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【観戦レポートvol_3】靴磨き選手権大会2023 ファイナルラウンド【前編】

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公開日:2023/12/28    /  最終更新日:2023/12/27

【観戦レポートvol_3】靴磨き選手権大会2023 ファイナルラウンド【前編】

靴磨き選手権大会2023

興奮冷めやらぬまま幕を閉じた靴磨き選手権大会2023

63名の靴磨き職人たちが繰り広げた熱き戦いは、私たちを感動と興奮の渦に巻き込んでくれた。

我々サフィールもオフィシャルパートナーとして今大会の成功に期待を寄せ、開催前から出場選手たちに注目。

激戦となった大阪・東京の予選を経て、サフィール製品のみを使用し高い技術と知識を持つ“サフィールフレンズ”の3名がファイナルラウンド進出を決め、去る11月18日に決戦の地である銀座三越に満を持して登場した。

決勝戦に出場したサフィールフレンズ

Boston&ReOlds 𠮷冨純弘

Boston&ReOlds

𠮷冨 純弘

Shop▶福岡県福岡市中央区薬院1-16-14 BEIDEN薬院

Instagram▶boston_yoshidomi

 

日本初となるホテルの宿泊者向け出張シューシャインサービスを展開。

ファッションスナップの常連で、セレクトショップ店員だった抜群のセンスと華やかさを生かし、きめ細やかなシューシャイン技術を提供している。

92-NINETYTWO-安部春輝

92-NINETYTWO-/Burie

安部 春輝

Shop▶92-NINETYTWO- BEPPIN店/広島県広島市中区本通3-8 BEPPIN-TEN本店 2階

92-NINETY TWO- 福岡岩田屋店/福岡県福岡市中央区天神2丁目5-35 岩田屋本館5階紳士靴売り場

Burie/会員制靴磨きラウンジ ​広島県広島市中区(住所非公開)

Instagram▶harukiabe.official

 

日本初のサフィールシューケアトレーナーを取得したプロフェッショナルシューシャイナーは、靴磨き選手権大会2019で第4位に輝いた実力者。

ファッション誌「LEON」が主催するパーティーにてシューシャインショーを披露するなど輝かしい活躍を続けている。

熊田靴店 熊田圭一郎

熊田靴店

熊田 圭一郎

Shop▶渋谷区富ヶ谷1-44-16-B1 (商店街側1階)

Instagram▶shoshiner.bear

 

とにかく靴と人をこよなく愛する“靴磨き職人のくまちゃん”。

持ち前の笑顔とコミュニケーション力を活かした温くて思いやりのある人柄は靴磨きスタイルにも反映され、一瞬でファンになってしまう人が続出。

それぞれがまったく異なる個性を放つ3名のファイナルラウンド進出に、いったいどんな戦いが繰り広げられるのだろうかと我々取材クルーも終始興奮が止まなかった。

今回は、そんな大会の模様を舞台裏の素顔も含めてお伝えしていく。

緊張の舞台裏に密着

控室では本番を控えた選手たちがにこやかに談笑する一方で、時折ピリッとした緊張感が部屋全体に漂うこともある独特な雰囲気に包まれながら、サフィールフレンズの3名はそれぞれの過ごし方で本番を待っていた。

 

予選大会と異なり、ファイナルラウンドでは事前に課題靴をチェックする時間が長く与えられたことで、各選手たちは公式が選定したアイテムを念入りに選ぶことができた。

𠮷冨氏は革靴が手渡されると穴が開くほどに観察し、慎重にクリームとワックスの色を選定。

持参した道具で自身の革靴を磨きながら何度もイメージトレーニングを繰り返し、いつにも増して表情は硬いものとなっていた。

Boston&ReOlds 𠮷冨純弘

Boston&ReOlds 𠮷冨純弘

身だしなみチェックにも余念がない安部氏は、本番前に蝶ネクタイを締めて姿見の前で精神統一。

他の選手に比べて余裕そうに見えたが、時折覗かせるニヒルな笑顔からは緊張が隠せないでいた。

92-NINETYTWO- 安部春輝

92-NINETYTWO- 安部春輝

笑顔がトレードマークの熊田氏は、本番を直前に迎えても我々に笑顔を振りまき、「楽しくやります」と明るく答えてくれた。

スマホには“持っていくリスト”がメモされていたのだろうか。スマホと道具を交互に見比べて念入りに忘れ物がないかのチェックを繰り返していた。

熊田靴店 熊田圭一郎

熊田靴店 熊田圭一郎

決戦地は、靴磨き選手権大会の聖地

3年9ヶ月ぶりの開催となった今大会の決勝の舞台には、靴磨き選手権大会の聖地・銀座三越 新館9階テラスコートが選ばれた。

本番前から続々と観覧者が押し寄せ、優に100名を超える人波をかき分けないとステージが見えないほどの賑わいを見せた。

 

