3.汚れ落とし
エナメル(パテント)革の汚れと聞いて、真っ先に思い浮かぶのはおそらく“皮脂”汚れなのではないでしょうか。
エナメル革を触ると手指の脂が跡になって表面に白く残ったりします。べっとり指紋の跡がつくアレです。
跡がついてすぐならクロスで乾拭きすれば簡単に取れますが、放っておくとなかなか取れなくなりますし、後からどんどんぺたぺた手の跡がついていくので、気がつくといつの間にやらエナメル製品全体が白けた感じになってしまいます。
特にバッグや財布などは手で触ることが多く気づきにくいものですが、よーく見るとわかります。知らず知らずのうちに汚れてしまっていることがほとんどです。
できれば気づいた時に(靴は脱ぎ履きする時に)コットンクロスで乾拭きをして、汚れはすぐに拭き取るというお手入れの習慣をつけておきたいところです。
さて、この「手で触ったときにつく皮脂汚れ」ですが、この後の工程で登場する“サフィール ヴァーニスライフ エナメルローション”でも十分落とせます。
なので、必ずしも汚れ落としを使わなければいけない、ということはありません。
厄介なのが「こすれ跡」。
靴のかかと部分に逆の足のかかとなどがこすれてついてしま跡や黒ずみは、乾拭きはもちろん前述のエナメルローションでも落とせない場合が多いです。
そんな時は、最終手段としてこちらを使用します。