マドラス オンラインショップ コラボ
madras-マドラス-手軽にできる靴のお手入れ
本記事は、創立100周年を迎えたマドラス株式会社の公式オンラインショップとのコラボレーション企画です。
前回はマドラスの売れ筋シューズ“M442”の革底(レザーソール)のお手入れについてご紹介しました。
マドラスブランドのシューケア用品は、世界でも有数のシューケアブランドの中から、マドラス社が自社の靴のお手入れに適したアイテムを厳選セレクトして提供しています。
今回、短期連載で「マドラス純正シューケア用品(+α)を使ったマドラスシューズのお手入れ」をご紹介し、ともにマドラスの靴を美しく履き続け、その魅力をさらに引き出すケア用品の特徴や使い方をお伝えしてまいります。
今回はハイシャイン(鏡面磨き)という靴磨きでの仕上げの方法をmadras マドラスの定番、王道のシューズで挑戦してみたいと思います。
「そもそもハイシャインって何??」という方に、簡単にご説明します。
「靴のつま先・かかとを美しく輝かせる仕上げ」をずばり“ハイシャイン”と呼びます。
その光沢感がまさに鏡のように自分の顔が映り込むほどなので別名“鏡面磨き”や“鏡面仕上げ”とも呼ばれています。
マドラス社の靴は元々光沢のある仕上げが多いので、マドラスの靴の魅力をより強調するドレッシーな仕上がりにできるのがハイシャインをおすすめする理由の1つです。
おすすめする理由のもう1つはハイシャインが“防水・防汚・防キズ効果”となる点です。
本題に入る前にネタバレしちゃいますが、ハイシャイン=ワックスによるコーティングなので、そのコーティングが革に直接水気や汚れが付くことを防いでくれるほか、つま先やかかとなどのぶつけたりこすったりすることの多い場所をコーティングすることで、革自体にキズが入ることを防ぐことができます。
何だか小難しそうに思うかもしれませんが、慣れてしまえば誰にでもできるテクニックなのでぜひ挑戦してみてください。
それでは早速ハイシャインをやってみましょう!
と、その前に今回モデルになってくれる靴を紹介します。
先回、「マドラスのド定番“M411”のお手入れ徹底攻略!」という記事で基本的なお手入れを紹介したM411に再登場願います。
またこの靴?と思った方、焦らないでください。理由がちゃんとあります。
ハイシャインは「仕上げ」の方法であって、靴のお手入れとしては工程の一部分だけです。
ハイシャインをする前には必ず油分補給や補色といった基本的なお手入れをしておくことが必要となりますので、前回記事でベーシックケアを終えたこちらの靴がモデルとしては最適なんです。
※もしまだご覧いただいてないようであれば、先にこちらの記事をご一読ください。
M411はビジネス/ドレスシューズの王道、定番中のド定番“ストレートチップ”のマドラス社でも不動の人気を誇るシリーズです、と前回記事でもご紹介しました。
ビジネスシーンで「足元を見る」というと隙や弱みにつけ込むことを表しますが、いざ見られた足元が美しく輝いていたら、むしろ一目置かれることに………なんてことがあるかもしれません。
ハイシャインのポイントは「ワックスを塗り重ねていかに平らな面を作るか」です。
突然ですが、小さい頃に「ピカピカ泥だんご」を作ったことはありませんか?
