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【海外情報】靴クリームで靴の色を育てる

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公開日:2024/06/13    /  最終更新日:2024/05/29

【海外情報】靴クリームで靴の色を育てる

せっかくすてきな靴を買ったのに、「あまり履かないから、新品みたいにきれいなまま」「よくよく見ると、いまひとつ好みの色じゃなかった」…
なんてがっかりしたことはありませんか。

今回は、エイジングによって得られるような風合いの変化を、靴クリームを使って手軽に演出する方法を伝授します。
筆者の実体験に基づくアドバイスは、ためになること請け合いです。


なお、本記事は、シューゲイジングに掲載されているThe tip – Enhance the colour with darker shoe creamを意訳したものです。

顔料入り靴クリームは塗料ではありませんが、使い方次第で、濃いめの色味を出すことができます。
今回は、靴クリームを使ってムラなくきれいに靴の色味を変える効率的な方法を、順を追ってご紹介します。

はじめに、靴の色は明るい方が色付き靴クリームで暗めの色味に変えやすいです。
しかし、同時に、ムラだらけで汚い仕上がりになりやすいです。
暗い色の靴はあまり濃くできませんし、さほど代わり映えしませんが、比較的なめらかに仕上げやすいです。

靴クリームだけでどう変わるか見ていただくには、私が持っているセミベジタブルタンニンレザーのミダスのモックトゥブーツが最適でした。
ステッチダウン・パティーナ・サンダードーム(靴のエイジングを競う大会)のために昨冬よく履いていたもので、ピンクっぽい色味がとても明るい、黄色っぽい茶色になりました。
今年はあまり履いていない(ブーツはそれほど履かないし、今冬のサンダードーム用にあたらしいブーツを買って、今はもっぱらそれを履いている)し、この程度の使用頻度では私が望むきれいな褐色になるのに何年もかかるでしょう。
そこで、顔料入り靴クリームを使ってそのプロセスを短縮しようと考えました。

これは私が昨春撮影したミダスのブーツ。半年ほど履きました。おろしたての、素上げのセミベジタブルタンニンレザーのブーツ(右)の風合いと比べてみてください。

明るい色の靴を濃くしようとしてやってしまいがちなのが、最初から濃すぎる色の靴クリームを使ってしまうことです。
すると、まだらっぽい不均一な色味になりやすく、ところどころ濃すぎる部分ができてしまいかねません。

それでもいいから濃い色を使ってみたいと言うのなら止めませんが、きれいに仕上げたいなら、まずは靴の色に近い色の靴クリームを下地として塗るといいでしょう。
サフィールノワール、ブートブラック、ポール・ブルンガード、ジーゴル、コロニル1909など、高顔料の靴クリームを使うときれいに仕上がるでしょう。

ライトブラウンの靴クリームで下地を塗りました(左)。ソールの縁がナチュラルカラーでステッチが目立つ場合、マスキングテープでカバーしましょう。

靴クリームを何度も薄く塗り重ねるのがコツです。

私の場合、ライトブラウンを2回塗ってからミディアムブラウンを塗り重ねて色を濃くしていきました。
ソールの縁のきわなど隅々まで届くように塗布ブラシを使いましょう。
そうすることで、塗り残しなく仕上げることができますが、広い部分にはポリッシュクロスを使うといいでしょう。
クロスを使うとレザーにクリームをムラなく伸ばしやすいです。

ミディアムブラウンを1回塗り重ねると、色味の変化がはっきりしてきます。

完成です。ライトブラウンの色味がきれいな薄褐色で、着色前のぼやけた黄色っぽい靴より履きやすい。先ほど申し上げたとおり、履いているうちに同じような色になるはずですが、最近あまり履いていなかったので相当時間がかかると予想され、それまで待っていられませんでした。

靴の色が濃いほど、このように短時間で色の濃さを調整するのは難しくなりますが、それでもやってみる価値はあります。
少しは濃くできますし、色に一段と深みが出ることでしょう。

一例として、こちらのバーガンディのTLBマヨルカアーティスタはアノネイのベガノを使用していますが、このレザーはロットによって色味が変わります。
私の靴は下の1枚目の画像に近い赤みが強いバーガンディでしたが、ダークバーガンディ、ダークブラウン、ブラックの靴クリームで、格段にいい色味になったと自負しています。
ミダスのブーツとおなじ要領でクリームを塗り重ねていき、最後にワックスポリッシュで仕上げました。

ご覧のとおり、アノネイのベガノは、やや深みがなく赤みが強いバーガンディになることがあります。

私の靴もおろしたてのときは上の画像に酷似していましたが、濃色の靴クリームとワックスポリッシュでこのような深みがあるバーガンディの色味を得られました。何年か履いて靴クリームとワックスで育てた現在、新品よりずっとすてきになりました。


いかがでしたか。

ゆっくりと時間をかけて革の風合いを育てていくのがエイジングの醍醐味ですが、短時間で自分好みの色味に変えられるカスタマイズの魅力にも抗しがたいものがありますね。
靴クリームと塗布ブラシとクロスがあれば始められますので、お手入れがてらぜひ気軽に試してみてください。


 

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Le Beau
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