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ホーム > 店舗紹介情報 > 靴磨屋T.A.N.S. SAPHIR FRIENDS オーナーインタビュー その1
公開日:2020/10/19 / 最終更新日:2023/07/19

コンセプトは、「大切なモノをより長く」
モノへの想いを一緒に磨き上げるシューシャイナー

「靴磨屋T.A.N.S.」 オーナー 稲田祐一氏
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愛知県北西部に位置する江南市。名古屋から車や私鉄で約30分、名古屋のベットタウンとして発展してきたエリアだ。その中心部に店舗を構える「靴磨屋T.A.N.S.」は、アメリカをこよなく愛するシューシャイナー稲田祐一氏が営む靴磨き専門店。凝り性ゆえに独学で技術を習得しシューシャイナーになった稲田氏に、靴磨きにかける想いを聞いた。

趣味が高じて、靴磨きにどっぷりハマる

アンティーク調の家具や雑貨が置かれ、星条旗やアメリカの古い雑誌の切り抜きが飾られたオールドアメリカンな雰囲気の店内。そのカウンターの奥で靴を磨く恰幅のよい男性がオーナーの稲田祐一氏だ。稲田氏が靴磨きの世界に導かれたきっかけは、靴ではなく、趣味で乗っていたハーレーだったとか。

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鹿の頭蓋骨の剥製や雑誌の切り抜きなどが飾られた壁が目を引く

「もともとハーレーが好きで、シートやカバン、ブーツといった革小物が身近にありました。自分がめちゃくちゃ大事にしているものだし、高価なものなので、ローションを買って磨いたり、手入れの方法を調べたりするようになったんです。バイクに乗っていると、クラッチを切る左足のブーツの甲の部分が黒くなってくるんですよね。それをどうやったら落とせるんだろう?と、汚れ落としについて調べて、キズがついたら補修したくて調べて。凝り性なので、どんどん掘り下げていきました」

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当時の仕事は住宅関連の営業職。普段からスーツを着ていたので、革靴のケアにもハマった。

 

「ハーレーの革小物をケアしていたら、普段履いている靴も気になってきたんです。自分の靴を触り倒して、そのうち鏡面磨きをするようになって、シューケア用品も片っ端から買って試しましたね」

 

〈オールデン〉のチャッカブーツを手に入れたこともまた、稲田氏が靴磨きにのめり込むきっかけとなったようだ。

 

「22歳の時にはじめて買った〈オールデン〉。当時、10万円超えの靴を買うのは、何かから飛び降りる勢いでした(笑)。素材はコードバンなので気を使います。これは本気でケアをしないとやばいぞと。靴磨きにさらにスイッチが入った一足です」

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稲田氏の靴コレクションの一部を見せてもらった。写真中央が〈オールデン〉のチャッカブーツ

好きな場所で、好きなことをして生きていく

その後もあらゆるシューケア用品を購入し、ケア方法を試すなどして技術を磨いた。いつしか靴磨きは趣味の域を越え、昼は営業の仕事、夜は靴磨きを鍛錬する生活に。そして転機は突然訪れた。

 

「28歳のときに住宅関連の仕事で独立したのですが、4期目に入った頃に仕事を離れることになりました。これからどうしようかと悩みましたね。これまでやってきたプライドもあるし、生活レベルを落としたくないとか、いろいろ考えました。アメリカを1ヶ月ほど放浪して、〈ホワイツ〉のブーツを本場で買ったり、インディアンジュエリーのデザイナーに会ったり、牧場で生活をしたりと、やりたいことをひと通りやって帰国しました。そうしているうちに、もう人の目とか、ステイタスはどうでもいいなと吹っ切れたんです。これからはなるべくミニマムに、好きなことをやって生きていこうと、前向きになれました」

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稲田氏にとって好きなこと。それは、紛れもなく靴磨きだった。1年半の修業期間を経て、2016年5月に「靴磨屋T.A.N.S.」を立ち上げた。「T.A.N.S.」は、「TAKE A NEW STEP(新しい一歩を踏み出す)」の略。靴磨きにかける決意がそのまま屋号となった。

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ショップロゴは店舗を構えた際にリニューアル。三重在住の女性アーティストaoi氏が制作した。

「初めは店舗を持たない宅配専門でスタートしました。お客様の靴を取りに行って、磨いて、納品するというのをひたすら3年間。そして、2019年4月に地元、江南に店を構えました」

 

靴磨きを生業とするなら、店舗は都心部が有利ではないだろうか。あえて江南市に店を構えたのはなぜだろう。

 

