左の記事ページに掲載された画像は、アンティーク仕上げ用の染料を塗る様子です。靴の色が濃いめのブラウンに変わっているのが分かります。
この種類のクリームは革に浸透してしっかりと染めますが、革の表面に残ったクリームは靴を履いているうちにだんだん落ちていくため、この事を踏まえて、お手持ちの靴に合うクリームの色を決めると良いでしょう。
例えば、購入したばかりの少し明るめの茶色の靴があるとします。この靴の見た目の色は、クレム1925のミディアムブラウンかパリジャンブラウンが合いそうな靴の色と前提します。この靴を履き続け風雨にさらされるうちに、しばらくすると多少色褪せてくるのが想像できますが、この色の変化は、元のアンティーク仕上げ用の染料が徐々に落ちていくために起こる現象です。
そんな色褪せには、クレム1925のダークブラウンを使えばカバーでき、濃いめの色のものを使用することで、元のアンティーク仕上げの効果が蘇り、おろしたての靴の風合いを維持できます。このことから、皆さんのお手持ちの靴クリームに、濃いめの色のクレム1925をひとつ加えていただくことをお勧めしています。 また、バーガンディーやボルドーの靴はかなり薄めの赤や明るめの赤の革で作ることが多く、アンティーク仕上げ用の染料は、ブラックを使っています。色褪せてきたバーガンディーの靴の微妙な赤の色味をキープしたいときは、クレム1925のブラックを少量塗布したり、濃いめの色を使うことで赤の色味を絶妙にコントロールできるようになります。