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【海外情報】ヌバック、カーフスキン、スエードを区別する方法は?
起毛革の靴は、季節問わず様々なデザインに用いられ、1年を通して見かけることが多くなりました。 革靴だけでなく皮革製品の見た目の印象や、デザインによってその特性が活かされるなど、用いられる素材は大きく影響することも少なくありません。
ところで、起毛革にはスエードをはじめ多様な種類があり、それぞれに特徴があるのをご存知ですか?
今回は、スエード、ヌバックといった起毛革について詳しく書かれた海外メディアの記事をご紹介します。
本記事はsaphir.comに掲載されている記事How to differentiate Nubuck from Velvet Veal and Suede?を、日本語意訳でご紹介しています。
店舗でよく訊かれるものの答えに窮することが多い質問が、今回ご紹介する「ベルベットカーフ」「ヌバック」「スエード」と呼ばれるレザーの見分け方です。 ピーチスキンのようなやわらかな手触りと風合いがあるこのタイプのレザー(いわゆる“スエード”)は製造方法で区別されます。それらの特徴をくわしく説明します。
ベルベットカーフとは
ベルベットカーフとは何か理解するために、革の仕上げ工程について簡単にご説明します。なめした後、なめし剤を定着させることによって皮(腐敗しやすく湿った物質)は革(防腐性のある乾燥した物質)となります。
革となった皮は半分に分割(スリット)され、レザーとクラストに分けられます。
図1. スリット工程:『Le cuir dans tous ses états(あらゆる状態のレザー)』マリー・ノエル・デ・カニー著(2011)
ここでは、気品があり高級品に使用されるレザー部分に注目します。このレザーの、表皮と毛包(獣毛)があった部分が真皮で、「銀面」ともいいます。また、スリット作業前はクラストに接していたため、裏面を「床面」といいます。
ベルベットカーフはレザーの一部で、床面を使います。
図2.哺乳類の皮膚の断面:『Le cuir dans tous ses états(あらゆる状態のレザー)』マリー・ノエル・デ・カニー著(2011)
ヌバックとは異なり、ベルベットカーフはやすりをかけて起毛させることが多いため、ざらっとした質感で、キメが粗くなります。やすりがけで生じる特徴的な細かい繊維で区別することができます。
図3. ベルベットカーフの拡大写真(Colourstockより)
勘違いしている人もいるかもしれませんが、ヌバックは(スエード同様)動物のことではありません! ベルベットカーフとは異なり、ヌバックという素材は、レザーの上側(銀面)を使います。 独特な風合いを出すために、この層は研磨材(手作業の場合は目の細かい紙やすり)で細かく研磨されます。
図4. ヌバックの拡大写真(Colourstockより)
この研磨作業は繊細で、皮の欠陥を隠すことができません。それゆえ、本物のヌバックレザーを作るためには非常に質の高い皮が必要です。 スムースレザーと同様、ヌバックの特性はいくつかあるため、皮の厚さは品質の目安として非常に有効です。
ところで、スエードはフランス語で“daim”(ダン)と呼ばれます。ダンとは「ダマジカ」のことです。ダマジカの毛皮の風合いになぞらえて、一般に起毛したレザーを総称して「スエード」といいます。 なお、ダマジカは保護種でそのレザーは長年使用されていません。スエードという言葉の意味は非常に幅広く、ベルベットとヌバックもスエードなのです。
俗説とは異なり、ベルベットカーフのお手入れはとても簡単で意外と丈夫です。悪天候にも強いですが、熱源には近づけず、シューツリーを入れて室温で乾燥させてください。 お手入れは、泥落としでできるだけ汚れを落としてから、ブラス(真ちゅう)ブラシで毛を起こして“てかり”を消します。
図6. サフィールのスエードブラシ
また、毛が固まりつぶれてしまうと黒ずみの原因になります。スエードブラシで物足りなければ補助的に(より強力な)クレープブラシをお使いください。靴全体ではなく部分的な使用に留めてください。仕上げに、サフィールノワール ウォータープルーフスプレーなどの防水剤で靴を保護します。
月に一度、クリーナーやレノベイターを使って靴全体を洗うといいでしょう。
1.ベルベットカーフはレザーの一部(床面) 2.ヌバックもレザーの一部(銀面) 3.スエードは起毛したレザーの総称 4.ベルベットカーフを恐れることなかれ! お手入れは簡単です
本記事はhttps://www.septiemelargeur.fr/で公開された記事を意訳したものです。
こちらの記事でも、スエードの種類やお手入れについて書かれていますので、ぜひご覧ください。
スエードのお手入れは難しくない! 素材の特徴とお手入れの第一歩
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