2022年も4月になり、新社会人や新生活などで心新たに靴磨きをやってみようと思われた方もたくさんいらっしゃるかとおもいます。
店頭での接客では、現状や用途などを聞いてくれて使い方に合ったシューケア用品をおすすめしてくれるので安心ですが、EC全盛の今の時代、ある程度自分で調べて、選んで購入しなくてはいけませんよね。
でもたくさんあるシューケア用品の中から、自分がどれを選んだらいいのか、商品ページをただ見ていてもなかなか判断に迷ってしまいます。
そこで、今回は革靴のお手入れ用品の選び方についてのアドバイスをお届けしたいと思います。
とは言いつつも、本当は“とりあえず、まずは使ってみよう!”の一言で済ませたいのがやまやまなのです。使ってみるのが一番わかりやすいですからね。
でも何事もはじめの一歩は躊躇しがちかと思います。そこで今回の記事は「ブランドで選ぶシューケア用品」というテーマで、革靴のお手入れ用品選びにお悩みの皆さまの背中(もとい、ポチッとする人指し指)を押してあげたいと思います。
ShoesLifeで推しているシューケアブランドだけでも、
・フランス:SAPHRI サフィール(Saphir Noir サフィールノワール)
・イギリス:DASCO ダスコ
・スペイン:TARRAGO タラゴ
・フランス:LA CORDONNERIE ANGLAISE コルドヌリ アングレーズ
と、これだけのブランドがあって、それぞれのブランドに靴クリームや汚れ落とし、レザーローション、固形ワックス、ブラシといった一連の革靴のお手入れ用品がラインアップされています。
日本国内で流通されているシューケアブランドでみても、他にももっとたくさんありますし、世界にまで広げれば日本では知られていない製品・ブランドがまだまだ存在しています。
そんな数多あるシューケアブランドの中から、自分に合った製品を選ぶためには、ちょっとしたコツがいります。
まずは、自身の状況ややりたいことは何かを明確にしておくことをおすすめします。
初めて靴磨きに挑戦しようと思っているのか、すでに磨いた経験や磨く習慣はあるのか、
手軽さ重視で簡単なケアで良いのか、きっちり念入りに本格シューケアに取り組みたいのか、
コスパ重視かクオリティ重視か、などなど選択肢は多岐に渡りますが、革靴のお手入れ用品選びの指針になるような、自分なりの靴磨きに対する目標、みたいなものを決めておくとアイテム選びがはかどります。
◆靴磨きの目標(の例)◆
と、こんな感じに自分なりの目標をなんとなくでいいので定めておきましょう。
1.で、何を・どのようにしたいのか、自分の目標がまとまったら、次は自分の用途に合った革靴のお手入れ用品をシューケアブランドの特長に照らし合わせて選んでみましょう。
ここではShoesLifeが推している欧州のシューケアブランド3つを特長でタイプ別に分類してみますので、これだと思うブランドを選んでみてください。
SAPHIR サフィール
フランスのシューケア・レザーケアブランド。良い革靴・革製品を永く美しく使い続けることに妥協をしない製品づくりが世界中で評価されています。靴好きだけでなく靴職人、靴磨き/修理職人からも絶大な信頼を寄せられています。
また世界各国のラグジュアリーブランドのOEMも数多く手掛けています。
ベースラインのサフィール、ハイグレードラインのサフィールノワールの2つラインがあります。
対象 :初心者~上級者(ノワールは中級者~)
ラインアップ:豊富。あらゆる革素材のケアが可能。
価格 :△
サフィールをおすすめしたいのは、
「革靴が好き!靴磨きも好き!(もしくは好きになりそう!)」
「本格靴磨きをマスターしたい(挑戦したい)」
「ハイシャインもマスターしたい(やってみたい/上手くなりたい)」
「クオリティにこだわりたい」
と言った靴が好きだったり、気に入った物に愛着を持って大事に使っていきたいと思う方、それから靴磨きに本気でチャレンジしてみたい方です。
商品ラインアップが豊富なので、一般的なスムースレザー(ツヤ革)の靴のお手入れだけでなく、上質な皮革や各種特殊革、キズ・色補修に皮革用染料、ミッドソールや革底のケア、などの幅広いニーズに対応できるようになっています。
そしてそれら商品はブランドポリシーの下、天然原料や製法にこだわって作られていることが仕上がりの良さに直結している、というのが大きなアドバンテージとなっています。