いよいよ本番がスタートすると、MC・大会プロデューサーの田代径大氏と解説の飯野高広氏の呼びかけで審査員がステージに登場。

ファイナルラウンドでは靴磨きを通じた表現力を審査するプレゼンテーションポイント審査員2名が入れ替わり、新しい顔ぶれが立ち並んだ。

 

プレゼンテーション審査員※敬称略

鴨志田 康人(ファッションディレクター)

松尾 健太郎(The Rake Japan編集長)

 

テクニカルポイント審査員※敬称略

長谷川 裕也(靴磨き選手権大会発起人)

石見 豪(第1回日本靴磨き選手権大会チャンピオン、THE WAY THINGS GO代表)

斗谷 諒(靴磨き選手権大会2019カラーリング部門チャンピオン)

藤澤 宣彰(フローリウォネ主宰)

靴磨き選手権大会発起人の長谷川 裕也氏

靴磨き選手権大会発起人の長谷川 裕也氏

準決勝の課題靴は、スコッチグレインのブラウンのストレートチップ。

靴を生成する工程で最終の仕上げ剤を塗布されていない素仕上げのため、マットな状態からハイシャインを仕上げるには筆舌に尽くしがたい高度な技術が必要となる。

スコッチグレインを展開する株式会社ヒロカワ製靴へ田代氏と長谷川氏らが自ら出向き、大会のために精選されたという革靴は既製品ではなく現状12足しか存在しないスペシャルモデルだ。

準決勝の課題靴・スコッチグレインのストレートチップ

準決勝の課題靴・スコッチグレインのストレートチップ

準決勝 グループA

大会前日のクジ引きにより選手12名は3つのグループに組み分けられた。

奇しくも𠮷冨氏と熊田氏が同じグループで出場することとなってしまい、我々取材陣は複雑な感情に見舞われた。というのも、各グループから決勝戦に進出できるのはたった1名だからだ。

 

満面の笑みで熊田氏が登場すると、さっそく会場から「くまちゃん」コールが飛び交い、熊田氏の愛妻が作成したオリジナルのうちわが揺れ、会場内の注目を集める。

くまちゃん愛が詰まったオリジナルのうちわ

くまちゃん愛が詰まったオリジナルのうちわ

「決勝のために福岡からやって来ていただけました」と紹介された𠮷冨氏は、真剣な面持ちで登場。

会場には相棒の西上悦弘氏も駆けつけ、旧友の勇姿を見守った。

Boston&ReOlds 西上 悦弘氏

Boston&ReOlds 西上 悦弘氏

西上氏の他に、東京予選に出場したShoeshine Chum’s Bar・渡辺力氏や、愛知県の靴磨屋T.A.N.S.・稲田祐一氏、本田大士氏もサフィールフレンズの仲間の応援に駆けつけていた。

ShoeShine Chum's Bar 渡辺 力氏(写真左)

ShoeShine Chum's Bar 渡辺 力氏(写真左)

靴磨屋T.A.N.S. MAIN SHOP 稲田 祐一氏

靴磨屋T.A.N.S. MAIN SHOP 稲田 祐一氏

靴磨屋T.A.N.S. TOYOTA-BRANCH. 靴磨屋T.A.N.S. TOYOTA-BRANCH. 本田 大志氏

靴磨屋T.A.N.S. TOYOTA-BRANCH. 本田 大志氏

ステージでは解説の飯野氏が各選手の使用するアイテムを紹介。

𠮷冨氏と熊田氏がメインで使用するのはもちろんサフィールだが、クリームやワックスの色が微妙に違う。

これこそが、個体により色や風合いに差が出やすいブラウンの靴ならではで、靴磨きのテクニックだけでなく色選びのセンスも問われるのが、面白くもあり、難しくもあるのだ。

本番前、慎重にアイテムを選ぶ𠮷冨氏

本番前、慎重にアイテムを選ぶ𠮷冨氏

 𠮷冨氏は控室で靴を見た際、「絶妙な色だな」と感じたという。

赤茶かダークブラウンか迷う色だったが、1位通過した大阪予選2回戦目を思い出し、「また赤で行ってやろう」とクレム1925ビーズワックスポリッシュのバーガンディに決めた。

