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【海外情報】サフィールのシューレース:伝統の職人技が生み出す逸品

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公開日:2025/05/09 

【海外情報】サフィールのシューレース:伝統の職人技が生み出す逸品

ファッション性や利便性の観点から靴紐を通さない「紐なしデザイン」の靴もありますが、色柄や材質もさまざまで結び方でも個性を出せる靴紐は、靴のアクセサリともいえるアイテムです。
今回は、靴紐の歴史とサフィールのシューレースの製造工程、おまけに靴紐のほどけにくい結び方をご紹介します。


なお、本記事はSaphirブログの記事Saphir shoelaces: an ancestral savoir-faire for an exceptional qualityを意訳したものです。

靴紐を結ぶという行為は、無意識にこなしているありふれた日常の動作です。
靴にエレガントなタッチを与えるこの独特な紐の起源を知りたいと思うこともありません。
一度、じっくり考えてみるのはどうでしょうか。
靴紐の起源について。
靴紐の製造工程について。
靴紐にまつわる物語について。

靴紐は太古の昔から存在していました。
最古のものは、1991年にオーストリアアルプス登山中のドイツ人ハイカーが発見した、青銅器時代の紀元前3255年ごろ死亡した男性のミイラの装身具です。
後にエッツィと名付けられるこのミイラは、革の靴紐で締められた完全な状態のシカ革の靴を履いていました。

靴紐の歴史

靴紐のある靴は新石器時代にも存在しました。
古代、エトルリア人やローマ人が靴紐のある靴を履いていました。
中世とルネッサンス期には、靴紐は革や天然素材のほか絹のような高級な繊維でも作られ、貴族の靴を飾りました。
18世紀、木製や鉄製織機により、丈夫で細い靴紐の製造が確立しました。
19世紀に入ると、蒸気機関の発達により、本格的な靴紐製造業がいよいよ誕生しました。

 

「おかしなことに、靴紐を結び直すのがうれしくてたまらないのだ。出かけようとしたらほどけていると、なおさら」
フィリップ・ドレルム 著/高橋啓 訳(1997)『ビールの最初の一口とその他のささやかな楽しみ』(引用文の訳はShoeslife)

 

そして現在、サフィールのシューレース(靴紐)はフランスで生産されています。
工房では、昔ながらの技術を受け継ぎ、すぐれた品質の靴紐を製造しています。
あらゆるタイプの靴に合う、サイズ展開が豊富なサフィールのシューレースは、コットンを編み込んで作られています。
柔軟性があり、革靴との相性が抜群です。
19世紀の木製織機と「スロー・ブレイディング」(低速編み)技術を用いて、現在も伝統的な製法で作られているため、5メートルのシューレースを製造するのに1時間かかります。
量より質を重視するゆえの低収量です。
実際、繊維を強く伸ばして傷めてしまう近代的な高速織機とは異なり、このような旧式の低速織機は非常に繊細な作業を可能にします。
編み込みが緻密なので、繊維がつぶれず靴紐が丈夫になります。

精緻なロウ引き加工

編み込み工程の次は、コーンスターチなどのさまざまな天然原料から作られた溶剤で靴紐にツヤを出します(ロウ引き加工)。
職人の手で靴紐にレザーのような質感が生まれ、保護層と耐久性が加わります。
ロウ引き加工した靴紐は、摩擦や靴のアイレットから日常的に加わる摩耗に対して耐性があります。
しかし、これで完成ではありません。
アグレット(靴紐がほつれないように両端を止める短い丈夫なチューブ)を付けなければ。
サフィールの靴紐のアグレットは円筒形です。
編み込まれた紐から成る円筒状の「コア」の周囲に靴紐の糸を編んで、手作業で作られます。
アグレットは、職人が作り上げたこのアクセサリに最後の仕上げとして、非常に美的で極めて実用的な価値を与えます。
靴紐が機能的なエレガンスを、そして日常の品物や動作の美を極めた形だとしたら、どうしますか? あなたはただ、それぞれのアイレットに靴紐を通していき、いちばん上で靴に対して垂直にきれいな蝶結びにするだけでいいのです。
基本の輪を作ってもう1回転させてからくぐらせて結ぶと、二重結びしなくてもほどけにくくなります 。

※編集部注:参考として、関連する記事を以下に掲載しています。

【海外情報】靴紐の結び目がほどけくいと言われる「ベルルッティ結び」
その方法とは?
https://shoeslife.jp/topics/hungerproject03/

【海外情報】ほどけにくくエレガントな靴紐の結び方、パリジャン結び
https://shoeslife.jp/topics/hangerproject04/

「彼女がかかんで靴紐を結んだとき、私は彼女の髪が揺れ、そのカールが輝くのを見ていた。そして、そんななんでもないしぐさがあまりにも詩的であると同時に、彼女という人間を雄弁に物語ることが不思議でならなかった」

ヤスミナ・レザ(1999)『Une desolation(原題)』(引用文の訳はShoeslife)


いかがでしたか。
靴紐には人々の足元を飾ってきた長い歴史とさまざまな物語があるのですね。
記事で引用したフィリップ・ドレルムのエッセイは、暮らしの中にあるささやかな幸せを綴り、フランスでベストセラーとなりました。
日本語訳は絶版ですが、チャンスがあれば読んでみたいです。
日常の小さな一コマに彩りを添え、足元をすてきに演出してくれるサフィールのシューレース、ワードローブにおひとつ加えてみませんか。


本記事で紹介した商品はこちらで購入できます。

SaphirNoir(ノワール)シューレース
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【本記事で紹介】フランスの伝統製法で作られた高品質なロウ引き靴紐


 

 

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