靴のオンライン販売拡大によって、店舗と顧客の双方にもたらす問題のひとつに、靴の色の表現があります。
革の色合いは、黒以外の場合でも光や状況によって大きく異なり、また皮革や生産ロットによっても違う色に感じることがあります。

よくある質問に「どの写真が一番靴の色を正しく表しているか」というものがあります。
その人は、色々な小売店で様々な写真を見たかもしれませんし、オンラインショップの写真とInstagramなどで見たものを比較したかもしれません。答えとしては、きっと全ての画像の色が正しく表示されているってことです。
それらは、その時の環境下で、その時の角度からその時の光で靴の色を示しています。薄暗い屋内の照明と屋外の強い日光を比較すると茶色の革靴の色が違って見えるのは言うまでもありませんが、革を完全に異なる色に見せるには180 度回転させるだけで十分です。

店や靴屋で靴を買う場合、店の明かりの中で見ても窓の近くに寄って自然光で見ても色に大きな問題はほとんどないため、履き始めた時に驚くことはめったにないでしょう。
しかし、現物の靴を見ずにオンラインストアで注文するとなると、状況は変わってきます。

ここで注目したいのは、ほとんどのオンライン ストアの靴が「代表的な」製品画像を撮るために最善を尽くしているのも関わらず、それに表示される色が正確なものとして確認できるとは言えないということです。
さらに難しいのは、革の染色は固定されたプロセスではなく、ロットごとに作られる生きた素材であり、工場が一定の仕上がりになるように調整しても、靴の色合いは大きく変化してしまうことです。また、工場は長い期間中にタンナーを変更することも一般的で、新しいタンナーから同じ色合いを注文しても、当然違った色になる訳です。また、お店に納品される靴は新しいロットごとに写真を撮り直しができるわけではありません（結局のところ、おそらく以前のロットの靴が残っているのでしょう）。
さらに、画像編集、携帯電話やパソコンの画面が違うこと、人によって色の感じ方が異なること、服装や環境が色合いの見え方に影響することなどなど、状況による変化について触れていません。

そのため、顧客としてネットで買い物をする場合は、あなたが想像している靴の色とは違う場合があることを想定しておく必要があります。
違う照明であれば、あなたのイメージにより近いものに変わるかもしれないということをご理解ください。
あなたが期待していた靴ではなく気に入らなければ返品することができますが、彼らはただ画像を表示させているだけなので、靴を販売した人に腹を立てないでくださいね。