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決定版! これがミラーグロス・アミラルグロスの正しい使い方

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公開日:2021/07/01    /  最終更新日:2024/09/17

決定版! これがミラーグロス・アミラルグロスの正しい使い方

ハイシャイン、ソボクなギモンの番外編です。

サフィールノワール ミラーグロスのイメージカットです。

先日公開しましたこちらの記事の補足です。

ハイシャイン(鏡面磨き)のソボクなギモン

1.ミラーグロスだけでハイシャインはできるのか?

正解から先に言いますと、できるかできないかを尋ねられたら「できます」と答えます。

 

答えます。が、決しておすすめはいたしません。
ミラーグロスやアミラルグロスは、あくまでビーズワックスポリッシュとの併用が基本となります。

 

理由は、ビーズワックスポリッシュだけ、もしくはポリッシュとミラーグロス・アミラルグロスを併用した時と比べて、保革効果と仕上りのクオリティが一段劣るから、です。

 

まず、保革効果について。

ミラーグロスやアミラルグロスの主成分は“モンタンワックス”や“カルナバワックス”という光沢性能を重視した配合となっています。
モンタンワックスは鉱物由来のワックスなので栄養効果がありません。サフィールの他の製品で使用されることの多い栄養豊富なビーズワックスは、ミラーグロスでは処方を安定させる程度の配合となり、主成分として栄養効果を発揮するほどの量は含まれていません。

 

したがってハイシャインをした靴の皮革のコンディションを保つ効果はビーズワックスポリッシュに軍配が上がります。

次に仕上りのクオリティについて。

ミラーグロスやアミラルグロスに配合されるモンタンワックスやカルナバワックスは硬質なワックス“ハードワックス”に分類されます。
実際、製品自体もビーズワックスポリッシュと比べて見た目からして固いのがわかります。

 

ハイシャインを美しく仕上げるポイントは、先回の記事で紹介した通り「いかに凹凸を埋めて平滑な下地(ベース)を作るか」にかかっています。

 

ビーズワックスポリッシュのようにやわらかいワックスであれば靴表面の大小の凹凸を埋めることは容易にできますが、ミラーグロス・アミラルグロスのような固いワックスではなかなかこの凹凸を埋めきれず、どうしても中途半端な下地になってしまうんです。

 

ミラーグロスだけでハイシャインを仕上げた時に、光沢にギラギラ感が出てしまうのは凹凸が埋めきれておらず、光の乱反射を抑えられていないことが原因となります。

まだ何も塗られていない靴のつま先の拡大写真です。

A.表面に凹凸の残る靴のつま先。

ビーズワックスポリッシュを塗り始めた靴のつま先の拡大写真です。

B.ビーズワックスポリッシュで下地(ベース)を作っている途中

ミラーグロスを塗り始めた靴のつま先の拡大写真です。

C.ミラーグロスを使って下地を作っている途中

A.はまだ何も塗っていない、ベーシックケアまでを終えた靴のつま先部分です。
凹凸がはっきりと見えていますね。

 

B.ビーズワックスポリッシュで下地を作っている途中段階です。
Aで見えていた凹凸がポリッシュで埋められていき、だんだんと平らになりかけています。

 

C.はミラーグロスだけを使って下地を作っている途中段階です。
Bのポリッシュとだいたい同じ回数だけ指で塗布していますが、凹みの部分にミラーグロスが入っていかず、凹凸感が残ったままです。

 

上の写真からもわかる通り、ミラーグロスはその固さゆえに革表面の凹凸を埋めづらく、かえって時間がかかってしまうのです。

 

ということで、栄養効果や鏡面のクオリティの面からビーズワックスポリッシュを下地に使うことをおすすめしています。

2.ミラーグロスを使うタイミングについて

さて、ビーズワックスポリッシュで下地作りまでできているとして、ミラーグロス・アミラルグロスはいつ使い始めるのがよいのでしょうか?

 

これには特に正解はありません。
お好みで使い分けます。

 

例に挙げるとしたら、こんな感じでしょうか?

