「靴」そして「シューケア」との出会い
セレクトショップや古着屋などを転々としていく中で「専門分野を極めたい」と思いたち
有名シューズブランドに転職したのが、今からちょうど10年前のこと。
ここが、わたしにとってのターニングポイントとなりました。
当時のわたしは恥ずかしながら、本革と合皮の違いも見分けがつかないという靴を販売する者としては有り得ない知識量の無さでした。
しかし、ブランド自体の素晴らしさは然ることながら、靴や革の奥深さを知ったことでその楽しさにどっぷりハマり、自然な流れでシューケアの魅力に惚れこみました。
それから約10年間、わたしは靴と並行してシューケアの魅力と必要性をお客様に伝え続けました。
可哀想なほど履きつぶされたお客様の靴を磨いたときの快感は凄まじかったと同時に、「しっかりとシューケアの必要性を知ってほしい」と常々感じていました。
ですが、プロとして熱く訴えかけても、時にはお客様から煙たがられることもありジレンマに陥ることも多々ありました。
だけど、仕方がないことかもしれません。
日本では靴磨きの文化が根づいていませんし、ネットショッピングが当たり前となった現代では、靴を購入しても商品に必要なケア用品やお手入れ方法を直接教えてはくれません。
そればかりか不思議なもので、美容やアクセサリーなどには時間とお金をかけるのに、なぜか靴に関しては無頓着な人が多い…毎日顔を合わせる相手であり、街や電車の中で嫌なほど目に入ってくるというのに。
服は汚れたら洗う、肌は荒れないようにケアする、美人になりたくてメイクをする…のであれば、靴も洗ってケアしてメイクしてあげて!と心の底から思うのです。