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公開日:2021/02/15    /  最終更新日:2021/03/08

スエードのお手入れは難しくない! その1

スエードのお手入れのイメージ画像です。

起毛革(スエードやヌバック)の手入れって難しそう……

表面がツルッとしていてツヤのある革、スムースレザー(ツヤ革)のお手入れについてはこれまでのShoesLifeの記事でも取り上げてきました。
一方で独特のツヤ感、風合い、肌触りが特徴である天然皮革素材として、スムースレザー同様に定番となっているのが“スエード”や“ヌバック”などいわゆる“起毛革”が挙げられます。

スムースレザーのお手入れは、靴クリームやローション、簡易的なもので液体クリームやスポンジタイプのケア用品など方法は広く知られています。
ところが起毛革となるととたんに「難しそう」とか「面倒くさそう」と思われがちだったり、「汚れやすい」・「雨に弱く濡れさせられない」・「お手入れに特別な道具が必要そう」といった誤解されがちだったりします。

今回はまず起毛革とそのお手入れについてご紹介して、起毛革のお手入れは難しくないんだ!っていうことをお伝えできればと思います。

 

※本記事はInstagram サフィール公式アカウント@saphir_japanで1月に配信したインスタライブのおさらい記事となっています。

 

 

■起毛革ってどんな革?

そもそも“起毛革”ってどんな革なのでしょうか。
代表的な起毛革の種類として、“スエード”“ヌバック”があります。
どちらもスムースレザーのように皮革表面がツルッとしておらず、毛羽立っています。
表面が「毛羽立っている=起毛している」革として分類されるこの2種類の皮革ですが、同じ起毛革でもまったく成り立ち・性質が異なっています。

まずはこの2種類の起毛革について掘り下げていきましょう。

 

 

1.スエード

「スエード」は牛などの皮の裏側(原料としての皮の肉側の面)を毛羽立たせた革です。

“子牛皮、ブタ及びヒツジやヤギなどの小動物の皮を原料として銀付き革の肉面の表面をサンドペーパーで毛羽をそろえた起毛革。ベロアよりも毛羽が繊細で短く均質なことが特色で、傷などのため銀面の状態が良好でない原料を使用する場合が多い。靴の甲革などに使用する。牛床革を毛羽立たせて仕上げたものは床ベロアと呼ぶことが多い。
(説明および画像の引用元 皮革用語辞典:一般社団法人 日本皮革産業連合会

 

肉側は皮膚側(銀面側といいます)と比べて元々繊維が露出しており、その繊維を削って長さや質感を揃えています。

 

 

スエードの表面の拡大写真です。

カーフスエード表面の拡大写真

スエードの断面写真です。

カーフスエードの断面

2.ヌバック

「ヌバック」はスエードとは逆に、銀面(ツヤ革の表面部分)を毛羽立たせた革のことを言います。

“銀面を軽くサンドペーパーでバフィングすることで短く毛羽立たせて仕上げた起毛革。スエード、ベロアに比較すると毛羽が非常に短くビロード状態を呈している。雄鹿革を同様に仕上げたもの(バックスキン)に似ていることにその名が由来する。靴の甲革、ハンドバッグ用革などに使用する。
(説明および画像の引用元 皮革用語辞典:一般社団法人 日本皮革産業連合会

 

元々ツルッとした面を毛羽立たせるので、スエードに比べると毛並みが短いのが特徴です。

 

 

ヌバックの表面の拡大写真です。

ヌバック表面の拡大写真

ヌバックの断面写真です。

カーフスエードの断面

おまけ ベロア/ムートン

「ベロア」は成牛のスエードを指します。仔牛の革に比べて成牛は皮の繊維のきめが粗く太いため、毛羽立たせたときにスエードよりも毛足が長くなります。

UGG(アグ)やEMU(エミュ)のブーツで用いられている「ムートン」もスエードの一種です。
ムートンは牛ではなく羊の毛皮(ウール)の裏側(肉側)を毛羽立たせています。

 

 

起毛革については、この「革を毛羽立たせている」というのが、どうも「お手入れが難しい」と感じてしまう理由となっているようです。
でも起毛革のお手入れはそんなに難しいものでは無いんです、というのを次項でご説明いたします。

 

 

 

■起毛革のお手入れ、まずはコレをやる!