 

アイテムの紹介中、𠮷冨氏はふいにステージ後方を向き、胸ポケットから何かを取り出す。

田代氏にカンペかと突っ込まれたが、実は愛娘2人が写った写真を見て勇気をもらっていたと後のインタビューで答えている。

靴磨き選手権大会2023

いよいよ本番の20分間が始まり、MC陣が「まばたき禁止」と煽るほどスピーディーに展開していく。

 

今大会から重要視されているテクニカルポイントのコンディショニングの工程では、多くの選手がライニング(内側)にデリケートクリームを塗布していたのがこれまでの予選と大きく異なる点だ。

スコッチグレインの革靴はライニングに牛革が使われているので、靴の内側から水分補給をすることで、より一層靴全体のモイスチャーバランスが整えられるという。

さらに、デリケートクリームは靴クリーム前の下地として活用することで、クリームの油分を吸収しやすい素仕上げの革靴をお手入れする際の予期せぬトラブルを阻止する効果も期待される。

 

このコンディショニングの工程には3分ほど時間を費やすことになるのでタイムロスが懸念されるが、ファイナルラウンドに賭ける選手たちの本気が伝わってくる。

𠮷冨氏も丁寧に工程をこなしていく一方で、熊田氏はデリケートクリームを使わずに靴クリームの工程へ進む。

デリケートクリームを使わなかった理由として、「クレム1925には高い保湿効果のあるシアバターが入っているので、デリケートクリームがなくても十分だと判断した」と教えてくれた。

多くの選手が使用したサフィールノワール〈クレム1925〉

多くの選手が使用したサフィールノワール〈クレム1925〉

ハイシャインを作るには、しっかりとした下地を作ることが非常に肝心。

今大会で選手たちから熱視線を浴びたのが、下地作りに特化したモウブレイのハイシャインプライマーだ。

20分間という限られた時間内で仕上げるために、𠮷冨氏と熊田氏もこちらの効能を活用して下地を作り込んでいく。

 

ハイシャインプライマーである程度の下地が完成した後は、サフィールノワールのビーズワックスポリッシュミラーグロスを交互に指に取り塗り重ねていく選手が多く見られた。

“光りすぎる禁断のワックス”として過去大会では使用禁止だったミラーグロスが今大会から解禁されたことで、渇望していた選手たちがこぞって使用していた。

 

ハードなミラーグロスやハイシャインプライマーを塗布した際にできる凸凹を柔軟性のあるビーズワックスポリッシュで溶かし、鏡面を平滑にするという双方の役割を活かした相乗効果を狙ったテクニックは、今後の靴磨き界で大いに注目されそうだ。

ついに解禁!サフィールノワール〈ミラーグロス〉

ついに解禁!サフィールノワール〈ミラーグロス〉

残り時間が1分を過ぎたあたりで、𠮷冨氏はヤギ毛のフィニッシャーブラシで光沢を散らしてラストスパートをかけるが、光りが鈍かったのか、さらにワックスを塗り重ねている様子が伺えた。

デリケートクリームを塗布してもなお靴クリームを吸い込む革質だったため、「少しでも光ってくれ」という願いを込めてミラーグロスを多用したという。

やさしく塗り重ねることを意識しつつも、普段の磨きよりも相当な回数を塗り重ねることとなった。

 

