アベル社が提唱するクリーナーの新定義
クリーニングローションとコンディショニングクリーナーは、表面についた汚れはもちろん落とすことはできますし、革に浸透しきれていないワックスやクリームの成分も落とします。
しかし、すでに革の内側に含まれている油分やロウ分を取り過ぎることがない、というのがこれらのクリーナーの一番の特徴です。
なので、革に余計な負担をかけることがありませんし、次に塗るクリームの浸透を促す効果もあります。
また、クリーナー自体にカルナバワックスというロウ分が含まれているのと、革の中の油分やロウ分をあえて残すおかげで続いて鏡面磨きをする際のワックスの乗りもよくなります。
そして、すでに鏡面磨きがされている靴であれば、そのワックスをとってしまうこともなく、鏡面部分のくもりや汚れを手軽に取り除くことができます。
クリーニングローションには有機溶剤、コンディショニングクリーナーであれば有機溶剤と界面活性剤が含まれています。
別の記事でご紹介したユニバーサルレザーローションも有機溶剤とロウ分を含むローションですが、こちらは栄養補給のための油分も含まれています。
しかしクリーニングローションとコンディショニングクリーナーは当然クリーナーなので油分を含まず、ユニバーサルレザーローションよりも強い汚れ落とし効果を発揮するという特徴があります。逆に、ユニバーサルレザーローションはそれ一本でお手入れをすることが可能ですが、この2種のクリーナーを使った場合はその後に必ずクリームなどで栄養補給をしていただく必要があります。
もう少し細かい話をすると、コンディショニングクリーナーの方がロウ分の量が多いです。なのでクリーニングローションよりも溶剤の量も多く、革に浸透しきれなかった油分やロウ分を落としやすくなっています。また、クリーニングローションはコンディショニングクリーナーよりも溶剤の量が少ないためマイルドな処方となっている、といった商品設計になっています。