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【海外情報】ロンドンスーパートランクショー2024 レポート

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公開日:2024/05/31 

【海外情報】ロンドンスーパートランクショー2024 レポート

世界の革靴愛好家達が注目するロンドンスーパートランクショー。
靴の展示とともに開催される「靴磨き」「パティーヌ」「靴作り」の世界一を決める大会が今年も行われました。

 

開催場所となるリージェント通りでは、イベントに訪れた人達と大会の選ばれしファイナリスト達が集結。

過去最高の動員数を更新したという情報もあり、今年はさらに熱気に溢れていたに違いありません。

 

さて、前置きはこれぐらいにして、ロンドンスーパートランクショー2024の様子を伝える海外記事をまるっとご紹介します。


本記事はshoegaizingブログReport – London Super Trunk Show 2024を意訳したものです。

【海外情報】ロンドンスーパートランクショー2024 レポート

去る5月4日に開催されたロンドンスーパートランクショーは、盛況のうちに幕を閉じました。
ショーの新記録となる1,300人を超える来場者が、世界中から集結した紳士靴と紳士服の出展者を回り、靴磨き、シューパティーヌ、靴作り世界大会を観戦しました。
今回は、当日のレポートを写真満載でお届けします。
動画もありますよ。

スーパートランクショーには多くの側面があり、それがこのイベントを特別なものにしています。
一堂に会した世界中の数多の紳士靴や紳士服ブランドを自分の目で見て、試着して注文できるというわかりやすい特典があります。
靴作り、靴磨き、シューパティーヌの世界王者を決める白熱した大会では、さまざまな技法を駆使した激戦を目の当たりに見られます。
そして、世界各地から集った靴に携わる人たちと靴を愛する人たちにとって、このイベントは活気あふれる出会いの場となっています。

出会いの場としての側面は、主催者であるイェスペル・インゲヴァルソン(シューゲイジング)、ジャスティン・フィッツパトリック(ザ・シュー・スノッブ)、自身の名を冠したウェブショップとYouTubeチャンネルでおなじみのカービー・アリソンがあずかり知らない部分なので、その重要性をいろいろな場面で目の当たりに見ると感動を覚えます。
当日は、かつてジャーミンストリートにあったフォスター&サンのワークショップに勤務していたシューメーカーたちが数年ぶりに再会を果たしたり、海外から出展したブランドがヨーロッパであらたに代理店になるかもしれない小売店と顔を合わせたりと、さまざまな出会いがありました。
そして、ここに集うために国内外から本当に大勢の方々が足を運んでくださったことに驚きを禁じ得ません。

大盛況の一日でした。

画像提供:イェスペル・インゲヴァルソン、ジャスティン・フィッツパトリック、サミュエル・ノースワーシー/サフィール

靴談議に花が咲く。

靴作り世界大会の応募作品を鑑賞する来場者。

当日は、1,300人を超える来場者が、まさにロンドンの中心部のリージェントストリート12番地(1階)にある会場(ショーケース)を訪れ、来場者数新記録を樹立しました。
来場者の滞在時間が長かったと見え、終日例年より混雑しており、開場前後の混み合う時間やステージ上のイベント時も来場者でごった返しました。
開場15分後には、シューパティーヌ世界大会決勝がスタートしました。

決勝に進出したパティーヌアーティストは、アルベルト・ジュカジ(スイス)、モルガン・レヴェック(フランス)、そして、2022年度世界王者のトアン・ジュニー(フランス)の3人です。
5時間という短い制限時間でしのぎを削りました。
本大会は、シューケアブランドのサフィール(使用する製品を提供)とシューズブランドのブリドレン(染色する靴を提供)の協賛で開催します。
まったく染色されていないクラストレザーの靴がダイとクリームとワックスで見事な芸術作品へと変貌を遂げるさまは、いつ見ても実に感動的です。
厳正なる審査の結果、モルガン・レヴェックが優勝しました。
いずれの作品もすばらしく接戦でしたが、複雑なテクニックを駆使した彼女の繊細な作品が栄冠に輝きました。