また、SAPHIR FRIENDSをはじめとした多くのプロシューシャイナーが使用することからわかる通り、上級者までが納得して使い続ける確かな品質を実感できることから、用途によって基本的なお手入れメインの初心者からゴリゴリのハイシャイン仕上げ、色・キズ補修、パティーヌなどを求める上級者までを対象としています。
※SAPHIR サフィール ブランドについて紹介した記事も合わせてご覧ください。
DASCO ダスコ
イギリスのシューケアブランド。製靴に使用する木型(ラスト)の製造からシューツリーをはじめとした総合シューケアブランドとして成長。
主に英国のシューメーカーのOEMや公式ケアアイテムとして採用されています。
2015年にサフィールのメーカーAVEL社を擁するALMAグループの傘下入り。
対象 :初心者~
ラインアップ:革靴の基本的なお手入れに必要なアイテムは一通り。
価格 :○
ダスコ ブランドについては、
「ちゃんとした靴磨きをはじめてみたい!」
「リーズナブルに一通りのケアアイテムを揃えたい!」
「コスパの良い高品質靴クリームを試してみたい!」
といった方々におすすめしたいです。
靴クリームやレザーローション、ポリッシュ、ブラシ、クロスなど革靴の基本的なお手入れに必要とされるアイテムはダスコ ブランドで一揃えできるほか、お値打ちなシューケアセットも用意されていて、これからシューケアに挑戦してみようというビギナーにやさしいラインアップとなっています。
比較的価格も抑えた設定となっており、一通り単品で揃えても負担は大きくありません。
品質については、ALMAグループ傘下になったことでサフィールブランドのノウハウが活かされており大きく向上しています。
高品質な製品を気軽に試せる、使い勝手のよいブランドと言えます。
TARRAGO タラゴ
スペインのシューケアブランド。品質もさることながらブランドの最大の特徴は価格と機能性重視の商品ラインアップです。
ベーシックな靴磨きアイテムだけでなく、リキッドタイプやスポンジ付き靴クリームなどのクイックケア向きのアイテムも充実しています。
また近年ではカジュアルシューズ向けの品揃えを強化していて、スニーカーのお手入れ・カスタムなどの商品も各国で人気となっています。
対象 :初心者~中級者
ラインアップ:簡単お手入れから気軽に使える高機能商品など便利アイテム多数。
価格 :◎
タラゴ ブランドをおすすめしたいのは、
「とりあえずササッと靴をきれいにしたい!」
「とにかく簡単なお手入れ道具を使いたい!」
「革靴だけでなく、カジュアルシューズもお手入れしたい!」
といった方々です。
タラゴ社が元々繊維の着色・染色資材のメーカーであることから、色づきの良さが特長の製品を多く取り揃えています。
革靴の日常のお手入れでも、靴クリームなどで補色をしっかり行うことで仕上がりがグッと良くなります。気軽に使えるのに色ノリが良いというのは、ずばりビギナーに大変おすすめなポイントとなります。
また本格靴磨きのアイテム以外にも「塗るだけ簡単」なリキッドタイプやスポンジ付きクリームの存在は、前述の2ブランドにはない品揃えとなります。
他にも界面活性剤ベースの万能クリーナー(皮革以外に様々な素材に使える汚れ落とし)や強力撥水レザーローション、スニーカーのソールの黄ばみ落としなどあると大変便利な高機能なアイテムもタラゴブランドの魅力となっています。
価格については、初心者も手に取りやすくかなり抑えられた設定となっているのでお試しのつもりで気軽に使えるかと思います。
※TARRAGO タラゴ ブランドについて紹介した記事も合わせてご覧ください。
結局のところ靴のお手入れ用品は消耗品ですから、同じものを使い続けるのも良いし、いろいろ試し続けるのも良い、そんな感じのモノです。
本記事でとりあえず使ってみたいと思う商品やブランドが決まったら、思い切って使い始めてみてください。
選んで・使って・また悩んで、と、その繰り返しから“自分の好みに合ったお気に入りのアイテム・ブランドとの出会い”が喜びとなって、また一層靴磨きをする楽しさにつながっていくかと思います。
靴磨きの楽しさ、道具選びの楽しさを、ぜひとも感じていただければと思います。
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