本サイトでは、フランスのSAPHIR(サフィール)、スペインのTARRAGO(タラゴ)を使った靴磨きの基本についてご紹介しておりますが、サフィール、タラゴと来たら忘れてはいけないのがイギリスのDASCO(ダスコ)です。
上の記事でも触れておりますが、まずは、サフィール、タラゴと並ぶ欧州の優れたシューケア・レザーケアブランドであるダスコの歴史をあらためて掘り下げてみましょう。
1946年
Dunkelman&Son(ダンケルマン&サン)社がイギリスで設立
1950年
シューケア・レザーケア用品の開発をスタートさせ、靴製作用の木型(ラスト)やシューツリーの製造を中核事業として開始し成功を収める
1965年
靴産業の聖地と名高いノーザンプトン(イングランド)に拠点を移し、Church's(チャーチ)やCrockett & Jones(クロケット&ジョーンズ)などの名だたるシューメーカーの木型や純正シューツリーを手がける
1970年代
靴クリームやポリッシュなど高品質なシューケア用品を網羅し、総合シューケアブランドとして世界中にその名を轟かせる
2015年
サフィールのメーカーであるAVEL(アベル)社を擁するALMA(アルマ)グループの傘下となる
アルマグループの傘下になったことでサフィールブランドのノウハウが活かされ、ダスコの品質は大きく向上しています。
それでいながら比較的リーズナブルな価格設定なので、必要なものを一式揃えても負担が少なく、低コストで高品質な製品で靴磨きができることも人気の理由です。
今回は、豊富なラインナップを誇るダスコブランドの中から厳選し、お手軽なのにハイクオリティに仕上がる製品とツヤ革のお手入れの基本をお届けします。
革靴のお手入れをする時にはシューキーパーを使いましょう。
履きジワをしっかり伸ばすことで、奥に入り込んだホコリをかき出すことができ、クリームの効果を行き届かせることができます。
靴磨きの時には、軽量で履きジワを伸ばすことを目的としたバネ(スプリング)式がおすすめです。
他のシューキーパーと比べても比較的軽いので、手や腕に負担がかかりにくいというメリットや、フリーサイズなのでほとんどの靴に使い回すことができます。
汚れ落とし、保革、ツヤ出し効果のあるレザークリーニングコンディショナーで汚れを落とします。
予期せぬトラブル防止に素材との相性を確かめるため、カカトや土踏まずなど目立たない箇所から靴全体をやさしく拭き取りましょう。
履きジワに沿って指を動かし、しっかり奥の汚れもキャッチしてください。
汚れ以外にも、以前塗布して古くなったクリームやワックスも同時に落とすことができます。
レザークリーニングコンディショナーは、ツヤを与える天然素材のビーズワックスと、栄養を与えるアロエベラが配合されており、忙しい日はこれ1本でクイックケアを完結させることもできる高機能ローションです。
時間に余裕がない日はSTEP.01~03までを行い、さらに本格的なお手入れをする時はSTEP.04へお進みください。
ビーズワックスを含む最高品質のワックスをブレンド配合したプレミアムシュークリームを塗布して皮革に栄養とツヤを与えます。
ワックスの被膜はツヤだけでなく、防水・防汚の効果も発揮します。
アプリケーターブラシの毛先に少量(米粒2~3粒くらい)取り、蓋の裏で毛先全体になじませたら、ブラシ毛先の面で靴全体に塗り伸ばします。
毛の角を上手に使ってコバや縫い目など細部まで行き届かせるように塗ります。
スポンジ付きで手を汚さず使えるチューブタイプのプレミアムシュークリームチューブもあります。
ビーズワックスをはじめとした最高級のワックスがブレンドされているので、お手軽なのに本格的なお手入れが可能です。
靴に塗布したクリームを豚毛100%のブリストルブラシでなじませます。
ブリストルブラシはギッシリした毛量が特徴的で、毛足はやや短くハリ・コシがあるので摩擦熱がしっかりとかかり、効率良くクリームを塗り広げて浸透させることができます。