「ただただ、地元が好きだからです(笑)。江南生まれ、江南育ちなので、絶対的な土地勘があるんです。都心に店を構えるのに比べたら確かに分母は小さいですが、この商売自体がマニアックなので、マニアックな人間がどれほどいるかは、分母に比例しないんです。お客様は名古屋、一宮、各務原など近隣からも来てくれるし、一人でやるには十分な商圏です。愛着のある地元で、好きなものに囲まれて、好きな仕事ができる。ここまで充実していたら、商売として成功するかどうかは正直、あまり関係ないんです」

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名鉄犬山線「江南駅」から西へ約1㎞、テナント施設「サンフェイスストリート」に店舗を構える

地元の人に愛される店を目指しているのかと聞くと、「そんな奉仕の心はまだない」と笑うが、地元への愛は溢れている。

 

「せっかく江南に店を構えたので、江南に住む人の足元はめっちゃきれいであってほしい。いきなり日本中に靴磨きを普及するのは難しいので、まずは江南から。床屋や美容室、ネイルサロンに行くのと同じ感覚で、定期的に靴磨き屋にも通ってもらいたいですね」

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大切なモノをより長く-- すべてはその思いから

「僕がシューシャイナーになったそもそもの経緯は、僕自身が大切なものを長く使いたいという思いがあったから。これはお客様に対しても同じ。ただ靴をきれいにして、光らせるのではなく、大切なものをより長く使ってもらいたい。どんなものにもそれぞれ歴史があって、ものを見るたびに思い出す。その思い出を残して保存してあげられるのがシューシャイナーなんです」

 

そんな稲田氏の元には、大切なモノが続々と預けられる。

 

「例えば、27年前から履いている〈レッド・ウイング〉の靴を磨いてほしいとか、赤ちゃんのファーストシューズを保存しておきたいから洗ってほしいとか。お客様の大切なものを預かって、大切にしたいと思う気持ちに全力で応えたときに言われる『ありがとう』は、何よりうれしいですね」

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「靴磨屋T.A.N.S.」がもう一つモットーとして掲げている言葉がある。「職人の100%は、お客様の120%」。これにはどういう意味があるのだろうか。

 

「僕たち職人が靴を見る目線はめちゃくちゃ近い距離なんです。お客様が自分の靴を見るよりもずっと細かく、近い距離で靴を磨きます。きっとこちらが80%で仕上げても、お客様は『きれいになった、ありがとう』と受け取ってくると思いますが、職人が100%の仕事をすると、お客様の期待を超えて感動してもらえる120%までもっていけるんです」

 

常に100%を出し切って、一足一足を仕上げてきた職人ならではの言葉の重みがある。

 

「同じ靴は世の中にいくらでもあるけど、同じ履きジワの靴は一つもないですよね。履きジワがあると、歩いたときにピタッと足になじむような感覚が生まれます。それは新品の靴には出せない履き心地なんです。そうやって靴を育てていく役目がシューシャイナーにはあると思っています」

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靴磨き職人をアーティストへと昇華させる

「靴磨屋T.A.N.S.」は2019年11月、豊田市駅前のコモスクエアに2号店をオープンした。

 

「うちの店で修業した本田がオーナーをしています。本田は以前、芸人だったんですが、夢破れて東京でスーツ屋をしているときに、共通の友人を通して知り合いました。東京にいるけど自分の道が定まっていないと言うので、地元の豊田に戻らせて、豊田からうちに通って修業をさせました。2号店を任せるなら雇われの従業員ではなく、オーナーとして責任をもってお客様と向き合った方が絶対にいいので、暖簾分けという形をとったんです」

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2号店も無事オープンし、この春に「靴磨屋T.A.N.S.」は4周年を迎えた。この先はどう進化していくのだろうか。

 

「今は江南と豊田の2店舗ですが、名古屋と岐阜、三重にもそれぞれ店舗をつくって、暖簾分けを増やしていきたいと思っています。といってもリクルートをかけるのではなく、それぞれの土地に愛着をもって、志高く一緒にやっていける人を見つけたい。シューケアをカルチャーとして広めていこうと思うと一人では無理で、靴磨き職人が誰からも憧れられるアーティスト集団にならないといけないんです。美容師が職人からアーティストになったように、靴磨き職人もクラフトマンとしてだけでなく、アーティストとしてかっこよさを追求する。そのビジョンを一緒にカタチにしていく仲間を増やしていきたいですね」

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大切なモノをより長く–。「靴磨屋T.A.N.S.」のフィロソフィーが浸透し、靴磨き職人がアーティストと呼ばれる未来はそう遠くはなさそうだ。その挑戦をワクワクしながら応援していきたい。オーナーの人柄を掘り下げた今回のインタビュー。次回更新では、「靴磨屋T.A.N.S.」のサービス内容や稲田氏に聞いたセルフメンテナンスの方法などを紹介する。

靴磨屋T.A.N.S.
TEL:0587-81-4697
愛知県江南市古知野町福寿50 Sunface St.3
11:00〜19:00
不定休

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