前回(革靴やバッグの色・傷補修に挑戦!初心者にもおすすめのレノベイティングカラー補修チューブ【商品紹介】)では、革製品についた傷や色あせを修復するアイテム「サフィール レノベイティングカラー補修クリーム」をご紹介しました。
続いて本記事では「失敗せずに“サフィール レノベイティングカラー補修クリーム"を使う方法」について詳しくご紹介いたします。
と、その前にレノベイティングカラー補修クリームを使った革製品の色・傷補修の詳細な工程については
別の記事で紹介していますのでそちらもご覧ください。
▶動画で解説!かばんの色・キズを補修する。
▶動画で解説 第2弾!革靴の色・キズを補修する。
サフィール レノベイティングカラー補修クリームは、アクリル樹脂と顔料を主成分とした皮革製品専用の補修クリームです。
これをそのまま塗ると、色が濃く出すぎたり、塗った部分だけが浮いて見えてしまうことがあります。
そこで、水やレザーローションでうすめて使うことで、以下のようなメリットが得られます:
特に初心者には「水で薄める」方法が扱いやすく、失敗が少ないです。水分は乾くとともに蒸発するため、補修後に色が濃くなりすぎる心配がありません。
また、水と一緒に顔料が革に浸透することで、まるで染まったような自然な色づきになります。
💡補足:補修クリームは染料ではなく顔料ベースなので、革の奥深くまで染み込むわけではありませんが、薄めることでより自然な仕上がりになります。
補修クリームをそのまま塗ると、塗った部分と塗っていない部分の境界線がくっきり出てしまうことがあります。特に厚塗りになってしまうと、段差ができて不自然な見た目になりがちです。
💡補足:レザーローションを塗るときは、クロスではなく指でやさしく塗るのがおすすめ。摩擦で補修クリームが取れてしまうのを防げます。
レノベイティングカラー補修クリームをうすめる方法として、ユニバーサルレザーローションの使用をおすすめする場合があります。
そこで、水とユニバーサルレザーローションそれぞれで補修クリームをうすめる場合を比較してみましょう。
特徴 | 乾燥後の色 | シミのリスク | 仕上がり |
---|---|---|---|
水でうすめる | 革本来の色に戻る | 少ない | 自然でなじみやすい |
ローションでうすめる | 油分で色が濃く残りやすい | 高い(特に淡色革) | ツヤを出しやすいが注意が必要 |
この比較内容を実際に革に塗ってみて、検証してみました。
左上:水のみ | 左下:水でうすめたクリーム |
右上:ローションのみ | 右下:ローションでうすめたクリーム |
上の画像は、水とレザーローション、レノベイティングカラー補修クリームを水でうすめたものとユニバーサルレザーローションでうすめたものをそれぞれヌメ革に塗布したものです。
水分・油分が染み込みやすいヌメ革を革のすり傷や切り傷などのダメージ部分と想定して検証しています。
水やローションはヌメ革に直接塗布されると、革が湿ることで色が濃く(暗く)なり、シミのようになります(図の上半分)。同様にそれぞれでうすめた補修クリームを塗布すると、同じように水や油分の影響で塗布部分は革自体の色が濃くなる現象が見受けられます。
左上:水のみ | 左下:水でうすめたクリーム |
右上:ローションのみ | 右下:ローションでうすめたクリーム |
塗布後時間を置いて乾燥させてみます。
塗布直後には湿って濃くなった箇所は、水を垂らした箇所は水気が乾くとともに徐々に元のヌメ革の色味に戻っていきます。
一方ローションを塗布した箇所は、ローションの油分やワックスは水に比べて乾きが遅いので、跡が残っています。
ここから分かる通り、水でうす伸ばししたサフィール レノベイティングカラー補修クリームは、水分さえ飛んで乾けば湿り気で暗くなった色味は元に戻り、表面に残るレノベイティングカラー補修クリームによって補色効果が発揮されます。レザーローションでうすめた場合は、レザーローションに配合されるワックスや油分の影響で色は濃くなったままなかなか元には戻りません。こちらも補色効果は発揮されますが、結果としてイメージよりも色味が濃く(暗く)発色するのです。
広い面積を補修する場合、原液のままだとムラになりやすく、塗り跡が目立ってしまいます。水で薄めることで、塗り広げやすくなり、均一な仕上がりが実現します。
特にヌメ革や淡色の革では、ローションの油分がシミの原因になることがあります。初心者の方には「水でうすめる」方法が扱いやすく、失敗が少ないためおすすめです。
革製品の補修は難しそうに感じるかもしれませんが、サフィール レノベイティングカラー補修クリームを正しく使えば、初心者でも自然な仕上がりが可能です。
ここでは、上に挙げたコツのほかに覚えておきたい失敗しないためのポイントを挙げておきます。
サフィール レノベイティングカラー補修クリームは、プロも愛用する本格的な補修アイテムですが、正しい使い方を知れば初心者でも十分に扱えます。
もし、傷や色あせが気になって使わなくなった革のバッグや財布があるなら、手放す前にぜひ一度、「かんたん色・傷補修」を試してみてください。大切な思い出の品がもう一度活躍できるかもしれません。
本記事で紹介した商品はこちらで購入できます。