起毛革のお手入れで必ずやってほしいこと、それは「ブラッシング」です。
とにもかくにも、まずはブラッシングをすることでベーシックな起毛革のお手入れは7割達成です。

使う道具は“豚毛ブラシ”です。おすすめは柄付きの“ハンドルブラシ”。

ハリ・コシのある豚毛のブラシは、起毛革の毛並みをしっかりと整えることができます。
またハンドル(柄、持ち手)があることによって、手首のスナップを聞かせやすいので毛の奥に入り込んだほこりやゴミを腕の動きだけでなく、手首の返しも加えてしっかりとかき出し、払いやすいです。

 

 

 

サフィール ブリストルブラシ

サフィール ブリストルブラシの画像です。
サフィール ブリストルブラシの使用イメージ画像です。

サフィール ブリストルブラシの使用イメージ

スエードやヌバックの表面は毛羽立っているので、ほこりやゴミが付着しやすいです。
また、使っているうちにだんだんと毛並みが乱れて毛先が寝たり立ったりしてしまいます。
そうすると、毛の向きによって色味や濃淡が違って見えたりします。
それだけで何となくお手入れが行き届いていない感じに見えてしまうんですよね。
(実際にお手入れが行き届いてない状態はムラっ気があって美しくみえない)

 

ブラシをかけて毛の向き・毛並みを整えて、同時に表面に付着したほこりやゴミを取り払うようにする、
たったこれだけで起毛革の風合いを保ち、きれいな状態を保つことにつながるわけです。

ちなみに、ブラシをかける目安は「履く前・脱いだ後」。
とってもシンプルです。

 

 

 

ブラシを掛けてみて気づくこと

起毛革にブラシをかけてみると気づくことがあります。

それは、一見色あせや色落ちに見えていた部分が、実はただ単に毛の向きが入り乱れていたために起毛の立っている部分と寝た部分で色味や風合いが違って見えていただけ、ということです。
ブラッシングをして毛並みを整えることで、よごれ・ほこりが払われ、毛の向きが一方方向へ流れが統一されることで起毛部分が均一になります。すると途端にきれいな見た目になっていきます。

もしあまり起毛革のお手入れをしてなかった靴やかばんなどで「色あせ・色落ちしてるかも??」と感じた時は、まずは1回ブラシを掛けてみることをおすすめいたします。

 

ブラッシングされていないスエード靴のイメージ画像です。

矢印方向に毛並みが向いています。毛の流れが異なるだけで、色ムラやしみのように見えてしまいます。

ブラッシングしたスエード靴のイメージ画像です。

豚毛ブラシでブラッシングをしました。
毛を立てたり寝かしたりして、ほこり・ゴミをかき出した後、毛並みが一方向に流れるように一方方向に向かってブラシをかけました。

 

上記を日頃から定期的に実施することで、本当の色あせや色落ち、落ちない汚れなどあった時には、ブラッシングをかけているうちから、「おや?」とトラブルに気づきやすくなるわけです。

 

 

まとめ と 次回予告

ブラッシングをマメに行うことで、ひとまず起毛革製品がきれいに保てることがわかりました。
しかし、起毛革も革であることに違いありません。
使っているうちにブラッシングでは落としきれない汚れもつきますし、だんだんと乾燥もしてきます。乾燥は皮革にとっての天敵です。あらゆるトラブルの元となるので対策が必要となります。

 

そんなときにどんなお手入れをすべきなのか、次回「スエードのお手入れは難しくない! その2」でケース毎にお手入れ方法をご紹介していきます。

 

 

本記事でご紹介した商品のご購入はこちら

サフィール ブリストルブラシ(柄付き・豚毛ブラシ) - ShoesLife Store

 

 

※今回の記事を執筆するにあたり、下記サイトを参考にさせていただきました。

皮革用語辞典:一般社団法人 皮革産業連合会
日本皮革産業連合会 JLIA
 

 

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