久しぶりに履こうと取り出した革靴に、白い汚れのようなものが…
いつも通りにお手入れをしたのに、なぜか消えない。
一度生えると簡単には消えてくれない厄介なカビ。
特に6月〜9月はカビが繁殖しやすくなると言われています。
しかも、カビって周囲にどんどん移っていきますよね…。
慌ててブラッシングして放った胞子が他の靴や衣類に付着すると大変です。
その前に、まずはカビが生えてしまう原因を知ることが大切です。
カビには、繁殖を進めてしまう4つのメカニズムがあります。
ホコリ、皮脂、汚れなどを栄養として繁殖します。
湿度80%以上の場所で特に活発に繁殖します。
20~30℃の場所で特に活発に繁殖します。
酸素がある場所で繁殖します。
この4つの条件が整うと、カビの繁殖を後押ししてしまうのです。
カビが生えたてのところは表面だけにカビが付着している状態なので早めに処置すれば取れやすいのですが、カビは菌糸で生えていくので根っこを生やしてしまいます。
それが深く根付いてしまうと、表面は取れたように見えても根っこは残ってしまうので、そこから再びカビが増えていきます。
カビの根っこを残したままにしておくと、繁殖を進める4つのメカニズムが揃った時にまた繁殖を繰り返していきます。
それこそが、カビが厄介な理由です。
カビは根っこの部分から除去しなければなりません。
SAPHIR(サフィール)でできるカビの除去方法を教えます。
Point☝
カビの菌が付着してしまうので、必ず手袋をはめて換気の良い場所で作業してください。
強力な汚れ落とし効果のあるレノマットリムーバーを使います。
油汚れや塩吹きの除去にも効果を発揮するレノマットリムーバーは、カビの除去にも効果的です。
SAPHIR(サフィール)レノマットリムーバー
通常のお手入れではレノマットリムーバーをクロスに含ませて拭き取りますが、カビの除去の場合、クロスやブラシを使いまわすと他の靴に移ってしまうので、ティッシュなど使い捨ての物が安心です。
クロスも使い捨てれば問題ありません。
レノマットリムーバーがカビの根本まで行き渡れば、カビの繁殖を防ぐことができます。
レノマットリムーバーはカビを拭き取ることができますが、殺菌効果があるわけではありません。
あくまでも、カビの原因になる汚れや、古いクリームやワックスの成分を取り除くことでカビの発生を防ぐことが目的です。
また、溶剤系のレノマットリムーバーは揮発性が高いので、いつまでも皮革の表面に留まることがなく、除去したカビの菌が再び付着してしまうこともありません。
全体を拭き終えたら、しっかりと乾燥させます。
湿気などカビにとっての好条件が揃うと再発してしまうので、風通しの良い場所にしばらく置き、完璧に乾いたらカビの再発がないかをチェックして問題なければ通常のお手入れをしてください。
レノマットリムーバーだけでは除去できなければ、皮革用せっけんのサドルソープを使います。
SAPHIR(サフィール)サドルソープ
クリーナーやリムーバーなどでは落ちない頑固な汚れを落とすサドルソープは、もうどうしようもできない革のトラブルの最終手段として使うアイテムです。
界面活性剤の効果を皮革の奥まで浸透させてカビを根こそぎ除去しますが、効果がある=やはりそれなりのリスクが生じます。
☝革靴の丸洗いの注意点も併せて、サドルソープの使い方をご紹介します。
泡立ちやすいように靴を水で湿らせます。
ここで早くも注意なのが、丸洗いだからといって革靴をまるまる水に浸けたり、蛇口から直接かけたりするのはNGです。
靴の中まで水で浸してしまうと、ライニングやインソールの接着の剥がれや、極端な色落ちが起こることがあります。
サドルソープにはスポンジが付属しているので、スポンジに水を含ませて掛け湯のように少しずつ湿らせていきましょう。
革全体が湿ったら、スポンジで泡立たせながら優しくこすります。
カビを落とそうと力いっぱいゴシゴシするのはNGです。
アルカリ性のサドルソープは過剰な摩擦をかけてしまうことで色が抜けたり、皮革表面(銀面)が荒れたりしてしまいます。
界面活性剤の汚れ落としの効能は泡で汚れを浮かすことで発揮されるので、事前にしっかりと泡立たせてモコモコの泡で優しく撫で洗いするのがポイントです。
全体を泡立たせたら、濡れた状態のままレノマットリムーバーで拭き取ります。
濡れた状態の方がレノマットリムーバーの効果が革の奥まで浸透し、カビの根までアプローチすることができるのです。
泡と一緒にカビを水で洗い流します。
洗い流す際も水でひたひたに浸けすぎず、掛け湯のように泡を取り除いてください。
洗い流したら、しっかりと自然乾燥させてカビの再発がないかをチェックして問題なければ通常のお手入れをしてください。
スエードやヌバックなど起毛革のシャンプーのオムニローションを使います。
SAPHIR(サフィール)オムニローション
こちらも界面活性剤の効能で汚れを浮かせて落とすタイプなので、靴全体を水で湿らせた後、付属のブラシでしっかりと泡立てて優しくこすりながらカビを落とします。
全体に泡立ったら、靴についた泡を水で掛け湯のように洗い流し、風通しの良い場所で完璧に乾燥させてください。
サフィールでできるカビの除去方法をお伝えしました。
カビが生えても効果的な方法で除去することはできますが、通常のお手入れと比べると手間がかかってしまい、除去できても一度生えたカビは再発のリスクもあります。
常日頃からカビが生えないように意識することが大切です。
冒頭にお伝えしたカビが発生する4つのメカニズムを思い出してみてください。
カビの大好物であるホコリや汚れなどは放置せず、気づいたらすぐに取り除くようにしましょう。
毎日の帰宅後、馬毛ブラシでブラッシングするだけでも効果的です。
ブラッシングでは落ちない汚れを見つけたら、なるべくすぐにクリーナーで取り除いてください。
吸湿性のある木製のシューツリーを装着させることをおすすめします。
湿気を取るだけでなく、靴の履きジワを伸ばすことでホコリが溜まりにくくなり、カビの発生を抑えることができます。
シューズクローゼットに除湿剤を置くと、さらに効果的です。
1足ずつ化粧箱に保管している場合でも、すぐに箱の中に入れずに必ず乾かしてから入れるようにしてください。
靴箱の中にシリカゲルなどの乾燥材を入れておくのも良いでしょう。
高温多湿にならないように玄関の換気をしたり、化粧箱には通気孔を設けたりして通気性を良くしましょう。
靴を直接床に置かずにラックに置くことでも空気が流れるようになります。
こちらに関しては酸素を完全にシャットアウトするのは不可能なので対策は難しいです。
カビが生えていないか定期的に靴の状態をチェックして、靴にとってより良い環境を作ることが大切です。
革靴のカビの除去方法と対策をご紹介しました。
日常のちょっとしたお手入れと保管環境の工夫で、大切な革靴を長持ちさせることができます。
万が一、それでもカビが生えてしまった時はサフィールがおすすめする方法を実践してみてくださいね。
こちらの記事は動画でも観ることができます!
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