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くすみのシューケア生活

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くすみのシューケア生活

公開日:2021/05/26 / 最終更新日:2023/06/12

サフィールノワールの隠れた名品・ミンクオイルクリームについて語らせてください

サフィールノワール [Saphir Noir] の代表的なクリームといえばご存知クレム1925ですが、実はレノベイタークリームやスペシャルナッパの他にも非常に優れたクリームがあることをご存知でしょうか?

それがこちらのサフィールノワールのミンクオイルクリームです。

クレム1925とはまた違った使い心地のクリームですが、個人的にすごく好きなクリームなので紹介させてください。

ミンクオイルクリームの位置付け

イタチ科の動物・ミンクから取れる純度の高いミンクオイルを使用しているクリームです。
クリームと書きましたが、軟膏のようなペースト状の製品になります。主成分であるミンクオイルの性質かと思いますが、かなりねっとりとしたオイル系のクリームであることがわかります。

クレム1925やレノベイタークリームは栄養補給もできてツヤも出る。スペシャルナッパは保湿重視。そしてこちらのミンクオイルクリームは、以前の記事でご紹介したオイルドレザークリームと同様、高い栄養補給効果が得られるという位置付けです。
クレム1925は補色もできる油性クリームなので革靴用。スペシャルナッパやレノベイターは無色で革靴以外にもスムースレザー全般に使えますが、こちらのミンクオイルクリームも革製品全般に使うことができます。

 

オイルドレザークリームと同様と書きましたが、オイリーな仕上がりかというと決してそうではないというのがおもしろいところです。
次は、クリームの特徴について詳しくご説明させてください。

ミンクオイルクリームの特徴・使い方

こういったオイル系のレザーケアグッズは油分含有量が高くねっとりとしているため、革への浸透に時間がかかるように思います。なので僕がおすすめしたい使い方は、塗って一晩放置!

 

塗った部分はこのようにテラっとオイリーなツヤが出ます。

一晩置くと、翌朝には成分が馴染んで案外さらっと仕上がります。塗りすぎなければベタつきが残ることもありません。不思議ですが、これがおそらくミンクオイルと革との相性の良さ、つまり浸透性の良さなのだと考えます。
ブラッシングをするとご覧の通りツヤも出ます。ほんのり革の柔らかさも出ているように思います。

一晩寝かせると十分馴染むので浸透性はありますが、ゆっくりではあります。なのでスピード磨きには向かないかもしれませんが、ミンクオイルによって革がぷっくりする感じは病みつきになること請け合いです。
しかし塗りすぎると直後にブラッシングしてもツヤは出ません。塗り伸ばしやすさはあるので、少量をしっかり塗り伸ばしてあげてください。

 

茶系のコードバンに使っても色が濃くなりすぎることはありません。(一時的には多少濃くなります)

また、さらっと仕上がるので、薄手でやわらかく肌触りのよいシープやゴートなどの手袋などにも使えるので、実は汎用性も高いのです。

あと、これは僕の好みでもあるのですが、このミンクオイルクリームは香りがすごく優しいです。
革靴のお手入れは室内でされる方が多いかと思いますが、香りが優しいのでご家族の目…というか鼻を気にする必要もありません。
靴を愛でる時間は贅沢な時間ですが、その時間をより濃く質の高いものにするためには、この香りという要素はとても大切だと思っているのです。

ダビンミンクオイルとの違い

ちなみにサフィールノワールにはダビンミンクオイルという缶に入ったオイルもあります。同じく軟膏状のオイルになりますが、こちらはオイルアップが目的のグリスのような仕様です。
一方でミンクオイルクリームはオイルドレザーにも使えますが、スムースレザーの日常メンテナンスとして使うことができます。

履きジワも柔らかく

クリームの仕様についていろいろとご紹介してきましたが、一番お伝えしたいのはクリームの使用感。
磨く前と後の写真です。しばらく履いて革が乾燥した靴にできた細かい履きジワが柔らかくなっています。

最後に

このクリームはサフィールを製造されているフランスのアベル社にお邪魔したときに、お土産としていただきました。

当時フランスは猛暑で、旅行先で買った革靴を乱暴に履きおろし、くるぶしの下が当たって靴擦れを起こしたのですが、いただいたこのクリームを靴全体に塗ったら驚くほど革が柔らかくなって、傷口にバンドエイドを貼ったら全く問題なく靴が履けたという思い出があります。
これは大げさではなくほんとの話。

 

革を柔らかくする効果はとても高いと感じています。是非お試しください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。


Writer profile

楠美 皓平 Kohei Kusumi

革靴ジャーナリスト・ブロガー

祖父に教えてもらった靴磨きがきっかけで、靴のお手入れ方法や革靴に興味を持ち、『革靴の魅力や靴磨きの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい』という想いでブログやYouTubeで情報発信を行う。また、ファッションとしての革靴だけでなく、足を支える道具としての革靴という側面から、靴選びの大切さについても発信をすべく知見を深めている。
ブランドや職人の取材のライティングをする一方で、靴好きの方のコミュニティの活性化の一環としてイベント運営も手がける。
前職のwebディレクターの経験からシューメーカーのブランドサイトやオンラインショップの制作・カスタマイズ、広告運用を受け持ったり、ブランディングや商品開発のコンサルなども行う。

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