弱点4.色移りしやすい
場合によっては致命的なダメージとなるのが“色移り”です。
・他の靴と引っ付いたまま保管しておいたら、その靴の色がエナメルについてしまった………
・エナメルの財布を雑誌やチラシの上に置いたらくっついた!無理に剥がしたら跡が残ってしまった………
といったトラブルはエナメルによくあるものです。
このような汚れや色移りはいくら強力な皮革用クリーナーで落とそうとしても、取り切れないことがほぼほぼです。
上記のような状態は、汚れ、色移りがエナメルの表面についている(乗っかっている)わけではなく、他の靴の色を付けている染料や印刷物のインクをウレタン樹脂が吸い込んでしまい、“染色”された状態になっている状況です。
なので、素材の中へ染み込んでしまった色や汚れはいくら表面を擦ったとしても落とし切れません。
こうなるともう何をやってもこのトラブルを個人で解消することは難しいので、ダイフレンチリキッド(サフィールブランドの皮革用染料)を使って黒色などの濃い色に染めてしまうのがてっとり早い復旧手段となります。
エナメル修復の専門業者の中にはこのようなトラブルの対応を得意としているところもあるようなので、もし色移りを染め替えではなく元通りに戻したい場合は潔くプロ・専門業者に診てもらうのがよいでしょう。