染料仕上げの特徴
・皮革の繊維に浸透することで着色するため、透明度があり皮革の風合いを活かした表現、色から色、素材を活かしたグラデーション表現などが可能。
・革の風合いが活きるほどの透明感なので、キズや傷み、しわなどを隠す効果はない。
・水性染料やアルコール染料などがあり、ダイフレンチリキッドは発色がよく、浸透性・堅牢度の高いアルコール染料。
特に“パティーヌ”と呼ばれる染め仕上げの技法について耳にすることがあるかと思います。
“パティーヌ” とは “錆(さび)、枯葉、緑青”といった経年変化を表す言葉(フランス語)です。
錆、枯葉といった時を経ることによって表れる色の深みや奥行きになぞらえて、独特の風合いを様々な色付けの技法を用いて表現することをパティーヌと呼ぶようになったわけです。
顔料でも染料でもどちらの仕上げもそれぞれに特徴や味わいがありますが、特に染料仕上げの場合は皮革表面のキズや傷み、しわ、血筋(血管の跡)などが目立ってしまう仕上げとなるため、そういった部分のない高品質な皮革を使った製品の仕上げに用いられます。なので必然的にパティーヌ仕上げの商品は靴にせよ、かばん・革小物にせよ高級・上質な製品と位置づけられるわけです。
さらに、職人のテクニックや色彩センスが加味されれば、「高品質でこの世に2つとない独特なデザインの革製品」として世に生み出されることとなります。