1.シューツリー選びのポイント
シューツリーには大きく分けて3つのモデルがあります。
・バネ式キーパー(簡易的)
・シングルチューブタイプ(つま先可動式)
・ツインチューブシューツリー(靴木型が原型)
特に選び方に苦労するのが、靴と同様のサイズ展開のある「シューツリー」です。
配信当日はこの本格シューツリーの選び方についてお話しました。
つま先~かかとまでしっかりと靴にフィットするタイプの本格シューツリーを選ぶ3つのポイントは以下の通りです。
①つま先から踵まで、靴のサイズと合っているか
長さ・形状が靴の型とフィットしており、きつ過ぎたり、逆にゆる過ぎたりしていないかをチェック
シューツリーは前後にスプリングで伸縮できる仕様となっているので、靴に対してきつ過ぎれば過剰にテンションがかかり負担となってしまいます。
逆にスカスカな状態で使用しても意味を成しません。
テンションの掛け具合はお好みによりますが、何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。
②履きジワが伸びているか(伸ばせるか)
(甲革・ヴァンプ部にツリーがフィットしている)
シューツリーの役割の1番は靴の型を整えること。これは弊社スタッフ ジュンジュンも申しておりますが、履き込むことで生じる靴の型崩れを、シューツリーを使って緩和し、できるだけ元々の形に整えておくために必要となります。
形の崩れてしまった靴は、どんなに良い靴・すてきな靴でも途端にみすぼらしくなってしまいます。
そこで特に変化の大きい「履きジワの入る甲部分」にしっかりフィットし、しっかりとシワを伸ばしてあげられるものを選びます。
靴が甲高なのか低いのかでシューツリーの甲部分の厚みを選択し、つま先から足首までのライン・傾斜に沿っているかを確認することが重要です。
①と②のポイントでしっかりとフィッティングができれば、アウトソールの反り返りもしっかりとフラットに伸ばすことができており、靴が本来あるべきフォルムを取り戻せているはずです。
③ボールジョイント(親指小指の付け根にあたる部分)の幅が合っているか
フィット感がゆるい分には△、きついのは×
ボールジョイント部とは、足でいう親指小指の付け根にある関節のあたりを指し、足幅の最大部となる部分です。
たとえば、つま先が細身の靴にぽってりとした重厚なつま先のシューツリーを挿入すると、サイズ表記上は合うはずなのに、つま先の途中で詰まってしまい、靴の幅に対して過剰なテンションがかかってしまいます。
すると、ご想像の通りつま先側面は内側から強く押されてしまい、かえって形が崩れる原因となってしまいます。
ここで確認すべきは、シューツリーの最大幅と靴の最大幅の部分が合致しているか、です。
ゆるっと軽めなフィットはまだ良しとしても、過度に横に張ってしまうようなきつい状態は極力避けるようにしてください。