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公開日:2021/06/23 / 最終更新日:2021/08/26

鏡面磨き専用の布・ハイシャインポリッシュクロス、4種類比較してみると細かな違いがおもしろい

鏡面磨きやってみたいけど何が必要ですか?とご質問いただくことが時々ありまして、まずワックスと専用クロスが必要ですとお伝えするのですが…。
サフィールの総代理店・ルボウの担当者さんも「数が多すぎて収集がつかなくなってきています笑」とおっしゃるほど、クロスの種類が多いので、はじめての方はなおさら悩まれるのではと思います。

 

というわけで、ルボウさんのクロス2種類とサフィールノワールのクロス2種類、合計4種類の仕様と使い心地を比較して、商品の特徴を整理してみたいと思います。
鏡面磨きにチャレンジされたい方は是非参考にしてみてください。

4種類のクロスご紹介

こちらの4種類です。

  • ルボウ・ハイシャインポリッシュクロス
  • ルボウ・ハイシャインポリッシュクロス 尾州織物
  • サフィールノワール・ハイシャインポリッシュクロス レギュラー仕様
  • サフィールノワール・ハイシャインポリッシュクロス アドバンスド仕様

 

全て商品名にハイシャインポリッシュと入っていますので、鏡面磨き用に使えることは間違いなさそうです。そして、すべて 3枚入りでコットン100%。サイズもだいたい同じ。
値段は少しずつ違いますので、厚さや起毛感など細かい布の違いがありそうです。順番に見ていきましょう。

ルボウ・ハイシャインポリッシュクロス

今回の中で一番安価なクロスです。指に巻きやすいように帯状にカットしてあります。(以下、ポリッシュクロス)

  • 価格:660円
  • サイズ : 6.0×60.0cm
  • 素材 : 綿100%
  • 枚数: 3枚

ルボウ・ハイシャインポリッシュクロス 尾州織物

生地が柔らかく素早く上質な仕上げが可能。価格も1,100円と、上のクロスよりも高くなっています。
それもそのはずで、経糸(たていと)に対して横糸が通常の織物の4倍量となっており、かなり蜜な繊維になっているようです。おかげで毛玉になりにくく、また織り目が開きにくいので、ふわふわ感が持続しやすいという特徴もあります。

 

ちなみに、尾州というのは繊維業で盛んな愛知県一宮市周辺のことで、今でも高い技術を持った毛織企業が多く存在している地域です。(以下、尾州織物)

  • 価格:1,100円
  • サイズ : 6.0×60.0cm
  • 素材 : 綿100%
  • 枚数 : 3枚

サフィールノワール・ハイシャインポリッシュクロス レギュラー仕様

起毛量と生地にこだわったふわふわの生地です。生地が薄いため指に感覚が伝わり、力加減を調整しやすいというのがポイントのようです。そして箱がカッコいい!(以下、レギュラー)

  • 価格:1,320円
  • サイズ:7.0×50.0cm
  • 素材 : 綿100%
  • 枚数 : 3枚

サフィールノワール・ハイシャインポリッシュクロス アドバンスド仕様

スピーディーにハイシャインができるよう生地の密度が高く、起毛量も少なめという印象です。レギュラー仕様と比べると明らかに硬めな生地です。
上級者向けのクロスのようですが、はたして僕に使いこなせるのか!?(以下、アドバンスド)

  • 価格:1,320円
  • サイズ:7.0×50.0cm
  • 材質:綿100%
  • 枚数:3枚入り

比較内容

それぞれのクロスに対して、こちらの4つを比較してみたいと思います。

  • 厚さ
  • 起毛感
  • 水の吸い方
  • 磨き心地

①クロス厚さ

(厚い)ポリッシュクロス > 尾州織物 > アドバンスド ≒ レギュラー(薄い)

 

という印象です。レギュラーとアドバンスドの厚さは近いですが、アドバンスドの方が繊維が蜜で硬さがあります。
さてこの厚さが磨き心地にどこまで影響してくるのか?

②繊維の起毛感

ポリッシュクロス、尾州織物、レギュラーの3つは、パッと見似た起毛感です。アドバンスドだけはふわふわ感はうすく、プレスをかけたようなしっかり感があります。

③水の吸い方

鏡面磨きをするにあたって水の量は大事です。クロスに含まれる多すぎると革が水を吸ってワックスが乗りにくくなってしまいます。また、水が全くないと繊維がワックスに触れて細かい擦りキズができ、綺麗な鏡面になってくれません。

尾州織物だけ水の吸い込みがかなり遅いようです。逆にアドバンスドはスッと水を吸収して、指全体に水分が浸透します。これはかなりわかりやすい差が出ました。

④磨き心地

条件を同じにするため、同じワックスを使って2足に下地を作ります。革も毛穴の凹凸の表情が似た2足を選びます。
それぞれ4種類のクロスを使って片足ずつ磨いて使用感を確かめていきましょう。

