革靴・革製品の手入れに関する情報発信サイト

  • facebook
  • twitter
  • インスタグラム
  • インスタグラム
  • インスタグラム
  • TikTok

トピックス

ホーム > トピックス > 【まさかの結果に】バッグの強敵なシミはこうして消えました。 – 新人スタッフ成長日記
公開日:2021/12/15    /  最終更新日:2025/08/29

【まさかの結果に】バッグの強敵なシミはこうして消えました。 – 新人スタッフ成長日記

 

ShoesLifeにお越しの皆さま、こんにちは!

 

11/17に公開したコラム「【超強敵】友人から依頼されたバッグのシミ取りが大変すぎた・・・。の続編をお送りします。

なぜ1週またいでしまったのかというと、タイトル通りにシミが手ごわく想像以上に時間がかかってしまったからです。
今回、やっとのことでシミとの戦いに勝つことができたので続編をお送りします!

前編をご覧になっていない方は、ぜひそちらからお読みください♪

 

【超強敵】友人から依頼されたバッグのシミ取りが大変すぎた・・・。- 新人スタッフ成長日記

革のバッグのシミ取り その2

水拭き→クリーナー→デリケートクリームで応戦しましたが、うんともすんとも言わず逆に濃くなってしまったシミ。
次はサフィールのダイフレンチリキッドを試してみました。

こちらはパティーヌ仕上げに使用する皮革用のアルコール染料で、#00 ニュートラル(無色)は他の染料を希釈し色味を明るくするのに使うほか、染色した箇所のぼかしや手直しに使えるものです。

その「色をぼかす・抜く」効果でこのがんこなシミをぼかすことができるのでは? と考えました。

サフィールのダイフレンチリキッドでシミをぼかす!

ダイフレンチリキッドでシミをぼかす!

まだパティーヌ仕上げを体験したことがないわたしにとって、ダイフレンチリキッドは初挑戦。

シミがぼかされますように~☆彡と願いを込めながら拭き取りましたが、結果は惨敗。何も変わりません。
そればかりか、ダイフレンチリキッドを塗布した部分が黒ずんでしまったのです。

 

理由は定かではありませんが、もともとのバッグの着色が剥がれてしまい、革の色が浮き出てしまったのではないかと考えています。

SAPHIR(サフィール)ダイフレンチリキッド
SAPHIR(サフィール)ダイフレンチリキッド
世界中のシューメーカーが愛用する皮革用染料


 

今回のバッグではうまくいきませんでしたが、ダイフレンチリキッドが有効なケースがもちろんあります!

試してみたい方は、以下の記事を参考にしてみてください☆

 

頭を悩ます革靴・革製品のトラブル “2種類のシミ(雨ジミ・アルコールのシミ)”の理由と対策

 

 

レノベイティングカラー補修でシミ隠しに挑戦!

レノベイティングカラー補修でシミ隠しに挑戦

次に使ったのは、サフィールのレノベイティングカラー補修クリーム チューブ

サフィールファンの方にはお馴染みの人気着色クリームです。わたしもよくお世話になっています。
絵の具のようなクリームで、まさに絵の具のように水でうすめたり、クリーム同士を混ぜて色を作ることができます。
顔料+アクリル樹脂の構成で、色乗りが良く塗った後に色落ちしないのが特長です。

 

革製品の傷や色あせに絶大な効果を発揮する製品なので、今回のシミや仕上げが剥がれた?部分もカバーできるのではないか、と考えました。

 

 

SAPHIR(サフィール)レノベイティングカラー補修 チューブ 25ml
SAPHIR(サフィール)レノベイティングカラー補修 チューブ 25ml
スムース革の皮革製品全般に使用できる着色補修クリーム


 
レノベイティングカラー補修

カラーは、#03ライトブラウンと#19フォーンを混ぜて作りました。

色合い自体はバッグに近いものを調色できましたが、何度塗り重ねても黒ずみのカバーができず、これまた惨敗。
バッグの色よりも薄いキズや色あせを隠すことを得意とするレノベイティングカラー補修クリームですが、濃いシミを隠すことは難しかったようです。

 

このまま塗り重ねても厚みが出てしまい不自然な仕上がりになりそうだったので、この作戦は中断しました。

 

 

水拭きと乾燥を繰り返してみる

途方に暮れたわたしでしたが、一度仕切り直し、頭をリセットすることにしました。

ひとまず水拭きしてみると、前回塗布したデリケートクリームが反応したのか水拭きで輪ジミができてしまったので、翌日から毎日水拭き→乾燥→水拭き→乾燥を繰り返すことに…。

水拭き

シミを消そうと頑張ったのに、シミを作ってどうする…と自分で突っ込みながらも、1週間様子を見ながら水拭きを続けました。

 

すると、3日くらい経過した頃、ちょっとだけシミが薄くなってきたような気が!