トランクショー内で2部門の世界大会決勝が行われます。

パティーヌ世界大会決勝が始まりました。(左から)アルベルト・ジュカジさん、モルガン・レヴェックさん、トアン・ジュニーさん。

無染色の靴が変貌していくさまがよくわかります。

決勝の舞台でカービー・アリソンのインタビューを受けるアルベルト・ジュカジさん。この模様はYouTubeチャンネルで公開予定です。

染色中もクールにきまっているトアン・ジュニーさん。

フランスのブランド、JMルガゼルにパティーヌアーティストとして勤務するモルガン・レヴェックさん。優勝おめでとうございます。

優勝を争った3足。(左から)アルベルト・ジュカジさん作、モルガン・レヴェックさん作、トアン・ジュニーさん作

モルガン・レヴェックさんと優勝作品。

プラチナスポンサーは資金だけでなく、シューパティーヌ世界大会と靴磨き世界大会に必要な物品をすべて調達し、両大会とイベントを最大限に支援してくれました。
当ブログの読者にはおなじみのサフィールは、フランス中部の自社工場で最高級原料のみを使用して開発製造されている最上級レンジのサフィールノワールなどで世界的に有名な高級シューケアブランドです。
当日は、幅広い製品の展示販売のほか、来場者にベストな靴のお手入れ方法を伝授、ボウベルズ・シューシャインと共同で全員に無料で靴磨きサービスを提供して、大好評を博しました。

サフィール提供の無料靴磨きサービス。

サフィールノワールのクリームとワックス。見事な展示です。

クリーナーの品ぞろえも豊富です。

各種ブラシを取り揃えています。

ブリドレンはインドのシューメーカーです。ロンドン、ニューヨーク、アムステルダムで開催されたスーパートランクショーの効果もあり(イベントとそれに付随するすべての強みの証明です)、上位エントリーレベルとミドルレンジのセグメントの魅力的なグッドイヤーウェルト製法のシューズブランドとしての地位を確立しました。
豊富なスタイルを取りそろえ、この価格レベルにして作りが堅牢で厳選した高級素材を使用しています。
同社をけん引するアファン・モハメドとザーハン・アネスのふたりは、彼らの製品の強みを知ってもらい、インドの靴作りのレベルの高さを世に広めるために尽力してきました。
その成功は喜ばしい限りです。

さまざまなスタイルがそろったブリドレンの展示。

ブリドレンの特徴のひとつは、コットンのリブに接着するのではなく、厚手のレザーインソールに直接グッドイヤーウェルト製法で縫い付けている点です。

コードバンのロングウィング。

丸みを帯びたベベルド・ウエストのソール

靴磨き世界大会でも、プラチナスポンサーよりシューケア用品と靴が提供されます。
決勝では、予選を勝ち抜いた3人がサフィールノワールのワックスを使い新品未使用のブリドレンのプレーンキャップトゥオックスフォードをたった20分の制限時間内に美しく磨き上げます。
実際にやってみると至難の業ですが、ここに集まったのは現役のプロフェッショナルです。
シューパティーヌ世界大会でも決勝進出を果たしたアルベルト・ジュカジ(スイス)に挑むのは、ゴードン・チュー(中国)と西上悦弘(日本)です。
すばらしい深みのある完璧な鏡面を作り上げた西上悦弘が2024年度靴磨き世界王者となりました。

しのぎを削る靴磨き世界大会のファイナリストたち。(左から)西上悦弘さん、2部門で決勝進出のアルベルト・ジュカジさん、ゴードン・チューさん。

今年も大観衆が決勝を見守りました。

優勝者が発表され、感極まる西上悦弘さん。奥に見えるのが主催者の(左から)ジャスティン・フィッツパトリック、イェスペル・インゲヴァルソン、カービー・アリソンです。

決勝で磨き上げられた靴。(左から)西上さん、ジュカジさん、チューさんが磨いたもの。

優勝者と記念撮影するカティア・ムーラさん(サフィール)とアファン・モハメドさん(ブリドレン)。

展示フロアには、スーパートランクショー最多となる企業が出展しました。
前述のプラチナスポンサーのほかにもゴールドスポンサー2社が特大ブースを構えました。
中国から参加したアクメは、フルビスポークの靴と同じ高いレベルで作られる世界有数の上質なRTWとMTOの靴を提供しています。
ブランドの代表が自らスーパートランクショーのブースに立つのは初めてのことで、その上質な靴に魅せられた来場者の喜びもひとしおでした。
ベトナムの高級靴メーカー大手CNESは、ブレイク製法、ボロネーゼ製法、グッドイヤーウェルト製法、ハンドソーンウェルト製法のコストパフォーマンスにすぐれた靴を提供しています。
スマートさをきわめたドレスシューズから頑丈なブーツまで、さまざまな靴がテーブルを埋め尽くし、今年もたくさんの注文が寄せられる人気ぶりでした。

