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【海外情報】革靴のお手入れに使用する靴クリームとポリッシュの違いとは?

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公開日:2021/08/16    /  最終更新日:2023/07/19

【海外情報】革靴のお手入れに使用する靴クリームとポリッシュの違いとは?

革靴のお手入れをする時の必須アイテム「靴クリーム」には、革に栄養を与える効果や補色効果のある靴クリーム、革にワックスの被膜を作り非常に強い光沢を出す効果のあるポリッシュワックスなど、いくつか種類があることをご存知の方がほとんどかと思います。

以前ご紹介した海外情報の記事でも触れましたが、海外では度々靴クリームを「シューポリッシュ」や「クリームポリッシュ」、ワックスを「ワックスポリッシュ」と呼ばれているようです。

海外の靴磨き事情 Hanger Project カービー・アリソン氏の場合

今回は、シンガポールのサイトSHOETREE PROJECTで公開されている「ワックスポリッシュ」と「クリームポリッシュ」との違いについて書かれた記事を、日本語訳でご紹介します。
この記事では、ユーザーの目的に応じた「クリームポリッシュ」の特徴や、「ワックスポリッシュ」を使用した時に得られる効果について書かれています。
では、さっそくご覧ください!

引用元:SHOESTREE PROJECTWax Shoe Polish VS Cream Shoe Polish

ワックスポリッシュとクリームポリッシュを比較する

サフィールノワールクレム195とビーズワックスポリッシュの違いとは?

靴磨き(シューポリッシュ)といえば、靴に艶と光沢を与えるワックスタイプが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。しかし、高級レザーの靴を最高の状態に保つにはそれだけでは不十分です。それを補うのが、クリームタイプのポリッシュです。ワックスタイプとクリームタイプはどこが違うのか、どちらを使えばいいのか、代用は効くのか――そんな疑問にお答えします。

シューポリッシュとは何か

シューポリッシュとは、その名が示すとおり、靴を洗練させ“磨き上げる”ことに特化した製品です。レザーの表面をコーティングして靴を美しく見せる靴磨きクリームは、レザーに浸透していつまでも付着する染料(ダイ)とは違い、出来が気に入らなければきれいに落とすことができます。プリザーブド加工された動物の皮用の化粧品のようなものとお考えください!

レザーの靴はなぜ磨かなければならないのか

おろしたての靴が格好よくて真新しく見えるのは、レザーのアッパーの表面に仕上げ(レザー用染料とワックス)が塗られているためです。人間の肌と同様、レザーの表面のコーティングは毎日少しずつ剝がれますが、いいレザーコンディショナー(サフィールノワールレノベイタークリーム)を使うことで大幅に軽減できます。擦り傷以外にも、自分では気づかない小さなかけらが毎日のようにレザーの表面から剥がれ落ちていますが、そのうちに表面のコーティングがだいぶ剥がれ落ちてしまうと、靴は色褪せくたびれてしまいます。トゥキャップ、ヒールの内側など摩耗の激しい部分は剥げ方にムラがあるので特に目立ちます。

摩擦の激しい靴紐のあたりは色褪せしやすい。コーティングの剥げ方が不均一な靴は“ムラのある”くたびれた印象になり、ここぞというときにもう履けない。

くたびれてみすぼらしくなっても、耐久性の面では靴の寿命はまだまだあります。おろしたての靴の仕上げのような格好よさをシューポリッシュで取り戻せるのに捨ててしまうのはもったいない――とはいっても、仕上げがうまくいかなければせっかくのいい靴が台無しです。

レザーの靴に鮮やかな色をよみがえらせるクリームタイプのシューポリッシュ

クレム1925画像

クリームタイプのシューポリッシュ(以下クリームポリッシュ)は顔料を高配合した濃いクリームがベースで、ワックスが少量配合されています。定期的に使えば、レザーの色鮮やかさを保ち、色褪せのムラを隠し、葉の表面のようなほのかな光沢が出ます。レザー用染料とは違い、クリームポリッシュはレザーの表面を高濃度の顔料でコーティングするので、気に入らなければ落とすことができます。靴の真新しさをキープする効果がワックスタイプよりも高いのがクリームタイプです。