 

どんな化学反応が起きたかは不明ですが、もともとあったシミも薄くなってきたのです。
少しだけ兆しが見え、さらに3日ほど様子を伺いながら水拭きを繰り返しました。

 


先輩からのアドバイス!

シミが薄くなった理由は定かではないですが、推察すると…

乾燥した革にできた油分のシミに対して、ただ水拭きしただけでは水と油の作用で周囲に散らすことが叶わなかったのですが、

デリケートクリームをシミの周囲に塗布してから、水拭き → 乾燥を繰り返したことで、植物性油分で潤った周囲へ元々のシミが流動しやすくなったのではないでしょうか?

それにより周囲へ散り広がるとともに乾燥で水分と一緒にシミが抜けやすくなったからではないかと思います!


 

 

 

水拭きして乾燥後

こちらが乾燥後のバッグです。

どこにシミがあったのか一目では分からない状態にまで持っていくことができました。
多少の黒ずみが残ってしまったので、全体の色を暗くしてごまかすことに。

 

 

乾燥後のバッグにサフィール ユニバーサルレザーローションを塗布

ユニバーサルレザーローションを塗布

サフィールのユニバーサルレザーローションを塗布しました。

ワントーン革の色が暗くなり、飴色っぽく変化しました。
光沢感のあるバッグだったので、最後は乾拭きで仕上げてツヤを出し、長い戦いが終わりました。

 

 

シミを目立たなくすることに成功!

After

結果は完全勝利!とはいきませんでしたが、なんとかシミを目立たなくすることに成功しました。

 

今回挑戦したお手入れと結果をまとめると…

 

1.最初の水拭き

→変化なし。ですが、水拭きでは改善しなかったので、しみの原因が水気なのかそうでないのかの判断はできました。

 

 

2.レノマットリムーバー(サフィール)

→変化なし。無敵の強力クリーナーをもってしても改善に至らず……。
揮発性の高いレノマットリムーバーは水シミでも油シミでも効果が出やすいのですが、おそらくシミができてから時間が経ち過ぎてしまったことが原因と思われます。

 

 

3.ユニバーサルクリーナー(タラゴ)

→極わずかに効果あり?
界面活性剤系のクリーナーだと多少シミは薄くなりましたが、納得できるほどの効果は得られませんでした。

 

 

4.スペシャルナッパデリケートクリーム(サフィールノワール)

→一旦、保革のために塗布。周囲の革の色が若干暗くなりシミが目立ちにくくはなったものの、根本的な解決にはなりませんでした。

 

 

5.ダイフレンチリキッド(サフィール)

→変化なし。顔料仕上げだったためか、バッグ自体の表面に影響してしまい、色が濃くなってしまい逆効果……。

 

 

6.レノベイティングカラー補修 チューブ(サフィール)

→効果なし。シミ部分の方が色が濃いため、淡色のクリームではカバーしきれず、効果がありませんでした。
シミ部分をサンドペーパーで削るなどすれば、また違った結果になったかもしれませんが、革質が薄く柔らかかったのでひとまず今回は避けました。

 

 

7.水拭きを繰り返す

→効果あり!
しょっぱなの水拭きのときはあまり効果はありませんでしたが、上記のようにいろいろな方法を試すうちに、徐々にシミが抜けやす異状態になったのではと推測しています。
ということで、2回目の水拭きでは奇跡的にシミが薄くなりました。

 

 

8.ユニバーサルレザーローション

→効果あり。
うっすら残ったシミの後も、ローションの油分(ホホバオイル)やビーズワックスのツヤ効果で乾燥していた革にうるおいが戻り、元々の革の色が戻るとともに、シミは目立たなくなりました。

 

 

結論。

 

今回は色々試すことができて結果としてシミを薄くすることができました。
本当はシミがついてすぐ、原因がわかっていればそれに応じた対応を速やかに行うことで、シミにならないようにしたり、もっと楽にシミを落とすことができたはずです。
そうはいっても、トラブルは気づかぬうちに起こるもの。
皆さんはお手入れする際、革質やシミの原因などをよく理解した上で対処法を実行すれば、わたしのように遠回りすることはないかと思います。

 

革質によっては取り返しのつかないことになる恐れもあるので、充分気を付けてくださいね!
そうならないためにも、まずは日頃からお手入れをしっかり行いましょう!

 

友人には、バッグをお返しするついでにクリスマスプレゼントとしてユニバーサルレザーローションをプレゼントしようと思います。笑。

 

ではまた。


 

更新情報・お得な情報をメールでお届け!
“ShoesLifeメルマガ”登録受付中♪

Le Beau
  • facebook
  • twitter
  • インスタグラム
  • インスタグラム
  • TikTok
Copyright (c) Shoes Life All Rights Reserved.