一方の熊田氏は、かなり遠目から見ても存分に光沢が出ているのが分かる。

MC陣が残り時間10秒前のカウントダウンを始める随分前に、シューツリーを取り外して靴を置いた。

ほとんどの選手がギリギリまで粘る中、20分を待たずして磨き上げるという余裕ぶりを見せてくれた。

靴磨き選手権大会2023

プレゼンテーションタイム

熊田氏

「スコッチグレインの靴は日本製なので、日本、日の丸、赤みたいなイメージで赤みを強くしたかったのでクレム1925のエルメスレッドを使いました。

つま先が一番赤く、後ろに行くにつれて徐々に色味が濃くなるようにタバコブラウンを混ぜ合わせてグラデーションをかけました。

最後のポリッシュの際には、そのグラデーションを活かせるようにつま先、カカトの頂点が一番光っているようにして徐々にグラデーションをかけていき、全体にも一層ワックスを入れて光沢を整えて、違和感なく仕上げられたので今日はバッチリだと思います!」

 

その後のインタビューでも出来栄えを「100点」と言い切った熊田氏。

そんな様子に「人を笑顔にしてくれるようなコメントが毎回楽しみ」だとMCの田代氏も笑う。

熊田氏の磨いた革靴

熊田氏の磨いた革靴

𠮷冨氏

「内羽根式、キャップトゥ、革底というフォーマルなデザインだったので、スーツに合うようにドレッシーに仕上げました。

ポイントにしたのは全体の色味、もうひとつは木型の特徴であるサイドラインを一番光らせることです。このふたつを活かし、より靴の形の良さを引き出しています。

そのために、クレム1925のエルメスレッドを全体に塗って赤く仕上げております。

その後、モウブレイのハイシャインプライマーでしっかり下地を作った後に、サフィールノワールのビーズワックスポリッシュミラーグロスもバーガンディを使用して赤っぽく華やかに仕上げております。」

 

MC陣から出来映えを問われ苦い表情を見せるが、「納得いっていない部分もありますが、限られた時間で出来ることはやったのでスッキリしています」と清々しい表情に切り替えて答えた。

本番後の控室で課題靴についてたずねると、「あまり僕は得意じゃない革質でした」と本音をぽつり。

「いつもはキャップの中でもグラデーションをかけるので、あんなに全部を光らせないんですよ。

普段はクレム1925を多用し、全体をじんわり光らせてつま先とカカトがビカッみたいなイメージで磨くのに、今日はキャップ深めまで光らせないといけなかったので大変でした」と、普段の磨きと大会仕様の磨きのギャップに苦戦していたことを明かしてくれた。

𠮷冨氏の磨いた革靴

𠮷冨氏の磨いた革靴

準決勝 グループB

次いでグループBに、トレードマークの一輪の赤いバラを挿して安部氏が登場。

大阪予選からの2ヶ月間を「お客様の1足1足を磨く時に、どうやったらキレイに磨けるのかということをより意識できた」と振り返った。

 

コンディショニングの工程では、先ほどの𠮷冨氏と熊田氏と同様、安部氏もサフィールノワールのコンディショニングクリーナーを選択。

他メーカーのクリーナーは汚れを落とすことに徹するが、コンディショニングクリーナーは汚れを取るだけでなく、革の奥底に浸透した油分やワックスを取りすぎない処方となっているので、モイスチャーバランスをなるべく整えた状態で汚れだけを取り除くという作戦だろう。

コンディショニングの段階で、使用するクリーナーによっても選手ごとで差が出てきそうだ。

靴磨き選手権大会2023

安部氏はデリケートクリームを全体に塗布した後、クレム1925のヘーゼルナッツとタバコブラウンの2色を使い、ベースの段階でグラデーションを作り出していく。

靴クリームの吸い込みに苦戦する選手が多い中、安部氏は「デリケートクリームをかましたというのもあるけど、思ったよりも染み込みがなかったのでやりやすかった」と後のインタビューで語った。

 

ポリッシュの工程に入ると、ビーズワックスポリッシュミラーグロス、そしてハイシャインプライマーの3つを塗り重ねて下地を作っていくが、解説の飯野氏いわく、3つのワックスの並行使いは今大会でもかなり珍しいと驚く。

ハードワックスは下地が速く完成する反面、鏡面に凸凹ができるリスクもあるので使い方にはコツがいるが、安部氏は俊敏な指さばきで巧みに使いこなしていく。

靴磨き選手権大会2023

残り時間が3分を過ぎたあたりで、豚毛ブラシを使い鏡面をうまく散らしてグラデーションの境目を整えた後、水研ぎの工程に移ると一気に光沢が増した。

仕上げ前にもワックスやブラシを重ね、最終調整に抜かりがない。

 

