起毛素材の靴を持っている方なら、これまでに1度はお手入れについて疑問に感じたり悩んだりしたことがあるのではないでしょうか?
スエードやヌバックといった起毛素材は、スムースレザーと呼ばれるツヤのある革とは風合いであるがために、そのお手入れ方法も違いがあります。
今回の海外情報は、Hangerprojectのカービー・アリソン氏がお伝えするHow to動画の日本語訳でご紹介します。
起毛革の靴のお手入れで気を付けるべきポイントや、お手入れ道具についても実演と一緒にぜひご覧ください。
こんにちは。ハンガー・プロジェクトの創設者カービー・アリソンです。
同じ作りの靴はひとつとしてありません。ですから、スエードの靴に既存のカーフスキン用ポリッシュを使うことはできません。今回は、サフィールノワールのスエード用クリーナーでスエードの靴をきれいに洗い、新品同様に蘇らせる方法を段階的にお見せします。
まず、サフィールスエード&ヌバックラバークリーナーで乾燥ジミを落とします。それから、スエード用シャンプーのサフィールノワールオムニローションでスエードを徹底的に洗浄します。
次に、サフィールノワールスペシャルスエード&ヌバックスプレーで革の状態を整えて色を補います。仕上げにウォータープルーフスプレーで防水効果を与えスエードを保護します。
手始めに乾燥ジミやしつこいシミをスエード&ヌバックラバークリーナーで落とします。この工程は省略可能で、特に求められるのはスエードの表面に落ちにくい汚れがついていないかよく点検することです。スエード&ヌバックラバークリーナーの細かい繊維がスエードの奥まで入り込んで汚れを掻き出します。
ここにシミがいくつかあります。基本的に中くらいから強めの力でシミをこすります。この白い削りカスはスエードブラシで簡単に取れます。
この製品は部分汚れ用です。ムキになって靴全体に使うと大変ですよ。
使用後に残ったカスはスエードブラシで簡単に取れます。どのくらいきれいになったか見てみましょう。
完全にではありませんが、だいたいのシミが落ちました。この2カ所のシミがかなり目立つのでスエード用シャンプーのオムニローションで洗って落とします。
では、サフィールノワールオムニローションでスエードを洗います。この製品はスエード、ヌバック、テキスタイルに安心してお使いいただける優れた万能クリーナーです。
革にしっかり浸透して汚れを落とすこの製品でスエードを洗うと色が鮮やかになり、スエードの靴特有のほのかなパティーヌが蘇ります。
水を張った容器を用意します。オムニローションをよく振ってから水に注ぎます。水2に対してオムニローション1の割合で希釈します。3対1でもいいでしょう。使用後はフタをきちんと閉めてください。
付属のミニブラシで靴を洗ってもいいですが、私はハンガー・プロジェクトで取り扱っているヘッド直径1インチ半のデラックスブラシをよく使います。こちらの方が靴を洗うときにかなり広い表面積をカバーできるので、より効率的でとても使い勝手がいいからです。
ブラシに先ほどの希釈液をつけて靴全体を念入りに洗います。
スエードに水が浸み込むとスエードの色が変わって見えますが、まったく問題ありません。スエードの靴は濡らしても絶対に安全で問題ないので、水についてはあまり神経質にならなくて大丈夫だと思います。
サフィールオムニローションで靴を念入りに洗ったら、型崩れを防ぎ乾燥を促すために靴に新聞紙を詰めて一晩置きます。新聞紙を何枚か用意して、靴に詰めます。
シューツリーを使ってもいいですが、靴が吸った水分を吸収してくれるので私は新聞紙を使います。
オムニローションでスエードの靴を徹底的に洗いました。中に新聞紙を詰めて一晩乾かします。あしたになって乾いたら仕上げに入ります。
こちらが一晩置いて乾いたスエードの靴です。ご覧の通りオムニローションの素晴らしい効果でスエードがすっかりきれいになりました。靴についた汚れやシミがほぼ完全に落ちています。見違えるほどきれいになりました。
それでは、スエード用ブラシでスエードをふたたびブラッシングします。カーペットを洗うときと同じでこれは重要です。水に濡れたスエードは基本的に毛が寝てしまうので、寝た毛をふたたび立たせるためにスエード専用のブラシをかける必要があるのです。
今回はホーンの柄がついた大きめのスエード用ブラシを使います。中くらいから強めの力で靴全体をブラッシングします。
これでクリーニングは完了です。
続いてコンディショニングに入ります。サフィールノワールのスペシャルスエード&ヌバックスプレーは非常に優れた製品です。市販されている製品でスエードの状態を本当の意味で整えてくれるのはこれだけです。アーモンドオイル配合でスエードを保革し栄養を与えて柔らかさをキープします。
カラーはニュートラル、ブラック、ライトブラウン、ダークブラウンの4色があり、スエードの靴に色味を足すことができます。薄付きなので色がガラリと変わってしまうことはありません。ですから、色が完全に一致しなくても特に問題はありません。ほんのり色付いてスエードの靴の仕上げの鮮やかさが蘇ります。
色合わせに困ったらニュートラルを使うといいでしょう。色は付きませんがアーモンドオイルで保革でき、スエードの靴が持つ美しい光沢が蘇ります。
スペシャルスエード&ヌバックスプレーでスエードを保革したら、お好みでウォータープルーフスプレーをかけて防水効果をプラスしましょう。
サフィールノワールのウォータープルーフスプレーは最高級のスエードにも安心してお使いいただけます。防水効果を生む有害なシリコンを一切使用していません。乾燥するのに30~45分かかりますが、速乾性のエアゾール式スプレーにつきものの輪ジミができにくいというメリットがあります。
大切なスエードの靴にはタラゴのハイテクナノプロテクターのような防水スプレーはお勧めしません。私はサフィールノワールのウォータープルーフスプレー一択です。
ウォータープルーフスプレーの使い方はスペシャルスエード&ヌバックスプレーと同じです。屋外で靴から30センチほど離して全体にスプレーし30~45分間乾かします。
サフィールウォータープルーフスプレーをかけて乾かしたら完了です。私のスエードのチャッカブーツが見違えるほどきれいになりました。新品同様であと10万キロは歩けそうです。最後に、このウォータースプレーの防水効果を簡単にお見せしたいと思います。
ブーツの片足に水をかけると、そのまま流れ落ちます。ご覧の通りウォータープルーフスプレーの効果は絶大です。実に素晴らしい。ナノプロテクターのように強力過ぎなくても防水効果を発揮するところが何といってもいいですね。
防水効果はそのうち落ちてしまいます。どのタイミングでウォータープルーフスプレーをまたかければいいかというご質問をよくいただきますが、答えは簡単です。水が水滴になって靴から流れ落ちなくなったらまたスプレーしないといけません。先ほどと同じ要領でスプレーしてください。
この動画はスエードの靴のトータルクリーニング完全ガイドです。念のために申し上げておきますが、定期的にスエードブラシをかけてスエードの汚れを落としメンテナンスしてください。トータルクリーニングの必要を感じたらこの動画を見直してください。
終わりの時間となりました。ご質問はeメール(shoeshine@hangerproject.com)か画面下のコメント欄から何なりとお寄せください。喜んでお答えします。また、私どもにお手伝いできることがあれば、何なりとお問い合わせください。サフィールノワール全製品はhangerproject.comのシューケアコーナーでご購入いただけます。
ご視聴ありがとうございました。ハンガー・プロジェクトの創設者カービー・アリソンでした。
本記事で紹介した商品はこちらで購入できます。
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