更新日:2025/05/23

【失敗しない】革製品の色・傷補修のコツ – レノベイティングカラー補修クリームの使い方

革製品の色・傷補修の成功のコツ、教えます

 

前回(革靴やバッグの色・傷補修に挑戦!初心者にもおすすめのレノベイティングカラー補修チューブ【商品紹介】)では、革製品についた傷や色あせを修復するアイテム「サフィール レノベイティングカラー補修クリーム」をご紹介しました。
続いて本記事では「失敗せずに“サフィール レノベイティングカラー補修クリーム"を使う方法」について詳しくご紹介いたします。

と、その前にレノベイティングカラー補修クリームを使った革製品の色・傷補修の詳細な工程については
別の記事で紹介していますのでそちらもご覧ください。

 

▶動画で解説!かばんの色・キズを補修する。

動画で解説!かばんの色・キズを補修する。

▶動画で解説 第2弾!革靴の色・キズを補修する。

動画で解説 第2弾!革靴の色・キズを補修する。

コツ①:レノベイティングカラー補修クリームを“うすめて使う”

サフィール レノベイティングカラー補修クリームは、水でうすめることができる

なぜうすめるのが良いの?

サフィール レノベイティングカラー補修クリームは、アクリル樹脂と顔料を主成分とした皮革製品専用の補修クリームです。
これをそのまま塗ると、色が濃く出すぎたり、塗った部分だけが浮いて見えてしまうことがあります。

そこで、水やレザーローションでうすめて使うことで、以下のようなメリットが得られます:

    レノベイティングカラー補修クリームは水でうすめて使用することができる

    絵の具のように水でうすめることができる

    •  色の調整がしやすい:濃淡をコントロールできる
    •  塗りムラが出にくい:広範囲に均一に塗れる
    •  革の風合いを活かせる:自然な仕上がりに

    水で薄めるのがおすすめな理由

    特に初心者には「水で薄める」方法が扱いやすく、失敗が少ないです。水分は乾くとともに蒸発するため、補修後に色が濃くなりすぎる心配がありません

    また、水と一緒に顔料が革に浸透することで、まるで染まったような自然な色づきになります。

     

    💡補足:補修クリームは染料ではなく顔料ベースなので、革の奥深くまで染み込むわけではありませんが、薄めることでより自然な仕上がりになります。

    コツ②:補修箇所の「境目」をぼかして自然に仕上げる

     

    なぜ境目が目立つのか?

    補修クリームをそのまま塗ると、塗った部分と塗っていない部分の境界線がくっきり出てしまうことがあります。特に厚塗りになってしまうと、段差ができて不自然な見た目になりがちです。

    左:クリームをうすめずそのまま塗布/右:水で薄めて塗布

    ◀ : クリームをうすめずそのまま塗布/水で薄めて塗布:▶

    境目を自然にぼかす方法

    1. 補修箇所の周囲にレザーローションを塗る
      ローションに含まれる有機溶剤が補修クリームを少し溶かし、境目をなじませてくれます。
    2. 中心から外側へグラデーションを意識して塗る
      傷の中心はやや濃く、外側に向かって水分を多くして薄く塗り広げることで、自然な色の変化が生まれます。
    3. 仕上げに全体をレザーローションで磨く
      補修箇所とその周囲をなじませることで、「補修した感」が目立たない自然な仕上がりになります。

    💡補足:レザーローションを塗るときは、クロスではなく指でやさしく塗るのがおすすめ。摩擦で補修クリームが取れてしまうのを防げます。

    水とレザーローション、どちらで薄めるべき?

    レノベイティングカラー補修クリームをうすめる方法として、ユニバーサルレザーローションの使用をおすすめする場合があります。
    そこで、水とユニバーサルレザーローションそれぞれで補修クリームをうすめる場合を比較してみましょう。

     

    比較ポイント

    特徴 乾燥後の色 シミのリスク 仕上がり
    水でうすめる 革本来の色に戻る 少ない 自然でなじみやすい
    ローションでうすめる 油分で色が濃く残りやすい 高い(特に淡色革) ツヤを出しやすいが注意が必要

     

    この比較内容を実際に革に塗ってみて、検証してみました。

    塗布直後のヌメ革

    水とローション、それぞれでうすめたレノベイティングカラー補修クリームを塗布したヌメ革
    左上:水のみ 左下:水でうすめたクリーム
    右上:ローションのみ 右下:ローションでうすめたクリーム

     

    上の画像は、水とレザーローション、レノベイティングカラー補修クリームを水でうすめたものとユニバーサルレザーローションでうすめたものをそれぞれヌメ革に塗布したものです。
    水分・油分が染み込みやすいヌメ革を革のすり傷や切り傷などのダメージ部分と想定して検証しています。