20分間が終了すると、他の選手たちの磨いた靴と自身の磨いた靴を何度も交互に見比べ、少々浮かない顔を見せた。

 

その表情の理由について、「パッと横から見たら、『みんなめっちゃ光ってるやん!』って感じだったんです。

でも逆に、横から見たら自分の靴も同じように見られているのかなと思い直しました」と、本番後の控室で教えてくれた。

靴磨き選手権大会2023

プレゼンテーションタイム

安部氏

「今日は新品の靴だったので、できるだけ色はそのままで、素仕上げなので乳化性のデリケートクリームでしっかり保湿をした後に仕上げをさせていただきました。

人間って何に魅力を感じるのかなと思うと、ツヤがあるものに魅力を感じるんじゃないかと。

果物とか髪のツヤもそうだと思うんですけど、潤ったツヤ、濡れたようなツヤ感を意識して今日は仕上げをさせていただきました。」

 

ステージでは自信に満ち溢れた佇まいが印象的な安部氏だが、控室ではリラックスしたのか

「できることはやったので、そんなに大きいミスをしたとか、自分が気を付けようと思っていたことは気を付けてやったので…、これでダメだったらしょうがないですね」と、気弱な素顔が垣間見えた。

「日本の靴磨きのレベルは高すぎです」と苦笑いするお茶目な一面を覗かせながらも、緊張の面持ちで審査結果を待った。

安部氏の磨いた革靴

安部氏の磨いた革靴

最後のグループCが終了すると、ステージ横では12名が磨いた靴がズラリと並び、審査員たちがじっくりと時間をかけて審査していく。

プレゼンテーション審査員は、プレゼンテーションタイムでのアピールと実際の磨きに齟齬がないかをチェック。

一方、テクニカル審査員は公正な審査をするため、どの靴をどの選手が磨いたものかを伏せられたブラインド審査となる。

プレゼンテーション審査員・鴨志田 康人氏

プレゼンテーション審査員・鴨志田 康人氏

テクニカルポイント審査員の面々

テクニカルポイント審査員の面々

12名が磨いた光り輝く革靴

12名が磨いた光り輝く革靴

決勝戦進出者の発表

陽が沈み始めた頃、決勝戦進出者が発表された。

3名の通過者のうち、まず初めに呼ばれたのはグループAの熊田氏だった。客席からは悲鳴にも似た歓喜の声が響いた。

熊田氏本人は共に戦った他の選手たちへの配慮なのだろうか、喜びを大袈裟に出す様子はなかったが、その表情は驚きながらも喜びと安堵の気持ちがこぼれ出ていた。

この時点で、𠮷冨氏の落選が決まった。

次いでグループBからは、東京の万世橋に店舗を構えるドラテフカの折茂佳名人氏が選出され、熊田氏と笑顔で会釈を交わす。

舞台袖では安部氏が悔しい表情を浮かべながらも拍手を送った。

 

グループCからは、最先端の靴磨き専門店・ブリフトアッシュの新井田隆氏が選出。

靴磨き選手権大会3度目の出場にして3度目の決勝戦進出を飾り、堂々とした足取りでステージに舞い戻った。

写真左から新井田氏、折茂氏、熊田氏

写真左から新井田氏、折茂氏、熊田氏

決勝戦進出の3名に拍手を送る選手たち

決勝戦進出の3名に拍手を送る選手たち

初出場でファイナリストに選ばれたのは、今大会では熊田氏のみである。

思いがけないダークホースの登場に、会場のボルテージもより一層上がっていく。

大会発起人・審査員の長谷川氏によると、非常に難易度の高い靴のため磨きのテクニックだけでなく革や靴の知識がないとうまく磨くことができないので、それが顕著に結果として現れたという。

 

プレゼンテーション審査員の鴨志田氏は、「決勝戦進出者3名全員を各グループのトップに選んでいた。ファッション含めて佇まいや身振り手振りのムードが素晴らしく、この人に磨いてもらいたいと思わせてくれた」と絶賛した。

いよいよ決勝戦、そして靴磨き選手権大会2023のチャンピオンが決定する瞬間が訪れる。

決勝戦にふさわしい驚きの課題靴や、熊田流テクニックが飛び出した模様は後編をお楽しみに。

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