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トラブル解決の最終手段!? サドルソープを使った「失敗しない革靴の洗い方」

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公開日:2022/08/05    /  最終更新日:2023/07/19

トラブル解決の最終手段!? サドルソープを使った「失敗しない革靴の洗い方」

クリーナーもリムーバーも効果なし……。困った時の最終手段「丸洗い」

どうにもならないトラブルにはサドルソープを試してみる

どうにもならないトラブルにはサドルソープを試してみる

汚れ落としをいろいろ試してみたものの、状況改善には至らず困ったことになった………なんていう経験をされた方も少なくないかと思います。

そういったシーンでよく見るトラブルというのが、

  • 雨に濡れたあとの“雨ジミ”
  • 濡れたあと、乾くと現れる“塩吹き”
  • 消えない“カビ”とその跡
  • 雨の日に履いて、しこたま濡れた後の“型崩れ”  など

 

このようないかにもややこしいトラブルの対策として、話題に挙がるのが「靴の丸洗い」です。
しかしながら「革靴の丸洗い」はトラブル対策として強力な効果を発揮する反面、相応のリスクも負うかもしれないことはあまり解説されていません。

 

 

例えば、丸洗いした時のデメリットにはこのようなことがあったりします。

  • 過度な乾燥を招く
  • かえって型崩れの原因となる
  • 色が落ちる
  • 色がつく(シミや色の移染など)

 

そもそも、「サドルソープ」という名前の製品。サドル=馬の鞍です。乗馬で使用する、泥や汗にまみれ、紫外線を浴びまくるあの“鞍”です。
根本的に「靴を洗うための製品ではない」わけですから、靴への使用にはリスクがあって当たり前なのです。

 

 

 

そこで本記事では、リスクは承知でトラブル解決の最終手段としてサドルソープを使って靴を丸洗いしたい、そんな貴方ができるだけ失敗しないために“注意すべき4つのポイント”をご紹介したいと思います。


目次

  1. 丸洗いの前に試すこと
  2. いざ!丸洗い!! 気をつけるべきポイント
  3. まとめ

 


 

1.丸洗いの前に試すこと

丸洗いは「最終手段」と思った方が良いです、とお伝えしてきました。
最終手段に至るまでの道のりには、試しておくべきいくつかのトラブル解決の手段があります。
革靴を丸洗いする前に、まずはそれら解決手段を試してみてからでも決して遅くはありません。

 

雨に濡れてできたシミや塩吹きの対策

カビ

型崩れ

2.いざ!丸洗い!! 気をつけるべきポイント

 

「試してみたけど改善されなかった」や「あともうひと息で完璧なのに!」など、上記方法では今ひとつで結果に満足できなかった時こそ、最終手段として「サドルソールで丸洗い」を試してみましょう。

 

サドルソープを使ったトラブル解決についてはこれまでもスタッフコラムなどで池袋西武の“ジュン・ジュン”こと麻生や東急ハンズ名古屋店の“だーうえ”こと植田がご紹介していますので、そちらの記事を参照しつつ重要な注意点をお伝えしておきます。

サドルソープで失敗しないための4つのポイント

Point1 全体を湿らせる

サドルソープ=皮革用せっけんなので、使用する場合は「部分洗い」ではなく「丸洗い」が推奨です。
界面活性剤の効果を最大限発揮させるためにはよく泡立てる必要がありますが、湿らせた部分とそうでない部分があると汚れ落としの効果に差が出てしまいムラが生じます。
また雨濡れにより起こるトラブルは、雨に濡れた範囲や度合い、乾燥までにかかった時間で範囲や症状にムラが出ます。
そのムラとなってしまった箇所を再び元のような均一な状態にするためには、もう一度全体に濡れた状態にした上で処置を進める必要があります。

 

「仕上がりにムラが出た」という失敗を防ぎ均一な仕上がりにするためには、まずは「靴全体を湿らせること」が重要となります。

サドルソープを使う前に、まずはしっかりと靴を湿らせる

サドルソープを使う前に、まずはしっかりと靴を湿らせる

Point2 水にドブ漬けはNG

Point1で全体を湿らせると書きましたが、かと言って水にどっぷり浸けてしまうのは考えものです。
靴の中にまで水で浸してしまうと、靴内のライニング等の接着のはがれや色落ち、色移りが起こることがあります。
そもそも靴の内側は乾きづらく、乾かし切るのに時間がかかります。靴の中まできれいにしようと思ったら濡れタオルやウェットティッシュなどで軽く拭う程度にしておいた方が無難です。

Point3 こすりすぎない

サドルソープに限らずクリーナー全般で言えることですが、汚れをしっかり落とそうとしてゴシゴシとこすらないようにしてください。
水分を含んだ皮革表面は思いの外やわらかく(皮革を構成する繊維質が緩んだ状態に)なっています。またアルカリ性のサドルソープを使いますから、そこに過剰な摩擦をかけてしまうことで色が抜けたり、皮革表面(銀面)が荒れたりしてしまいます。人の肌で言う肌荒れのような状態になると丸洗い後のケアの時にケア用品によるシミやワックスの光沢が出づらくなる原因となります。

界面活性剤の汚れ落としの効能は、泡で汚れを浮かし包み込むような形で発揮されます。そして泡立ちをよくするためには皮革をしっかりと湿らせておくことが重要という点でPoint1が活きてくるわけです。

なお泡を洗い流す時も過度にこすらないことが重要です。あらかじめバケツや桶などに汲んでおいた水を付属のスポンジで掛け流しするくらいで十分です。油脂が主原料なので泡は多少残っていても問題ありません。

泡立てながらやさしいタッチで、擦り過ぎないよう注意

泡立てながらやさしいタッチで、擦り過ぎないよう注意

Point4 乾燥とケア

サドルソープを使う上で注意が必要な点は“乾燥”です。サドルソープで汚れと一緒に油分も抜けてしまう上に、乾かす工程でさらに乾燥が進みます。
丸洗いした後、乾かしてすぐに履き出すのは乾燥して柔軟性が失われた皮革に過剰な負担をかけることになり、意図せぬシワやひび割れなどの原因となります。

そこで丸洗いして乾かした後は、必ず「保湿」をすることをおすすめします。
方法は“デリケートクリーム”を塗布することです。水分・油分が抜けて乾燥した革にまずは水分量の多いマイルドな植物性油分を補給して潤いを与えます。この工程を靴クリームを塗る前にしておけば、靴クリームの急な浸透を防ぎ、クリームの乗りと伸びを良くします。

また前述の通り、汚れや油分とともに色も落ちている場合があります。
色ムラや色あせが気になる場合は、色物の靴クリームを使ってしっかりと補色してあげましょう。

靴側面に浮かび上がった雨ジミ

靴側面に浮かび上がった雨ジミ

写真のような雨染み(丸洗い前)は、コバとアッパー(甲革)のすき間まで靴クリームが届いておらず、雨の染み込む余地があったことに要因があります。せっかく丸洗いをしてリセットしたのであれば、靴クリームをステッチや縫い合わせ部分、コバとアッパーのすき間などの細かな箇所にまでしっかりと行き届かせて、次に雨に濡れたとして重大なトラブルとならないような“予防ケア”を意識すると良いでしょう。

まとめ

繰り返しですが、丸洗いの多用は靴、皮革によけいな負荷をかけることになります。極力、丸洗いを必要とするような状態にならないよう日頃から万全のメンテナンスを心がけてください。
もし丸洗いをする必要に迫られた際は、ぜひ本記事でご紹介した注意点4つとShoesLifeの過去記事をご参考にしていただければ幸いです。


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