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公開日:2021/10/04    /  最終更新日:2021/10/07

【海外情報】ヌバックやスエードなどの起毛革についての深堀記事を見つけました!

ツルっとしていて表面にツヤのあるスムースレザー(ツヤ革)とは違った風合いの、ヌバックやスエードなどの起毛革。起毛革は、温かみのある素材感から、特に「秋冬」に登場する機会が増える方も多くいらっしゃるかと思います。

ShoesLifeでは、ヌバックやスエードなどの起毛革のためのお手入れについてをお伝えする内容の記事を公開しています。
その中で、“起毛革”とはどんな革なのかを説明し、特徴についてもご紹介しました。

スエードのお手入れは難しくない! その1

 

スムースレザーにもいろんな種類や様々な特徴がありますが、起毛革にもいろんな特徴や呼び方などがあるようです。
そのことについて詳しく書かれている海外の記事を見つけましたので、日本語訳でご紹介します。

聞いたことがある呼び方もありましたが、違いについても詳しく書かれているので、ぜひご一読ください!

 


 

ここからは参照元の記事を日本語訳し掲載しています。
参照元:Guide – Nubuck, suede and roughout leather explained
Jasper・Ingevardsson著 (Instagramアカウント@j_ingevardsson

起毛皮革ガイド―ヌバック、スエード、ラフアウトレザー

ヌバック、スプリットスエード、フルリバーススエード、ラフアウトレザー――起毛皮革の種類は豊富で、インターネットに出回っている情報は交錯し矛盾しています。今回はこの4種類をくまなく解説し、その本質、違い、長所と短所をひとつずつ整理します。

本記事の情報を深く理解できるように、革の各部位の一般的な画像から見ていきましょう。あらゆる種類の革を作るためにいろいろな範囲で使われるハイドの3つの層を示しています。

断面を見ると、ハイドはコラーゲン繊維が密集している銀面層とコラーゲン繊維がゆるく絡み合っている網状層の大きく2つの部分で構成されており、その境界で密集した繊維がゆるくなっていく(この画像の出典は不明。現在、さまざまなサイトでいろいろな形式で用いられている)。

実際になめし革を見るとこうなっている。画像引用元(当方で加工):ミスター・レンツ

スムースレザーの中でもっともきめが細かく最高級のものがフルグレインレザーで、銀面層と境界(おそらく多少の網状層を含む)で構成されています。境界(または網状層の表面)はクロスパターンかハッチパターンでプレスされ、裏面に布を張ったように見えます。銀面層の表面を使うため、革の品質は優れていないといけません。ほかにも、トップグレインレザー、シボ加工グレインレザー、“ジェニュインレザー”、ガラスレザーなど、革の種類は数多くあります。その多くはハイドの一部のみ使用し加工していますが、余談はこのくらいにして、起毛皮革の解説に戻りましょう。

ヌバック

クラシカルなライトブラウンのヌバックのダービー(パラブーツ)。画像引用元:アボッツ・シューズ

ヌバックはスムースフルグレインレザーにもっとも近い起毛皮革です。こちらも一般に銀面層と境界を使用し、なめらかな手触りを得るために銀面層の表面に紙やすりまたはバフをかけます。丈夫で耐久性と保護効果のある繊維が密集した銀面層の大部分が残っているのが長所で、この点ではフルグレインレザーに匹敵します(しかしながら、硬い表面と毛穴が取り除かれているので、防水スプレーが必要などひと手間かかります)。銀面層に手を加えているのでガラスレザーの一種と言えます(その点では、シボ加工グレインレザーについても同じことが言えます)。強い光沢のガラスレザーに施された合成樹脂コーティングのようなものは一切添加されていませんが、表面に手を加えただけでその性質がガラリと変わっています(たいていの場合、銀面の光沢はまったくと言っていいほど残っていないので、合成樹脂コーティングには不向きです)。

スプリットスエード

今日スエードと呼ばれるものの多くは基本的にスプリットスエードです。繊維がゆるく絡み合っている革の網状層(この部位はスエードとも呼ばれ、革の名前の由来となっています)のみを使用するので、銀面層から剥がします。このように、たった1枚のハイドから2種類(場合によっては3種類)のレザーを作れるので経済的です。

イギリスのタンナー、チャールズ・F・ステッド社のスプリットスエードの原皮。両面が毛羽立っており、やや多孔質のコア層を確認できる。

ゆるく絡み合っているコラーゲン繊維のみを使用するためしっかり防水しないと水分などを通しやすく、繊維がゆるいので伸縮性があります(裏革と補強がしっかりしていれば伸縮性は落ちます)。境界が少々混ざっていることもあり、部分的に繊維がやや密集しています。真皮層の繊維を少しばかり密集させるために剥がしたハイドを縮めることも珍しくありません。

フルリバーススエード

フルリバーススエード、リバースカーフスエードなど呼び名にバラつきがあります。基本的にスムースフルグレインレザーと同じ部分のハイドを使用しますが、真皮層が少し多めに残っており、紙やすりまたはバフをかけて細かく起毛させます。ヌバック用に紙やすりをかける銀面層より多孔質な素材のため、ヌバックほど短く細かい起毛は得られません。もともと同じように紙やすりをかけたハイドの同じ部分なので、表面はスプリットスエードにそっくりです。

チャールズ・F・ステッド社のフルリバースカーフスエード。端をよく見るとスプリットスエードよりコア層が密に詰まっているのが分かります。また、ふつうのスムースレザーのように見える裏面は、実際は銀面です。上の画像2点とトップ画像の引用元:タンナリー・ロウ

違いは内側にあります。内側を向けると、フルリバースカーフには繊維が密集した銀面層がすべて残っていますが、スプリットスエードには繊維がゆるく絡み合っている真皮層しかありません。よって、リバースカーフの原皮は概してスプリットスエードより耐久性があり(表面に限らず、素材全体に)、ふつうのスムースフルグレインレザーと同じように伸縮し、簡単には水が染み込みません(とはいえ、素材の表面を保護する緻密な銀面がないので防水スプレーは必要です)。

ラフアウトレザー

ラフアウトレザーはフルリバーススエードとよく似ていますが、まったく同じではありません。ラフアウトレザーには真皮層の一部がほぼ未加工の“粗い”まま残っているため、紙やすりをかけたリバーススエードの表面のようななめらかな起毛はありません。それ以外はすべて同じなので基本的にリバースカーフスエードと同じ性質で、違うのは表面のみです。真皮層が残っていれば手触りが多少ザラザラしていています。残っているのが境界だけなら起毛は細かいですが、紙やすりをかけたスエードの表面ほど緻密ではありません。

上の一例のように、たしかにラフアウトレザーはフルリバーススエードより起毛が“粗い”。画像引用元:イースト・ウエスト・アパレル

ラフアウトレザーやフルリバーススエードの裏側は未加工のスムースフルグレインレザーとほぼ同じです。内側が適しているためこのタイプの革は裏地のない靴に使用されることが多いです。

このタイプの革はすべて大きなウシの皮膚や仔牛のカーフやほかの動物のハイドから作ることができ、それぞれに特徴を与えます。また、さまざまな特徴や好みに合わせてさまざまなオイルやワックスで加工できます。それゆえたびたび新しい革の名前がいくつも生まれてさらにややこしくなりますが、それが起毛皮革であれば、どのような表面加工が施されていても今回ご紹介したもののいずれかがかならず使われているのでご安心ください。

ワックスを塗ったラフアウトレザー。ワックスで起毛を固めることで未加工のラフアウトレザーとガラリと違う印象になっている。画像引用元:シロ・アン・フォトグラフィ/フリッカー

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