毎年3月になると話題に上がるのが桜の開花予想ですが、2024年は全国的に高温傾向だった影響で例年よりも早くお花見ができそうです。
可愛らしいピンク色の花が咲く桜のイメージが強いからか、春は鮮やかなパステルカラーを目にする機会が増えますね。
花粉に悩まされる季節でもありますが、筆者は四季の中で春が一番好きです。
ファッションやメイクなどもこの季節はパステルカラーを取り入れる方が多く、街を歩いているだけでワクワクします。
さて、そんな筆者の元に同僚から「もう使わないから好きに使って」と、色補修の実験台になりそうなお財布が届きました。
おぉっ、このピンクの箱はMIU MIU(ミュウミュウ)!
でも、お財布はかなり年季が入っていますね…(笑)
ミュウミュウといえば、このキルティング加工を施したマテラッセレザー。
そして愛らしいくすみピンクが魅力ですが、さすがにこれはくすみすぎです(笑)
若い世代の女性を中心に、一度は憧れるブランドのミュウミュウ。
ちなみに30代の筆者は今でもミュウミュウ大好きですが、同僚いわく10年以上前に使っていたけれど汚れもひどくなり、年齢的にも卒業してタンスの肥やしになっていたそうです。
自分自身の好みや年齢の変化もありますが、トレンドの変化でも宝の持ち腐れとなってしまうのはブランド物の宿命でしょうか…。
それから見て分かる通りお手入れ不足による劣化が進み、今の状態ではまた使おうという気持ちになれず、断捨離の機会を逃すとクローゼットの中で年月を過ごしてしまいますよね。
皆さんにもそんなバッグやお財布はありませんか?
通販サイトでも高評価を獲得しているサフィールの色補修クリーム〈レノベイティングカラー補修クリーム〉を使って、せっかく春にぴったりのデザインなので「また使いたい!」と思えるくらいにお直ししたいと思います。
レノベイティングカラー補修クリームは、ツヤ革の靴やバッグ、お財布などのキズや色あせを補修する着色クリームです。
アクリル樹脂と顔料による抜群の着色効果でキズをしっかりカバーします。
一般的なアクリル絵の具は柔軟性が低く、乾燥すると縮みひび割れや剥離が生じますが、レノベイティングカラー補修クリームはとても柔軟性が高く、摩擦や屈曲への耐久性に優れています。
ミュウミュウのマテラッセは、しなやかで柔らかいラムレザー(羊革)で作られています。
新品の状態からかなり柔らかいのでお金の出し入れもしやすく、見た目にも優しい風合いが女性らしいですよね。
ですがこのラムレザー、お手入れを怠ると寿命が一気に縮まってしまうほど繊細な素材です。
ダメージに弱いのでキズがつきやすく、お手入れをしないとすぐにボロボロになってしまいます。
こちらのお財布も折り曲げる部分に亀裂が入っていますね。
汚れ落としでは、サフィールの〈レノマットリムーバー〉の出番です。
色補修をする前には、必ず油分やワックスが含まれないクリーナーで革の表面をキレイに拭き取ってください。
汚れだけでなく、過去に塗布したクリームが残っていると着色の邪魔をするのでスッキリ除去しましょう。
また、レノベイティングカラー補修クリームを誤った箇所に塗布してしまった場合や塗り直したい場合にも、こちらのレノマットリムーバーで拭き取ることができます。
サフィールのレノベイティングカラー補修クリームは全47色(2024年3月現在)とカラーバリエーションが豊富ですが、真っ黒以外の色が1色でマッチすることは極めて稀です。
調色をするたびに
「白って200色あんねん」
のフレーズを思い出しますが、あのセリフもネタになっているけれど実際には調色次第で200色以上の白色を作り出すことは可能なので、難しい色はアン●カさんにお願いしたくなります。
今回のお財布のような混じりけのある色、いわゆる濁色は作るのが難しいですが、混ぜていくうちにコツを掴むことができるので色々試してみると面白いですよ。
⚠注意点
レノベイティングカラー補修クリームはあくまでも“補修クリーム”なので、まったく違う色へチェンジすることはおすすめしていません。
そのため、色を作る際は元の色を把握する必要があります。
今回のお財布は全体的に色あせしていて把握が難しいですが、外側に比べて内側がキレイな状態なので内側の色に近づけることにしました。
ベースカラーは#91.オールドピンクで間違いないでしょう。
#91.オールドピンク
オールドピンクは青みがあり、お肌がブルベの人に似合いそうな色味をしています。
1色では白っぽさが強く出すぎるので、ここに少し紫色を足すために#87.プルーンをほんの少しだけ足しました。
割合は、オールドピンク8:プルーン2くらいです。
#87.プルーン
ちなみに同僚は#12.エルメスレッドと言いましたが、プルーンがビンゴでした。いえーい!
#12.エルメスレッド
同じ赤紫色でも、プルーンの方が青みがあるので希望の色に近くなりました。
オールドピンク+左:プルーン/右:エルメスレッド
この色に革特有のグレーっぽさを足すために、#56.ギャバジンをオールドピンクと同じくらいの量を足してみました。
#56.ギャバジン
見事、期待通りの色を作ることに成功!