    水やローションはヌメ革に直接塗布されると、革が湿ることで色が濃く(暗く)なり、シミのようになります(図の上半分)。同様にそれぞれでうすめた補修クリームを塗布すると、同じように水や油分の影響で塗布部分は革自体の色が濃くなる現象が見受けられます。

    乾燥後

    乾燥後の比較画像
    左上:水のみ 左下:水でうすめたクリーム
    右上:ローションのみ 右下:ローションでうすめたクリーム

     

    塗布後時間を置いて乾燥させてみます。
    塗布直後には湿って濃くなった箇所は、水を垂らした箇所は水気が乾くとともに徐々に元のヌメ革の色味に戻っていきます。
    一方ローションを塗布した箇所は、ローションの油分やワックスは水に比べて乾きが遅いので、跡が残っています。
    ここから分かる通り、水でうす伸ばししたサフィール レノベイティングカラー補修クリームは、水分さえ飛んで乾けば湿り気で暗くなった色味は元に戻り、表面に残るレノベイティングカラー補修クリームによって補色効果が発揮されます。レザーローションでうすめた場合は、レザーローションに配合されるワックスや油分の影響で色は濃くなったままなかなか元には戻りません。こちらも補色効果は発揮されますが、結果としてイメージよりも色味が濃く(暗く)発色するのです。

    コツ③:広範囲の補修には「水でうす伸ばし」が便利

     

    水でうすめるもう一つの理由

    広い面積を補修する場合、原液のままだとムラになりやすく、塗り跡が目立ってしまいます。水で薄めることで、塗り広げやすくなり、均一な仕上がりが実現します。

    エアブラシやアトマイザーの活用

    • 模型用のエアブラシやアトマイザーを使えば、スプレーのように均一に塗布できます。
    • ただし、補修クリームは完全には水に溶けないため、使用前にしっかり撹拌することが重要です。

    乾燥のコツ

    • 水分が多いと乾きが遅くなり、液だれの原因になります。
    • ドライヤー(送風モード)で乾かしながら、数回に分けて重ね塗りするのが美しく仕上げるポイントです。

     

    結論:初心者は「水でうすめる」が安心

    特にヌメ革や淡色の革では、ローションの油分がシミの原因になることがあります。初心者の方には「水でうすめる」方法が扱いやすく、失敗が少ないためおすすめです。

    初心者でも失敗しない革の色・傷補修 そのほかのコツ

     

    革製品の補修は難しそうに感じるかもしれませんが、サフィール レノベイティングカラー補修クリームを正しく使えば、初心者でも自然な仕上がりが可能です。
    ここでは、上に挙げたコツのほかに覚えておきたい失敗しないためのポイントを挙げておきます。


    ✅ ポイント①:厚塗りはNG!水でうすめて少しずつ塗り重ねる

    • 一度に広範囲を塗ると、色ムラや段差ができやすくなります。
    • まずは少量ずつ塗り、様子を見ながら重ねていくのがコツです。
    • 色が合わなかった場合でも、すぐならレノマットリムーバーで修正可能

    ✅ ポイント②:塗りムラはレザーローションで整える

    • 補修クリームはマットな仕上がりになるため、ツヤのある革ではムラに見えることも
    • 補修後にレザーローションで全体をケアすることで、均一な光沢が生まれ、自然な仕上がりになります。
    • レザーローションは、補修箇所は指でやさしく、それ以外はクロスで塗り、馬毛ブラシでブラッシング → 乾拭きしてツヤ出し、が基本の流れです。

    ✅ ポイント③:レザーローションでうすめた場合は乾燥をしっかり

    • ローションには油分やワックスが含まれており、ローションを混ぜて塗布した場合は乾燥が不十分だとローションごとはがれて色移りの原因になります。
    • レザーローションでうすめたときは塗布後はしっかり乾かし、乾拭きを念入りに行なって余分な成分を取り除きつつしっかり定着させることが大切です。

     

    最後に:革製品の補修は「手放す前に試す価値あり」

    サフィール レノベイティングカラー補修クリームは、プロも愛用する本格的な補修アイテムですが、正しい使い方を知れば初心者でも十分に扱えます

    もし、傷や色あせが気になって使わなくなった革のバッグや財布があるなら、手放す前にぜひ一度、「かんたん色・傷補修」を試してみてください。大切な思い出の品がもう一度活躍できるかもしれません。


    本記事で紹介した商品はこちらで購入できます。

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    Le Beau
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