CNESの魅力的な展示。

クールなギリーシューズ。

接客中のアリシア・タオンさん(CNES)。

アクメのテーブル。

特徴的な靴。

スイスはジュネーブに店舗を構えるブローグ・シューズのゲイリー・レヴィさんと談笑するアクメの共同創業者レオン・ファンさん。

シルバースポンサーでは、他に類を見ないシャツメーカーのハンドレッドハンズが最高品質のハンドメイドシャツを展示し、採寸やフィッティングを行いました。
ハンガリーから参加したアッティラは、今年は少し趣向を変え、ハンドメイドのRTWの靴にかわり、さまざまな展示品やコンテストで受賞した華やかな靴の数々がテーブルを埋め尽くしました。
スーパートランクショー初出展のBlk Brd(ブラックバード)は、ハンドソーンウェルト製法の靴やブーツをお手頃価格で提供するインドのメーカーで、確実に多くの来場者の関心を集めていました。

ハンドレッドハンズのブース。

至高のシャツ。

アッティラが展示した傑作。

特殊なフロッグレザー。

ブラックバードのブーツ。

パンチング加工を施したスエードのシームレスホールカット。

イタリアからは高級靴下メーカーのブレッシアーニが再出展しました。
その高品質で履き心地のいい靴下は人気のあまり、イベントが終わるころにはほとんどテーブルに残っていませんでした。
会場に足を踏み入れた来場者を出迎えるのは、ケンジントンに店舗を構える高級紳士服のビンテージストア、ホーネッツのズラリと並んだ美しいビンテージシューズ(ここにあるのは2店舗で取り扱っている商品のごく一部)です。
今回が初出展の同社は、来場者が中古のウェルトシューズを売却できる古靴マーケットを同時開催しました。
こちらも初出展のオクト・テンスは、端正なハンドソーンウェルト製法の靴を製造する中国のブランドで、高級感のある靴がお手頃価格で手に入るとあって、多くの来場者が関心を寄せていました。

世界有数の高級な靴下たち。

ひざ下丈。

ホーネッツの棚に並んだ美しい古靴とビンテージの靴。

興味津々の来場者。

オクト・テンスのテーブル。

美しい靴底。

日本から参加したレイマーは、エントリーレベルのグッドイヤーウェルト製法の靴で人気のブランドで、世界市場を見据えて新しいラストで作った靴を展示しました。
その英国靴を思わせるクラシックな靴は多くのファンを獲得しています。
美しいサンプルを展示したイタリアの有名ブランド、ステファノ・ベーメルのブースでは、世界中の多くの靴職人が学んだ製靴学校部門スコラ・アカデミーを紹介していました。
中国から参加したヤーンは、すばらしいラストで作られた、ほかではお目にかかれないスマートなハンドウェルト製法の靴を展示しました。
そして、このイベント周りの実務をいろいろ手伝ってくれる、ロンドンで高級衣料と靴のお手入れサービスを提供しているザ・バレーの存在も忘れてはなりません。

レイマーの展示。

コントラストをなすフェイシングがすてきなオックスフォード。

ステファノ・ベーメルの靴。

製靴学校スコラ・アカデミーのパンフレット。

ヤーンの美しいスプリットトゥダービー。

パティーヌ・ホールカット。

会場ではもちろん、2024年度靴作り世界大会の応募作品が展示されました。
25足のすばらしいエプロンフロントのフルストラップローファーが集まり、回を追うごとに全体のレベルが上がっています。
シューメーカーとエキスパートで構成された審査員がイベント前日の午後に集合し、作者名を伏せて審査を行いました。
優勝は菱沼乾(日本)、準優勝は高木啓史(日本)、3位はアリア・バディア(中国のブランド)に決定しました。
上位3作品についてはこちらの記事のほか、追ってまとめをお届けします。
三氏がシェアする賞金6,000ポンドは、大会スポンサーのカービー・アリソンマスター・シューメーカーズ、パーカー・スケネッカー(2021年に亡くなった靴愛好家エドモンド・スケネッカーの兄)より提供されます。
また、副賞として、フィル・ノースワーシーによるハンドメイドのオウルハンドルが贈呈されます。
このすばらしい靴たちは今年後半、パティーヌ世界大会優勝作品とともに世界ツアーに出発します。
そちらにつきましても追って詳細をお知らせします。

次回のスーパートランクショーの予定は、10月5日開催の第2回ニューヨークスーパートランクショーです。
もちろん、ロンドンにも来年の5月に戻ってきます。今年もたくさんのご参加ありがとうございました。
また来年お会いしましょう!