クリームポリッシュは(均等に色が着くように)小さいブラシで靴のレザー全体に均等に塗り、乾かしてからホースヘアブラシで磨き色とほのかな光沢を引き出します。クリームポリッシュは靴の今の色に“色味をプラスする”だけなので、お求めの際はなるべく近い色を選ぶといいでしょう。

天然シアバターベースのサフィールノワールクレム1925は色の鮮やかさをよみがえらせるだけでなく、レザーにたっぷりと栄養を与えます。

特殊なクリームポリッシュ

コードバンのような特殊皮革は標準的なクリームポリッシュでお手入れできません。コードバンの自然な光沢は緻密な繊維構造によるものですが、多くのクリームポリッシュは繊維の密度を緩めてしまいます。よって、特殊なコードバン専用のクリームポリッシュを使いましょう。

サフィールノワールコードバンクリームはコードバン特有の緻密な繊維構造を保ち色の鮮やかさをよみがえらせる。

洗練された艶と光沢を生むワックスタイプのシューポリッシュ

一方、ワックスタイプのシューポリッシュ(以下ワックスポリッシュ)は顔料の濃度が低いかわりにハードワックスの濃度が高いためレザーのシボの凹凸がある表面になめらかなコーティングを施すことができ、靴の表面からのクリアな反射で艶が生まれます。塗り重ねることで靴の表面がより滑らかになり反射も増し、“輝かしい”印象が生まれます。色付きのワックスポリッシュは靴(主にトゥキャップ)の小傷を埋めて隠すことができます。クリームポリッシュと同様、このワックスのコーティングも表面に施されるので、レザークリーナーで簡単に落とせます。ワックスは疎水性なので、ワックスポリッシュは靴に相当の防水効果をもたらし、耐久性が増します。

ワックスポリッシュはミニブラシで塗り、乾かしてからホースヘアブラシで艶が出るまで磨きます。クリームポリッシュと同様、ぴったり合う色を選ぶ必要はありません。ワックスポリッシュは顔料の濃度が低く調節しやすいので、明るい色の靴の両端にブラックのワックスを塗ってパティーヌのような効果を出すという使い方もあります。

鏡面磨きに挑戦する

鏡面磨きは、ワックスをたっぷり塗ってレザーのシボの溝をすべて埋め、完全になめらかな層を表面に作ることで生まれます。また、毛の硬いブラシではなくやわらかいコットンの布でワックスをなめらかな層にしなければなりません。これには大変な時間と手間がかかりますが、挑戦してみたい方は鏡面磨きガイドをご覧ください!

その時間や手間を省いてくれるのがサフィールノワールミラーグロスのような特殊なワックスポリッシュです。サフィールノワールミラーグロスは、普通のワックスポリッシュと比べてハードワックスの濃度が圧倒的に高いです。普通のワックスポリッシュより固いので、布を巻いた指に力を入れて擦り取らなければなりませんが、その固さゆえになめらかで長持ちするワックスの層を速く作ることができ、お望みの鏡面磨きが出来上がるのです!

美しく磨き上げられた革靴の画像

どのシューポリッシュを使えばいいか

クリームポリッシュとワックスポリッシュはどちらも靴を美しく見せるうえで別の領域を担っているので、大切なレザーシューズに併用されることをお勧めします。かならずワックスポリッシュの前にクリームポリッシュを塗ってください。順番を間違えると、クリームポリッシュの栄養分がワックスの層に阻まれてレザーに届かないだけでなく、ワックス層の光沢も損なわれてしまいます。

どちらか片方を選ぶとしたら(鏡面にこだわらず、ほかにも防水製品を持っているなら)、ワックスよりクリームがいいでしょう。クリームポリッシュは傷んでくたびれたレザーを色鮮やかによみがえらせ、栄養を与えてくれます。光沢があっても色褪せた靴はフォーマルな場にふさわしくありませんから。

最後に

皮革製品には、当然自己治癒力はないため、革の状態や素材に必要な栄養を与えたり補色をすることの必要性をあらためて感じ、色褪せたりくたびれた革靴をお手入れすることで、色や潤いが蘇り感動した自身の経験を思い出しました。
せっかく縁あって迎えた革靴ですから、大切にしたいですよね。私にとって靴は、たくさんの時間と場所を共有する相棒のような存在だとも思っています。

靴愛が爆発しそうになってきたので、そろそろお暇します。
これからも、革靴や革靴のお手入れに関する海外情報を、皆様にご紹介していきます。

Le Beau
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