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公開日:2022/03/10 

メルマガ質問箱 回答編! 靴クリームやポリッシュが固くなった?と感じたら………

靴クリームを使っていると、誰もが思う素朴な疑問………

固くなってひび割れしてしまったポリッシュや靴クリームの画像です。

なんだか固くなってしまったポリッシュや靴クリームたち

先日、ShoesLife メールマガジンの質問箱にとある質問が寄せられました。

いつもならお送りいただいた疑問・質問やメルマガ誌面上でお答えしているのですが、今回寄せられたご質問はぜひShoesLife シューズライフの記事として取り上げたい内容だったので、メルマガを飛び出してShoesLife シューズライフ本誌を使ってお答えしていきたいと思います。

ご質問者のplannerさん、とても良い質問をありがとうございます!

 

 

 

ご質問
「靴クリームやワックスは、内部の状態を均一化させるためにかき混ぜるのは、
有効でしょうか。どうしても上に向けている側が固くなる気がします。」


今回の回答についてはサフィールやダスコ、タラゴなどフランス ALMAグループの製品についての返答となります。
市販の他のクリームではこの回答内容が該当しない場合がありますので、あしからずご了承くださいませ。

 

Q1.“固さの調整”をするためなら、かき混ぜるのは有効です。

まずご質問の、“内部の状態を均一化させる”、というのが”使いやすい固さに戻す、調整する”という意味であれば、かき混ぜての使用は有効と言えます。
表面に固さが出ていても、固くなっているのは表面だけで内側はやわらかい状態であれば混ぜてしまえば固さはなくなります。

そもそも、靴クリームやポリッシュの表面が固くなる、という現象は決してplannerさんの気のせいではありません。
空気に触れる面からは、靴クリームやワックスを構成している成分の一部が揮発していき、徐々に固さが出てくるというのは確かなことです。

 

主に製品から抜けていってしまう成分は揮発性の高い「有機溶剤」です。この有機溶剤は靴クリームやポリッシュに含まれるワックスを“やわらかく保つこと”です。
したがって有機溶剤が抜けやすい「空気に触れている=上に向けている側」はワックスが固くなるという現象が起こるわけです。

靴クリームから抜ける成分と残る成分を表す図です。

有機溶剤や水は揮発し、油分やワックスは残る。

さて冒頭、回答として「混ぜて使用するのは構わない」と書きました。
ですが実際は、使うたびにかき混ぜていると空気に触れた部分が徐々に増えていくことになります。
そうすると、場合によっては揮発が進むスピードが早まり、靴クリームやポリッシュが固くなるのが早まってしまうかもしれません。
靴クリームに関して言えば全体にかきまぜるというよりは、表面の固くなった面を裏返すようなイメージがよいかもしれません。

また使用後にはキャップをしっかりと閉めるのは当然ですが、なるべく温度が安定して涼しい場所で保管するようにしてください。

Q2.品質や配合比率的な面では、特にかき混ぜる必要はありません。

次に、“内部の状態の均一化”“性質や成分比率の均一化”のことを指している場合であれば、回答は上の通りです。

基本的には、通常利用中における配合成分の揮発では製品内部の性質や配合比率が利用に支障をきたすほどの変化とはならないので、均一化を目的としてかき混ぜる必要はありません。

 

以下の画像のように、揮発が進んで溶剤や水が抜け固く収縮したように見える靴クリームでも、ブラシや指、クロスに取れるくらいのやわらかさがあれば十分塗り拡げることができます。

乾燥が進んで収縮し、固くなったファインクリーム(ルビー)の参考画像です。

乾燥が進んで収縮し、固くなったファインクリーム(ルビー)

乾燥が進んで収縮し、固くなったファインクリーム(ルビー)を指に取っている画像です。

固くはありますが、このように指に取れます。

指に取った固くなったファインクリーム(ルビー)を手に塗り拡げてみた画像です。

試しに左手に塗り伸ばしてみたら、問題なく塗布できました。

一見しっとり感がなくなり、固そうにみえても品質には影響ありません。

一見しっとり感がなくなり、固そうにみえても品質には影響ありません。

たとえばサフィールノワール “クレム1925”やコルドヌリ・アングレーズ“ビーズワックスクリーム”など油性タイプ靴クリームやサフィール、サフィールノワールの“ビーズワックスポリッシュ”などの缶入りのポリッシュ(固形ワックス)は、主原料であるワックスのやわらかさを保つために配合している有機溶剤が抜けてしまっても製品自体の効果・効能にほぼ影響がありません。

ハイシャイン(鏡面磨き)を容易にするテクニックとしてポリッシュを「ドライワックス化」することを、当サイトでもおすすめしていますが、このドライワックス化こそビーズワックスポリッシュから有機溶剤を飛ばして(揮発させて)、あえてポリッシュを固くすることで靴表面に乗りやすくする、というテクだったりします。

開封直後はクリームのようにやわらかいビーズワックスポリッシュの画像です。

開封直後、クリームのようにやわらかいビーズワックスポリッシュ

フタを開けて5日~1週間ほど置き、ドライワックスにしたビーズワックスポリッシュの画像です。

フタを開けて5日~1週間ほど置き、ドライワックスにしたビーズワックスポリッシュ

革靴ジャーナリスト 楠美皓平さんがドライワックスについて検証されているこちらの記事も大変参考になりますよ

 

 

 

固くなって使いづらくなってしまった靴クリーム・ポリッシュの救世主

もし靴クリームやポリッシュが固くなりすぎて使いにくいなぁと感じたら。
以下の記事ではそんな時にもってこいな、“とっておきのアイテム”があります。

“サフィールノワール ワックスソフトナー”
固くなって使いにくくなった靴クリームやポリッシュをやわらかい固さに調整することができるミストです。

まとめ

サフィールやダスコなどの靴クリームやポリッシュが固くなってしまう現象について、状態が変わってしまう=劣化と取られがちですが、実際は有機溶剤や水が揮発したことで有効成分である油分やロウ分(ワックス)の配合比率が高まった“濃縮”した状態であるといいます。
効果・効能については何の問題もなく使えますから、あとは使い勝手の面だけよね。

 

靴クリームのやわらかさに関しては好みがあって、固めが好き(使いやすい)な人がいれば、なるべく柔らかいまま使いたい~なんていう方もいらっしゃいます。
自分好みの使いやすい固さをキープするために、保管方法や保管場所、使い方(使用中もマメにフタを閉める、など)をいろいろと工夫して追求してみるのも靴磨きの醍醐味、かもしれませんね。

 

ということで、今回はメルマガ誌面上では説明しきれなかったので、ShoesLife シューズライフの記事としてお答えさせていただきました。
質問者 plannerさんの疑問解決のお役に立てましたでしょうか?

 

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