作り始めた時は泥でザラザラだったかたまりが、泥や砂を重ねて表面をならしていくと、つるつるでピカピカなきれいな球が完成します。
ハイシャインはそのツルツルピカピカを靴用のワックスを使ってつま先とかかとに作るようなものです。
そこでまずは皮革表面の毛穴の跡やシボ(皮革表面に入るシワ)などの凹凸を埋めて平らな面を作るためのベースを作ります。
使用するのはこちら。
色は靴の色に合わせて、「ダークブラウン」を選びました。
カルナバワックスという植物由来の天然ワックスを配合した固形のワックスで、乗りがよく粘りがあるのでしっかりと革表面の凹凸を埋めてくれます。
クロスを指に巻き、水を少量含ませたらトラディショナル ポリッシュを取ります。
そして靴全体に塗り拡げていきます。
この時、つま先やかかとなどの強く光らせる部分にはワックスを押し込むように塗ります。また履きジワが入る甲部分は塗布したワックスの層にシワが寄ったり割れたりしてしまうので、極力厚塗りは避けるようにします。
ハイシャインはつま先とかかとを光らせる仕上げ、と冒頭から言っていますが実際は全体にほどよく光沢を与えつつ、つま先・かかとを特に強く光らせるようにするときれいに仕上がりますよ。
この工程は2~3回ほど繰り返します。
ハイシャインのベースができたかどうかの判断は、
・ハイシャイン部分の凹凸がきれいに埋まっているか
・ワックスが塗り重なって、ややマット(つやなし)の状態になっているか
が見極めのポイントとなります。
凹凸がまだ見えていたり、革自体の光沢がまだ残っていたりするような状態はベースが甘いので、もう少し塗り重ねてみてください。
このままこのポリッシュだけでもハイシャインにすることもできますが、マドラスのシューケアグッズの中にはハイシャインを手早く・美しく仕上げるための専用のスグレモノが存在します。
マドラス アミラルグロスは鉱物由来の<モンタンワックス>と植物由来の<カルナバワックス>というワックスの中でも硬質な部類の原料を配合したハイシャインのための特化型ワックスです。
前述のトラディショナルポリッシュが、粘りがあって革の凹凸を埋めるベースつくりに適しているのに対して、アミラルグロスはその塗り重ねたトラディショナルポリッシュのベース層を硬質なワックス成分で平らにならしながらフタをするような使い方をイメージしてください。
使い方はトラディショナルポリッシュと同様です。
先ほどと同じ様に軽く湿らせた指に巻いたクロスに今度はアミラルグロスを取り、トラディショナルポリッシュを塗布した場所(ベース部分)に数滴の水を垂らしたら、アミラルグロスを塗布していきます。
数回塗布するだけで、ベースとなっているワックス層が平らになめらかにならされて、ツルツルのピカピカになっていきます。
この工程も数回(2~3回)繰り返します。
ここまでくればあとはフィニッシュしていくだけ。仕上げでは水拭きをしていきます。
クロスをポリッシュやアミラルグロスのついてない面に巻き変えたら、クロスに水を少量含ませ、ワックス塗布面を拭き上げます。
重要なのは摩擦熱。
しっかりと拭き上げることで、これまでの途中の工程でついてしまう小キズやくもりが晴れて美しい光沢が出てきます。
水拭きが完了したら、“フィニッシャーブラシ”と“ハイシャイングローブ”を使って、さらなるツヤを引き出します。
フィニッシャーブラシは<ヤギの毛>と化繊<PET>素材を混毛した仕上げブラシです。やわらかいヤギの毛とハリのある化繊をバランスよく配合しています。
水拭きの後に残るクロスの拭き筋や取り切れないくもりなどを晴らすことができます。
ハイシャイングローブは化繊を使ったグローブ上のクロスで、こちらもフィニッシャーブラシと一緒に最終仕上げに使用します。
ブラッシングの後の細かな毛筋をグローブの“面”を上手く使って消していきます。
なおハイシャイングローブはハイシャイン後についてしまうキズやこすれを目立たなくする効果も持っていますので、光沢を維持することができます。
というわけで、←After Before→です。
ハイシャインで仕上げた部分はトーンが若干暗くなりますが、色味や光沢に深みが出ます。
ニュートラル(無色)以外のポリッシュであれば色も乗るので、キズやこすれをカバーすることもできますし、ハイシャインを形成するワックス被膜は靴を守る保護膜として、これから見舞われるかもしれないトラブル(ぶつけたり、こすったり、ふまれたりしてついてしまうキズなど)を軽減する効果を発揮します。
ハイシャインは基本的なお手入れにさらにひと手間加わるので大変に思うかもしれません。ですが靴の美しさを引き立て、保護効果も高めてくれる「靴を長持ちさせるテクニック」としてはとても有効な仕上げ方法でもあります。
マドラスのビジネスシューズにはハイシャインの映える靴がたくさんあります。
基本的な靴のお手入れをマスターしたら、次はぜひハイシャイン(鏡面磨き)でさらなるドレスアップに挑戦してみてください。
madras マドラスオンラインショップでもお手入れに関する記事が掲載されています。
そちらもぜひご覧ください!
※マドラスの靴のお手入れについてはこちらの記事でもご紹介しています。
本記事で紹介した商品はこちらで購入できます。
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