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公開日:2022/09/02 / 最終更新日:2022/09/02

「SHOESLab.TORCH オーナーインタビュー その1

路地裏を入った先にある
革靴好きが集まる秘密基地

「SHOESLab.TORCH」 オーナー 松田慎也氏

大阪駅から西へひと駅、近年はグルメな街としても注目される福島に昨年2月にオープンした「SHOESLab.TORCH」。JR福島駅から徒歩3分という好立地ながら、民家が連なる路地裏にあり、道に迷う人が続出。“日本一見つけにくい靴磨き屋”を自称するも、靴好きなお客様がはるばる足を運ぶという稀有な店だ。
オーナーの松田慎也氏に店をオープンした経緯や靴磨きにかける想いを聞いた。

一部上場企業を辞め、本気になれることにチャレンジ


オーナー松田氏の出身は大阪市北区。大学卒業後は作業工具メーカーの営業職に就き、転勤で地元を離れて暮らしていた。仕事が好きだったわけではないが、何事もそつなくこなす性分、周りからの評価を得て役職は上がっていった。
と同時に、その役職や責任の重さに反して仕事に対する熱量のなさを感じるようにもなっていたとか。

 

入社から10年が経ち、そろそろ地元・大阪に戻りたいと考えていた頃、同郷の妻の実家が空き家となってしまう事態となり、これを転機と捉えた松田氏は思い切って会社を辞め、義実家に居を移し、その1階に「SHOESLab.TORCH」をオープンさせた。


松田氏が靴磨きをするようになったのは前職のサラリーマン時代。30歳という節目を迎え、会社で昇進が決まったこともあり、身なりを整えようと、はじめて本格革靴を購入したことがきっかけだ。いい靴を買ったからには一生モノにしたいと、ケアの仕方を調べるうちに靴磨きにハマっていった。

 

「それまでは、靴のケアといえばツヤ出しスポンジで簡易的に磨く程度でしたが、靴の磨き方を調べて本格的な靴クリームで磨いてみたところ、靴が見違えるように変わりました。元々、料理やDIYなど時間をかけて細かな作業をすることが好きなので、靴磨きは性に合っていたんだと思います」。



履くだけでなく、磨く楽しみも知った松田氏は革靴沼にますます引き込まれていった。そして、革靴の素晴らしさをもっと世の中に広めたい、自分が本気になれることにチャンジしたいと、シューシャイナーを志すようになった。

松田氏がシューシャイナーになる決意を固めたもう一つのきっかけは、2020年の靴磨き選手権だ。東京に住んでいた松田氏は現地で選手権を見学し、目の前で靴を磨くシューシャイナーたちのかっこよさに魅了され、自分もいつかこの舞台に立ちたいと考えたのだ。

 

日本一見つけにくい!? 路地裏の靴磨き屋


「SHOESLab.TORCH」があるのは福島の路地裏。通り過ぎてしまいそうなほど細い路地を入った先にあり、一見さんがたまたま通りかかって靴を預けるといった集客は考えづらそうだ。不安はなかったのだろうか。

 

「今ではこのロケーションを逆手にとって、“日本一見つけにくい靴磨き屋”をウリにしています(笑)。地元の人もあまり通らないような路地裏にあるのでお客様の8割方は迷われている感じです。見つけにくいからこそ、探して来てほしい、見つけてほしいというのが本音ですね」


そんなロケーションに加え、まったくの別業界からの転身のため革靴業界とのつながりやツテは一切なかった。そこで力を入れているのがSNSの運用だ。

 

「何も土台がないところから入ったので、店のことを知ってもらうためには、自分から発信していくしかないと思い、ブログやインスタグラム、ツイッター、フェイスブックなど、SNSでの発信は大切にしています。ですが、根本には『これはよかった』『これは楽しい』という話題をみんなとシェアしたい、革靴や靴磨きの楽しさをもっと広めたいというオタク心みたいなものがあります。だから集客につながらなくても、革靴や靴磨きに興味をもってもらえたらそれでいいかなと思っています」


「SHOESLab.TORCH」では中古革靴の販売にも力を入れているが、それもやはり革靴や靴磨きに興味をもってもらうきっかけ作りと捉えている。

 