クリームを塗布した後は、皮革に浸透されず表面に残ったクリームで白く曇ってしまうので、ワックスを浮き上がらせてツヤを出すために必ずブリストルブラシでマッサージするようにブラッシングしましょう。
ブリストルブラシにはサイズが2種類あり、小さめのブリストルブラシ スモールは女性にも握りやすいサイズです。
ポリッシングクロスで乾拭きすることでブラッシングの毛筋を消し、なじみ切らなかった余分なクリームを拭き取ります。
特に、履き口の乾拭きは余分なクリームがパンツの裾に付着するのを防ぐため、念入りに行いましょう。
クロスでの乾拭きの後、さらにヤギ毛が混合されたフィニッシャーブラシや、化繊のハイシャイングローブで乾拭きすることで、さらに曇りやキズ、クロスの拭き筋などを消して美しく仕上げることができます。
雨や汚れから靴を守る
レインプロテクタースプレーで雨や汚れから革靴を守ります。
近すぎたり、かけすぎたりすると防水スプレーがなじまず白く曇ったり、色落ちの原因となるので、必ず靴から30cmほど離した場所から全体にまんべんなくスプレーしてください。
ワックスを塗布してツヤが出ている靴に防水スプレーを吹きつけると、防水スプレーが浮いてしまい乾くと白くなることがあるので、STEP.06までの工程をしっかりこなしていれば基本的に防水スプレーを使う必要はありませんが、防水・防汚の効果を高めたい時にはおすすめです。
これで急な雨への対策はバッチリ!汚れもつきにくくなる一石二鳥です。
STEP06 乾拭きの後にもっとツヤを出す方法はこの後の「POINT ポリッシュを使ったツヤ出し」もご覧ください。
より光沢を出したい場合は………
STEP.06 乾拭きまでの工程を終えてもっと光らせたいと感じたら、水でほんのり湿らせたクロスにトラディショナルポリッシュワックスを少量取り、靴全体にうすく塗り伸ばします。
塗り重ね具合でハイシャイン(鏡面仕上げ)にすることも可能です。
ワックスが靴表面に被膜を形成し、より美しいツヤが出るのと同時に防水効果も発揮するので、STEP.07の防水スプレー代わりにも大変有効です。
ビーズワックスやカルナバワックスなどを配合した伝統的な固形タイプのトラディショナルポリッシュワックスは、極上のツヤと栄養を与えます。
トラディショナルポリッシュワックスを塗布した後は、水で湿らせたクロスでしっかり手早く拭き上げ、全体に均等に摩擦熱がかかるように乾いたクロスで乾拭きします。
最後に、ここでもフィニッシャーブラシとハイシャイングローブを使用すると光沢感がアップします。
*注意*
防水スプレーの後にポリッシュを使うと、先に吹きかけた防水スプレーが取れてしまいます。
また、ポリッシュで強い光沢を出した後に防水スプレーを掛けてしまうと、ワックス被膜に弾かれて革になじみ切らず白くなってしまう場合があります。
併用はせず、用途に応じて使い分けることをおすすめします。
ポリッシュの扱いに慣れていない初心者さんでも簡単にツヤを出せるのが、リザーバー付きシャインスポンジです。
スポンジを革に当ててサッと拭くだけでツヤを出すことができ、ブラックであれば色を取り戻すこともできます。
これで靴磨きの基本はマスターしましたね!
記事を読んでいると「めんどくさそう…」と思ってしまうかもしれませんが、実は基本の手順さえ覚えてしまえば、靴磨きはたった10分ほどでできます。
(ハイシャインを含むと、慣れるまでは1時間ほどかかりますが…)
靴磨きの基本を身につけることで足元から自信が湧き、大切に扱われた靴は輝きが違います。
忙しい毎日を送る自分へのご褒美としても、靴磨きの時間を作ってみてください。
▼サフィール、タラゴの靴磨きの基本編もぜひご覧ください!
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