オールドピンク+プルーン+ギャバジン
こちらのギャバジンはくすみカラーを作る時に本当に優秀なので、1本持っていると頼りになります。
困った時にギャバジンを入れると高確率で期待の色に導いてくれる逸材です。
角スレや小さなキズの場合はクリームの状態のまま塗布しますが、今回のような広範囲の場合は水で希釈して粘度調整をします。
クリームをそのまま塗布すると厚みがでてしまい、剥離やひび割れがしやすくなり色補修が長持ちしません。
イメージとしては、ファンデーションを厚塗りすると目元や口元がひび割れしたり、よれたりしますよね。
それと同じで、レノベイティングカラー補修クリームも薄く塗り伸ばすことが成功の秘訣です。
さっそく先ほど3色で調色したものを塗布…としたいところですが、かなり革の黄ばみがひどくキレイに発色するかが不安だったので、まずはオールドピンク1色を塗布してトーンアップさせました。
暗くくすみがちな肌を明るく見せるためにトーンアップ効果のある化粧下地を塗ることがあります。
やっぱり、レノベイティングカラー補修クリームはメイクの要領と似ていますね!
オールドピンクを下半分のみ塗布
オールドピンクを全体に塗布
もちろん内側も
いよいよ、3色を混ぜ合わせたものを筆を使って塗り伸ばしていきます。
ここでポイントですが、レノベイティングカラー補修クリームは乾燥がとても速いです。
液だれしにくく、すぐに次の工程に進めることができるというメリットはありますが、定着すると修正しづらくなるというデメリットもあります。
なので、まずは目立たない箇所に少しだけ塗布して色を確認してみてください。
今回のお財布は必要なかったですが、色をつけたくない箇所がある場合はマスキングテープでカバーすると安心です。
1回塗布
期待通りに発色してくれたので、乾いたら少量ずつ塗り重ねていきます。
重ね塗りのコツは、1回目に塗布したクリームが乾いた後に2回目を塗布すること。
乾いていない状態で塗り重ねようとしても、前に塗布したクリームがよれてしまい上に重ねることができません。
色が乗らないからといって厚塗りすると、先述の通り剥離しやすくなり、何より見た目が不自然なのでNGです。
革質や状態により、一部だけ色が乗らずムラになることがあります。
今回のお財布も、どうしても所々クリームが定着してくれない箇所がありました。
そのような場合はクリーム9:水1くらいの割合に粘度を高め、指でクリームを乗せてあげるように塗ると定着しやすくなります。
3回塗布
レノベイティングカラー補修クリームは乾燥が速いので、狭い範囲の補修であれば1時間ほど乾燥させれば概ね定着します。
今回は広範囲で、なおかつ重ね塗りしているので十分な乾燥時間を設けることにしました。
3日間乾燥させたお財布に仕上げ作業を施します。
レノベイティングカラー補修クリームは着色力に優れているので必須ではないですが、今回のように広範囲に塗布した場合や、お財布のように使用頻度が高い物は色止め剤を塗布してあげると安心です。
色止め剤のタラゴ〈ウォーターベースラッカー〉を全体に塗布します。
こちらはツヤの出る“グロス”とツヤ消しの“マット”がありますが、今回はツヤツヤにしたかったので“グロス”を選びました。
ウォーターベースラッカーのグロスを塗布
先程の色止め剤でツヤを出していますが、レノベイティングカラー補修クリームは乾くとマット(ツヤ消し)になるので、乾燥後はお好みに合わせてツヤ出しクリームで仕上げます。
サフィールの〈ユニバーサルレザーローション〉は、天然のホホバオイルが皮革に栄養と柔軟性を与えて劣化やひび割れから守り、ビーズワックスが透明感のあるツヤを出してくれます。
塗布後は全体になじませるため力を入れずに馬毛ブラシでブラッシングして、ベタつきを消すためにクロスで乾拭きします。
色ムラもなく、期待以上の仕上がりに大満足です。
乾燥していた革もツヤツヤになり、新品以上の出来栄えじゃないでしょうか♪
顔料系の塗料を塗っていますが財布が硬くなったり触り心地に違和感が出ることもなく、柔軟性のあるレノベイティングカラー補修クリームだからこそ叶えられる仕上がりです。
さっそく同僚にお返しすると、
と喜んでくれました♪
桜の季節に桜のようなピンクのお財布を持ってお出かけしてくれたら嬉しいです。
柔軟性が高く、摩擦や屈曲への耐久性に優れたサフィールのレノベイティングカラー補修クリームをご紹介しました。
レノベイティングカラー補修クリームは、他にも革靴、レザージャケット、レザーバッグなどの色補修ができるので、捨てることに躊躇している思い出の物や、不注意してキズをつけてしまった物があれば試してみる価値ありです!
あなたが大切な物と長く過ごすためのお手伝いをさせていただきます。
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