ミンクというのは、北アメリカ原産のイタチ科の動物で毛皮の採取を目的に養殖もされています。
原料としての<ミンクオイル>は毛皮採取時に採れる皮下脂肪から精製される動物性油分です。ミンクオイル自体が毛皮の副産物であることから、動物愛護の観点でミンクの毛皮の採取量が減少するのに伴ってミンクオイルの採取量も減少しており、今では希少な原料になりつつあります。
原料としての<ミンクオイル>が皮革に与える主な効果は以下の通り。
皮革にしっかりと油分を与えることで、乾燥を防ぎ、劣化を予防します。
また皮革の深層まで浸透すると抜けにくく滞留するので、皮革本来の柔軟性を高めて、維持する効果も発揮します。
さらに油分が水気を弾くので皮革の防水・耐水性能を強化するはたらきをします。
このような効果・効能は特に「オイルレザー/オイルアップレザー」のお手入れで実力を発揮します。
革を製造するなめしの工程でたっぷりと油分を加えられる(加脂される)オイルレザーのお手入れには油分補給が不可欠です。
独特な質感、優れた耐久性を維持する上ではミンクオイルはうってつけの原料となります。
勘違いされがちですが、シューケア・レザーケア製品としての“ミンクオイル”は100%<ミンクオイル>で構成されているわけではありません。
他のワックス(ロウ分)・油分などの原料も配合して、それぞれの原料の性能を十二分に発揮されるような処方がなされています。
“タラゴ ミンクオイル”も然りで、<ワセリン>が配合されていて浸透性・保湿性が高められています。妙な光沢感が出ることなく自然でしっとりとした艶感に仕上がるので、マットな風合いが魅力のオイルレザーに最適な処方となっています。
当然ですが、動物性油分が主成分なので皮革の色味は濃くなります。また乾燥が進んだ状態や淡色(ライトブラウンなど)の革はその傾向が顕著です。