記事の最後に世界大会全3部門と会場ツアーのライブ配信動画がありますので、あわせてご覧ください。

靴作り世界大会応募作品の一部。

優勝者に贈られる金メダル。

ほかの応募作品。

トップ10発表のためにステージに上位作品を集めました。

上位の靴が展示され、さっそくステージに上がってながめる来場者。

菱沼乾さんによる優勝作品。残念ながら、上位3位受賞者は授賞式に出席できませんでした。

高木啓史さんによる準優勝作品。

アリア・バディアによる第3位作品。

ジョンロブのシューメーカー、エミ・リャオさんが第3位となったアリア・バディアのジャン・ダオヤンさんとビデオ通話をしているすてきな一コマ。ふたりはともにイタリアで靴作りを学びました。

応募作品のクールな靴底。

上位選出の決め手についてカービーと話す審査員のダニエル・ヴィガンさん。

イベントスペースの一部。

大きなフィルムカメラ。

ホーネッツのビンテージ広告。

来場者の靴の試着をサポートするオクト・テンスのシーバオさんとチューさん。

たくさんの靴下。

チョウザメのレザーを使ったアッティラの靴。

ステファノ・ベーメルのボトム。

あらゆる靴の色に合う靴クリーム。

サフィールのブースで商談。

シューケア用のレザーエプロン。

ハンドレッドハンズの展示。

西上悦弘さん、靴磨き世界大会優勝おめでとうございます。

西上さんの優勝作品。隣にあるのは磨いていない方。

ヤーンのスパイラルホールカット。

ゴールドのバックルをあしらったアクメのダブルモンク。

アクメのソール。

クールなディスプレイ。

ブリドレンの靴に見入る来場者。

ブリドレンのブルーのペニーローファー。

婦人靴の取り扱いも始めたブリドレン。これはサンプルの一部です。

CNESのオックスフォード。

靴談議中。

アクメのアーサー・ワンさんと靴作り世界大会上位3名に贈呈されたオウルの作者フィル・ノースワーシーさん。

レイマーのスプリットトゥダービー。

オクト・テンスのカジュアル寄りのスタイル。

靴磨きサービス中。

靴作り世界大会の応募作品。

横から見るとウェッジソールですが…。

ダイを混ぜ合わせる。

大変な技術を要する、気が遠くなるような骨の折れる作業。

ブランドと靴愛好家の距離が縮まる1日でした。 

画像提供:イェスペル・インゲヴァルソン、ジャスティン・フィッツパトリック、サミュエル・ノースワーシー/サフィール

Films from the event


靴磨き部門・靴作り部門ともに、2人の日本人が栄光を掴んだのはとても誇らしいですね。
パティーヌ部門の優勝者が女性であることも、同性の私にとって非常に嬉しいことでした。

SAPHIR FRIENDSのひとりでもあるBoston&Re Oldsの西上悦弘さんが出場するともあって、大会をリアルタイムで視聴しました。
彼が持つ高い技術と制限時間内で最高の結果をもたらすために計算された工程を見ていると、「さすが職人!」と感嘆の声が自然と漏れました。

真面目で茶目っ気のあるキャラクターでありつつも、非常に繊細でエモーショナルな彼の人柄は、見守る来場者や視聴者の心を揺さぶったことでしょう。

 

また、会場に展示された各メーカーのアイテムは、靴やサフィールノワール製品だけに限らず、靴下、スーツ、シャツなど多岐に渡り、来場者を楽しませるのに一役も二役も買っているように感じます。
どれも最高の製品であるのはもちろんのことですが、各アイテムを伝える人・使う人があってこそ輝いて見えます。

 

今年も素晴らしい大会となったことは間違いありません。


 

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Le Beau
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