ハイシャイン(鏡面磨き)をする上で、“クロス(布地)”も重要なアイテムのひとつです。
使い古して着なくなった肌着などは捨てる前のもうひと頑張りで靴磨きに使われる方も多いと思います。
なんならハイシャインまで行う方もいらっしゃいますが、これが意外とハイシャインができるまでに時間がかかったり、そもそも中々ハイシャインにまで至らないなんて事もあるのではないでしょうか?
弘法筆を選ばず、ということわざの通り、プロや手慣れた方は別にどんな道具であってもある程度のクオリティでお手入れできてしまうものですが、案外バカにできなくて、その効力を見落としがちなのが“クロス”です。
さて、まずは最初の疑問を解消しましょう。
くたくたになったお役御免目前な肌着ではハイシャインするのに苦戦してしまう理由、それはいったいどんなことなのでしょうか?
それは肌着で用いられている布地の「目」にあります。
もともと肌着は通気性を高めるために、織り目がゆるく詰まっていません。衣類としては着心地もよく最高なのですが、靴磨きで使うとすると、特にハイシャインではそのゆるさが遊びとなって動いてしまい、ポリッシュを層になるように乗せ重ねにくいです。
また保水力にも欠けるので、使う水の加減の調整もしにくいです。
ハイシャインはワックスの膜を皮革の上に乗せ重ねる作業を繰り返します。したがって目の詰まった布の方が扱いやすく、フランネルのようなあえて毛羽立たせた加工をすることで摩擦がかけやすかったり、クリームやワックス、水をクロスにしっかりと含ませておけるのが靴磨き用に作られているクロスを使うメリットとなります。