ポリッシュクロス

厚みがあるので生地内に水を多く含みやすい印象です。
鏡面磨きをする際はクロスが全体的にうっすらと湿っている状態が好ましいと考えますが、含みすぎても磨きにくくなってしまします。ここが難しいところ。
多すぎてはいけませんが、適量の水であれば厚みのある生地が水分を蓄えて磨きやすさはあるかと思います。僕の使っているハンドラップだと1プッシュの水が多すぎるので、少なめに水を含ませて、しっかりクロスに馴染ませて使うとほとんど水を足す必要はなさそうです。

 

また、生地が厚くふわふわなせいか最初だけ繊維が落ちます。

尾州織物

水の吸収が遅いので、クロスに水を馴染ませるのに時間がかかります。
あまり慣れていない方はクロスについた水をしっかりと馴染ませて使っていただいた方がよいです。
水を馴染ませてしまえば普通に磨くことはできますが、指を全体的に濡らしておかないと表面が整わないこともあると思います。

 

こちらも最初だけ繊維がけっこう落ちました。

レギュラー

ふわふわしていますが今回のクロスの中では薄めなので、指の滑りが一番感じやすく力加減が調整しやすいクロスでした。この薄さは個人的には磨きやすいと感じました。
ワックスの柔らかさや乾き具合を見ながら、力を入れてワックスを押し付けて表面を整えるという磨き方をしてもワックスが曇ることがありませんでした。

 

不思議なことに、こちらはふわふわな生地の割に上の2つよりは繊維が落ちませんでした。

アドバンスド

今回のクロスの中では一番水の吸収が早いので、簡単に水切りをすればすぐに磨きはじめることができます。一瞬で浸透します。
クロスが蜜なので水の持ちもよく、水を足す必要もほとんどありませんでした。スピード磨きにも向いていると思います。

 

また、個人的に一番嬉しかったのはクロスの繊維がほとんど出ないということです。ふわふわの生地は繊維が飛んで、ワックスの中に入ってしまう恐れがありますが、こちらはその点安心です。ワックスに繊維が埋もれてしまうと修復がなかなか難しい場合があるので、プロ仕様のクロスというのも納得です。

 

ただし水の量がほとんど無い状態になってしまうとすぐに擦りキズができました。慣れてくれば磨いた指の感触で水の量はわかってきますが、慣れないうちは水の量を確かめながら磨いてみてください。

結果

安価に抑えたい方はルボウ・ハイシャインポリッシュクロスがおすすめです。他のクロスよりもかなりコストは抑えられますし、全く問題なく磨くことはできます。

 

サフィールノワール・ハイシャインポリッシュクロス レギュラー仕様とサフィールノワール・ハイシャインポリッシュクロス アドバンスド仕様は、他の2つよりも使いやすさがあると思いました。どちらも水切りがしやすく、繊維も落ちにくいのも使いやすさの理由です。
まだはじめたばかりで力加減がわかりにくいという方はレギュラー仕様が安心。プロ仕様で磨けるようになりたい!という方はアドバンスド仕様でチャレンジしてみてください。

 

ルボウ・ハイシャインポリッシュクロス 尾州織物は、鏡面磨きにも使えますが水分の浸透が遅いため、クリーナーなどを効率よく使うには都合が良いのではないでしょうか。
布に浸透させすぎると革に触れる液量が少なくなってしまうため、浸透しにくくさらに柔らかさのある生地はクリーナーにも向いていると考えました。
ただし、生地の密度がとにかく高いということも忘れてはいけません。もちろん鏡面磨きにも使えますからね。

最後に

普段単体で使っていると案外気付けないような微々たる差かもしれませんが、こうやって比較することでそれぞれの特徴が見えてきます。クロスに対する個人的な好みもはっきりして、おもしろい検証でした。
鏡面磨きの方法についてはこちらの記事でもご紹介していますので、これから始められたいという方は是非参考にしてみてください。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。



Writer profile

楠美 皓平 Kohei Kusumi

革靴ジャーナリスト・ブロガー

祖父に教えてもらった靴磨きがきっかけで、靴のお手入れ方法や革靴に興味を持ち、『革靴の魅力や靴磨きの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい』という想いでブログやYouTubeで情報発信を行う。また、ファッションとしての革靴だけでなく、足を支える道具としての革靴という側面から、靴選びの大切さについても発信をすべく知見を深めている。
ブランドや職人の取材のライティングをする一方で、靴好きの方のコミュニティの活性化の一環としてイベント運営も手がける。
前職のwebディレクターの経験からシューメーカーのブランドサイトやオンラインショップの制作・カスタマイズ、広告運用を受け持ったり、ブランディングや商品開発のコンサルなども行う。

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