革靴やスニーカーなど、靴の型崩れを防いでくれるアイテムといえば、『シューツリー』ですよね。
木製のシューツリーには、除湿・消臭効果があるものがありますが、その効果が期待できる素材とは一体どんな素材でしょうか?
一般には、ブナやシダー(杉)といった素材を耳にすることがありますが、今回は、シダーの種類とその効果や特徴について書かれた海外記事の翻訳を引用してご紹介します。
引用元:SHOE TREE PROJECT How To Tell If You Have Real Cedar Wood
シダーには独特な香りがあり、とても用途の広い木材で、耐久性と引張強度に優れ、香りに天然の防虫剤と脱臭剤としての効果があることから、木工家具の材料にも広く用いられています。この香りの元である天然油は抽出され、クリーム、ローション、エッセンシャルオイルとして用いられています。
シダーの香りについては先述した通り独特であることから、においを嗅ぐことで判断できる場合が多いかもしれません。しかし、種類によっては香りのタイプや持続力が様々。
シダーは、凝縮されたかぐわしい香りのオイルが表面に小さな結晶を形成することもあり、香りが薄くなった場合、表面を目の細かいサンドペーパーなどで磨くことで新しい面が露出させ、再度香りを復活させることができます。
では、本物ではないシダーとは一体どんな特徴があるのでしょう?
However, unscrupulous may try to pass off cedar imitations by infusing cheaper, more common woods (such as schima superba) with a cedarwood oil extract. These will smell like cedarwood at first, but the aroma will quickly fade once the extract fully vaporizes since it isn’t present throughout the entire wood.
訳: しかし、安価で質の劣る木材(チャイニーズグガツリーなど)にシダーの抽出油を注入し偽のシダーを売りつけようとする不届き者がいるかもしれません。最初はシダーのような香りがするこの手の木材ですが、抽出油が木材全体にずっと残っているわけもなく、完全に気化してしまうと香りはすぐに消えていきます。
(引用元:SHOE TREE PROJECT How To Tell If You Have Real Cedar Wood )
そ、そんなことがあるなんて!
シダーの持つ独特な香りだけを頼りにするのではなく、持続性や木表面の結晶の有無が決め手になるんですね。
他にも、色んな種類のシダーについて知っておくことで、本物のシダーを確実に選ぶ手段になるかもしれません。
ここからは、引用元を翻訳してご紹介しますので、さっそく見ていきましょう!
それは使用目的次第です。
よく見られるシダーは数種類あり、それぞれに耐久性と香りが異なります。
ほとんどのシダーとは違い、アトラスシダーはアメリカではなく北アフリカ原産です。アトラスシダーの原木は簡単かつ安価に入手できますが、物理的耐久性に欠け香りは弱いです。柔らかさがプラスになる鉛筆の材料に最適です。
コストの関係でシューツリーに最もよく使用されるシダーですが、シューツリープロジェクトはイースタンレッドシダーを選んでいます。インセンスシダーは耐久性があり、その乾いた酸味のある香りはお香さながらです! 万人受けする香りではないものの、ひどく不快なにおいではなく、防虫効果があります。
色は黄色と茶色の中間で、アメリカンレッドシダーなどと比べて手に入りやすく、安価です。しかし、アメリカンレッドシダー製品を騙ったインセンスシダー製品には注意が必要です。インセンスシダーもアメリカ原産であるため、倫理観に欠ける小売業者はこれを悪用し、インセンスシダー製品を“アメリカン”シダーと称して販売しています。アメリカンレッドシダーはインセンスシダーとは異なる性質を持つ特殊な木なので、注意すれば騙されることはないはずです。インセンスシダー製品に見られる明らかな特徴は次のとおりです。
1.色:アメリカンレッドシダー製品は赤みがかっていてクリーム色の辺材が混ざっていることもあるのに対し、たいてい鈍いイエローとブラウンの中間の色です。
2.価格:比較的手に入りやすく一般的に安価です。推定価格は17~27ドルです。
3.香り:アメリカンレッドシダーのさわやかなあまい香りに比べるとドライで酸味があります。
最後にご紹介するのは、当社一押しのアメリカンレッドシダー(イースタンレッドシダー)です。北米東部原産でエンピツビャクシンとしても知られます。耐久性が高く、カビ耐性に優れ、素晴らしい香りを持つことからシューツリーに最適で、多くの一流工芸作家たちに珍重されています。
アメリカンレッドシダーにはさわやかなマツのような独特の甘い香りがあり、天然の靴の脱臭剤として効果を発揮します。角材は天然のワードローブ用脱臭剤としても利用されます。ほかのシダーとは一線を画すその美しいバラのような赤い色味は、たしかな品質の証です。
同じ木から取れた木材でも、アメリカンレッドシダーの色にはかなりばらつきがあります。その色はバラのようなピンクからクリーミーなオフホワイトまでさまざまで、両者が混ざっていることも。木の生育中に生じる天然の防腐作用によりカビ耐性と耐久性に非常に優れているため、シューツリープロジェクトでは心材(木の中心から取れる木材)を使用してシューツリーを製作しています。
いかがでしたか?
色んな種類のシダーがあって、その特徴を生かしたシューツリーが作られているのはとても興味深いですね。
皆さんが普段使っているシダーシューツリーは、どんなシダーが使われていますか?
あらためて確認してみるのも面白そうです。
では、次回の海外情報もお楽しみに!
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