この跡を汚れを取るかのごとく、ユニバーサルレザーローションのような油分を含むローションなどでお手入れをしてしまうと、その『均等でない状態』をローションの油分やワックスでその場にとどめてしまい、閉じ込めてしまうことになります。
そこで、揮発性が高く汚れ落とし効果の高いレノマットリムーバーを使うことで、押し流された成分を溶かして拭き取るように取り除いてあげることをおすすめします。
しかし、レノマットリムーバーは革に深く浸透してそういった成分を溶かすというよりは、ある程度表面の成分を拭き取ることによってトラブルを緩和することしかできません。雨などによって部分的に濡れてしまったことによって起きた現象ですので、それを改善するにはもう一度革を均等に濡らしてあげるという方法もあります。
水を含ませたキッチンペーパーのようなものを靴に貼り付けてしばらく放置し、水気を靴全体に均等に浸透させてあげたり、サドルソープという皮革専用のせっけんを使ってまるっと水洗いをすることで、革の内側からしっかり成分をもう一度均等に全体に広げ直してあげることができます。
もちろんこれは頻繁にできるデイリーなお手入れではありませんが、どうしても雨ジミなどが改善しないという場合には大変有効なお手入れです。サドルソープをお使いになった場合は、革に含まれる油分が泡とともに流れてしまうので、陰干しの後、しっかりとクリームを塗って栄養補給をしてあげてください。
レノマットリムーバーは日常の汚れ落としとしてだけではなく、雨時のトラブルにも大変有効なクリーナーであることはおわかりいただけましたでしょうか。