 

クオリティ・持続性重視 → ハイシャインの仕上げ(水拭き)前に数回重ね塗り

速さ重視 → 下地ができたら、ミラーグロスで表面をならし、仕上げていく

 

もう少し具体的に違いを表現してみます。

 

「ビーズワックスポリッシュのみでのハイシャイン」仕上り・速さ・持続性の項目でオール5の成績とすると、

 

クオリティ・持続性重視でミラーグロスを使用
・仕上り:
・速さ :5+
・持続性:

 

速さ重視でミラーグロスを使用
・仕上り:
・速さ :5++
・持続性:

 

こんな感じの差になるといえば、理解しやすいでしょうか。

ハイシャイン後の革靴

ミラーグロスやアミラルグロスは、下地(ベース)となっているポリッシュを平らにならしながら、ハード(硬質)なワックスで表層を固めていくようなイメージで使用します。
なのでビーズワックスポリッシュによるハイシャイン特有の「潤みを帯びたツヤ感・シズル感」に少々欠けます。
また固いワックスが表層となるため、細かなキズが入りやすいため曇りやすく、ハイシャインの強い光沢感が鈍りやすいです。

 

そのかわりにビーズワックスポリッシュのみでハイシャインに仕上げる時とは異なり、下地(ベース)が平滑になるのが速く、あっという間に下地が鏡面へ変わっていきます。

 

ミラーグロスやアミラルグロスを使うタイミングは、スピードを優先するかクオリティを優先するかで使い分けてみてください。

 

ちなみに。ミラーグロスやアミラルグロスが速くハイシャインできる理由が、「下地を壊さずしっかりと塗り重ねできるから」なのですが、これはビギナーがハイシャインのコツを習得するのにもわかりやすく最適な効果です。

 

ポリッシュのみでのハイシャインがなかなかできないという方は、まずはミラーグロスやアミラルグロスを併用して「下地を平らにならす感覚」を掴んでもらうと上達が早いと思いますよ。

3.ミラーグロスの間違った使い方

これも誤解が多いのですが、ミラーグロスやアミラルグロスは「ドライワックス」にはしないでください。というかドライワックスという状態になりません。

 

もともと固いワックスなのでドライワックスにしようとして乾燥させてしまうと、カッチカチに固まるわ、ぼろぼろと崩れるわで、かえって使いづらくなってしまいます。

乾燥しすぎてぼろぼろになってしまったミラーグロスの画像です。

ドライワックスにはならないミラーグロス

普通に使い続けていても乾燥が進んでいき、だんだんとボロボロ・コナコナした状態になっていきます。
ビーズワックスポリッシュであれば同様の状態でも練り込んで再び使えたりしますが、ミラーグロスやアミラルグロスは練っても練ってもまとまってくれません。

 

そうならないためには、なるべくフタを開けている時間を少なくしてあげることで、過剰に乾燥が進ませることなく使いやすい状態を保つことができます。

 

もしも固くなりすぎて使いにくくなってしまったら………
そんな時はこちらの記事で紹介している“秘密兵器”をお試しください。

まとめ

 

サフィールノワール ミラーグロスやサフィール アミラルグロスは「ハイシャイン特化のワックス」という紹介をしていますが、実際はハイシャインをやりやすくする「サポートアイテム」とか「チートツール」という表現の方が正確かもしれません。

 

これまでの記事でお伝えしてきた「ハイシャインをする意義」であったり「サフィール流ハイシャインの本質」であったりをご理解いただいた上で、便利でチートな禁断のアイテムを上手に使いこなしてもらえればと思います。


今回、記事内で取り上げた商品はこちらからご購入いただけます。

SaphirNoir(ノワール)ミラーグロス
SaphirNoir(ノワール)ミラーグロス
より早く強い光沢を出すために開発されたワックス。


 
SAPHIR(サフィール)アミラルグロス
SAPHIR(サフィール)アミラルグロス
ハイシャインを早く美しく仕上げるための専用ワックス


 

 

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Le Beau
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