コードバンは「革の宝石」や「革のダイヤモンド」などと例えられますが、コードバン層部分を削り出す工程が「宝石の発掘」を、光沢を出すグレージングの工程が「宝石の研磨」を思わせるのが由来となっています。
★コードバンの弱点
元が毛羽立った状態であるコードバンはオイルアップされてはいるものの、屈曲する部分(例えば、靴の甲の履きジワが入る箇所や財布の折り曲げ部分など)は油分が抜けやすく、押しつぶされた毛羽立ちが起きてしまうため、起毛の隙間から水気を吸い込みやすく、シミや水ぶくれという現象が起こりやすくなります。
コードバンはとてもきれいなツヤをしていますが、先に例を挙げたエナメルやガラスレザーとは異なり、水を通しにくい樹脂でコーティングされているわけではないのが、「水気は大敵」と言われる理由です。
3.コードバンはなぜ高価なのか?
1,2のまとめにもなりますが、コードバンが高価になる理由は以下の通りです。
・牛や豚と比べて、馬革の流通量が少ない。
馬肉を食文化を持つ国は牛や豚と比べて多くなく、原皮の生産量が少ない
・さらに良質なコードバンを採取できる原皮は限られる。
欧州の限られた地域で生育される農耕馬からの採取となるため、生産量はより限定される。
・さらにさらに一頭分の原皮から採取されるコードバンはとても少ない。
馬の臀部の一部。コードバン層が存在する箇所からしか採取できないコードバンは、キズや傷んだ部分を取り除けば1頭分から取れるのは靴数足分が限度です。
1枚のコードバンから作られる製品の数すら限定されるとなると、それは原材料コストとして製品価格に反映されてしまうわけです。
・コードバン生産にかかる期間は手間暇かけておよそ6ヶ月間。
コードバン生産を手掛けるタンナーが少ない理由でもあります。
原皮の希少性が高い上、製造期間が長いためお金に変わるまでにかなりの時間がかかります。
また携わる職人にもコードバンを扱うための高度な知識や経験が必要となり、人材育成にも相当の期間を必要とします。
気軽に大量生産ができる素材でないのが、コードバンの希少性を高めているわけです。
まとめ
コードバンがどんな革なのか、なぜ高価なのか、を簡単ではありますが紹介いたしました。
コードバンの一番の魅力であるツヤは熟練の職人たちの手により、長い時間をかけて生み出されたものであることをおわかりいただけたものと思います。
この独特な風合いは、今度はユーザー側が維持するための努力をしなければ損なわれてしまいます。
しかし、ポイントをきちんと押さえれば、コードバン製品の扱いはそんなに恐れるものではありません。
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コードバン製品をお持ちの方も、これからの方も、ぜひぜひご視聴いただければと思います。
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