特集・スエードのお手入れは難しくない! その2
起毛革はツヤ革とは異なり日々のお手入れのときにクリーナーやリムーバーを使えばそれでOK、というものではありません。
スエードやヌバックなど起毛革の汚れ落としのポイントは、
汚れ方によって道具を使い分けること
にあります。
です!
さて前回記事では、起毛革がどんな革か、と、まずやってほしいケアについて取り上げました。
本記事では起毛革の靴が汚れてしまった場合のお手入れ方法をケースごとに紹介したいと思ます。
つま先やかかとにつく汚れで困るのが、黒ずみやこすれ跡。
アスファルトにこすったり、自分の靴のかかとがぶつかった時についてしまう汚れです。
このような汚れは豚毛のブラシでいくらブラッシングしてもなかなか落ちません。
そのような場面で使いたいのが、“ラバークリーナー(消しゴム)”です。
サフィール スエード&ヌバックラバークリーナーは表面がザラッとした消しゴム状のクリーナーで、いわゆる砂消しゴムのようなものです。
この表面のザラザラをうまく使って、黒ずみやこすれ跡のついた部分を削るようにこすって落とすわけです。
細かなところはラバークリーナーの角をうまく使うのがミソ。
ラバークリーナーを使用する上での注意点は、力を入れ過ぎないこと。
ザラザラで起毛表面を削るので、力が入り過ぎるとかえって起毛が毛羽立ってしまいます。
場合によっては起毛が千切れてしまうこともあるのでご注意ください。
スエードやヌバックなど起毛革は、常に擦れたり圧がかかったりするような箇所は、徐々に起毛がつぶれて固くなり、そのうちテカりが出てきます。
また同時に、乾燥が進んで柔軟性が失われているとその部分だけ毛が千切れていき、毛足が短くなったりはげて薄くなったりします。
(かかとを着くことの多いドライビングシューズなどでよく見られます)
このような症状には“サフィール スエードブラシ”や“タラゴ ユニバーサルスエードブラシ”がおすすめ。
ブラシ部分は金属ワイヤー(真鍮)とナイロンでできており、硬いワイヤーがつぶれた部分や削れた部分の起毛を強く起こし、ナイロンブラシが毛並みを整えてくれます。
テカテカになるほどにつぶれてしまった箇所も根気よくほぐすようにブラッシングしてあげると徐々に改善されてきます。
スエードブラシも力を入れ過ぎると起毛に余計な負荷をかけてしまい、毛足が部分的に伸びてしまったり千切れたりしますのでご注意ください。
使い方は以下の通り。
サフィール オムニローションはただ単に洗剤のように汚れを落とす効果だけにとどまらず、スエードやヌバックの元々の色味をよみがえらせる「リバイバル効果」を持っています。
界面活性剤のほかに少量の有機溶剤を配合することで、強力な汚れ落とし効果だけでなく、起毛の根本に沈んでいる染料を浮き上がらせ、起毛の先端まで行き渡らせる効果を発揮します。
洗浄時には泡を流す時に革の色が出るので、一瞬ギョッとするのですが陰干し後を見るとそこまで色が抜けたような感じはしません。
これは上記の「リバイバル効果」の成果です。さらにスエードスプレーによる油分補給や補色を行うことで日焼けや乾燥による色抜けはほぼ改善できます。
一度には汚れが落ちきらなくても、何度かこれを繰り返すうちに汚れは薄くなっていきますし、補色効果でさらに目立たなくなっていきます。
注意点は部分的な汚れ落としには不向きであることです。
汚れた箇所だけを洗おうとすると、その部分だけがきれいになってしまい、周囲との差が目立ってしまいます。また部分的に湿らせることでかえってシミなどの原因となってしまうことがありますので、「丸洗い」の際は「靴全体を・両足そろって」行ってください。
スエードやヌバックのお手入れは汚れに応じて道具を使い分けることで、より効果的に対応ができる、ということわかりました。
スエードやヌバックはメンテナンスが簡単な素材なのですが、こうして一旦汚れてしまうとどうしても手間がかかってしまうので、めんどくさいと思われているようです。
せっかくお手入れをしたのであれば、次は汚さないように使うことを心がけたいですよね。
と、いうことで今回ご紹介したケアの実施後は、「防水スプレー」を使って雨や汚れから起毛革を保護してあげると次回のお手入れがグッと楽になってきます。
「転ばぬ先の杖」
あとの面倒は先に準備をすることで軽減できるので、ぜひお試しを。
次回、特集・スエードのお手入れは難しくない! その3はスエード&ヌバックスプレーの効果「サフィール スエード&ヌバックスプレーを使ってみよう」です。
こちらの動画でもサフィールを使ったスエードのお手入れを紹介しています。
本記事で紹介したスエード・ヌバックの汚れ落とし商品はこちらで購入できます。
おすすめの関連記事