「中古革靴の魅力は、なんといっても手に入れやすい価格であること。革靴は今どんどん値上がりしていて、本格革靴だと気軽には買えない価格帯のものも多いですが、中古革靴は憧れブランドを手にする入り口としてとてもいいと思います。また、新品の革靴と違って革がやわらかくなっているので履き馴染みがいい。他にもいろいろな魅力があって、僕も中古革靴を介してますます革靴が好きになったので、革靴の楽しさを知ってもらうきっかけになればと思っています。利益をほぼ取らずにやっているので、お客様からは『この靴をこんな価格で売って大丈夫なの?』と心配されることもあります」

 

大阪唯一のサフィール シューケアトレーナー


2022年1月には、サフィールのシューケアトレーナー資格を取得。大阪で唯一のサフィール認定ショップとなった。

 

「サフィール製品は靴磨きをはじめた頃から愛用しています。靴磨きを習得するためによく見ていたYouTube動画でクレム1925がおすすめされていて、使ってみたら今までに見たことのないような奥から光る色気のあるツヤが出て、これはすごいなと。それ以来、サフィールは大好きでずっと使っていたので、資格取得の試験には自信をもって臨むことができました。靴磨きは道具さえあれば、資格がなくても誰でもはじめられます。だからこそ、サフィールのシューケアトレーナー資格を取得したことで信用を得られるのは有り難いし、身が引き締まります」


資格を得て箔をつけた松田氏だが、接客スタイルはこれまでと変わらず、あくまでフランクに。特に靴磨きに興味をもちはじめたばかりで、いろんなことを知りたい、話したいというお客様は大歓迎なのだとか。

 

「革靴のことや靴磨きについてお客様からいろいろ聞いてもらえるのは嬉しいですね。どんな靴を買ったらいいか相談されたお客様に『靴を買うのについて行きましょうか?』と言って断られるくらいにはおせっかいなので(笑)、なんでも聞いてほしいと思っています。以前は周りに革靴好きの方や靴磨きが好きという方がいなくて、趣味の話を気軽にできる場所がほしいと思っていました。ないなら自分でつくろうと考えたのが店をオープンした理由でもあるんです」

 

履くだけではない、革靴の魅力を広めていく


「SHOESLab.TORCH」がコンセプトとして掲げるのは、「履くだけの革靴なんてもったいない」という言葉。革靴にどハマリした松田氏ならではのフレーズだ。

 

「ハマる前は履物としてしか見ていなかった革靴ですが、靴磨きをするようになっていろいろな魅力があることを知りました。革靴は造形物としても美しく、コレクションして眺めているのも楽しいですし、パーツをカスタムして自分好みの靴にして楽しむこともできるし、磨くのも楽しい。いろいろな楽しみ方があるので、お客様に自分なりの楽しみ方を見つけてほしい。「SHOESLab.TORCH」では、そのためのお手伝いやご提案ができたらいいなと思っています」


靴好きから認知してもらえるようになった今、今後は地域の人にも愛される店にしていきたいと考えている。

 

「SNSを見て来てくれるお客様は増えたのですが、地域の人にはあまり知られていないし、福島界隈では靴磨きはまだまだ浸透していないと感じています。先日、福島区の小学生の職業体験に参加させてもらって、小学生に靴磨きを教えたのですが、すごく集中して靴を磨いてくれて、鏡面磨きもしっかり光っていました。そうやって地域の方と触れ合う機会を増やし、地域でも認知される店になっていけたらと思っています」

 

革靴の魅力を伝える伝道師として発信を続ける松田氏のこれからの活躍も楽しみだ。革靴談義を思う存分したいという人はぜひ店を訪れてみてほしい。

次回の更新では、「SHOESLab.TORCH」のメニューやサービスについて詳しく紹介する。

SHOESLab.TORCH

TEL:080-3840-5524

大阪府大阪市福島区福島5-17-33
10:00〜20:00
金曜定休(他、不定休あり)

https://shoeslab-torch.com/
https://shop.shoeslab-torch.com
https://www.instagram.com/shoeslab.torch/

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