アプライブラシ使ってますか?
靴クリームを塗る時、皆さんは何を使っていますか?
クロスだったり、ブラシだったり、直接指で塗ったり、と靴クリームを塗る方法は様々ですよね。
サフィール流シューケア術ではもちろん「アプライブラシ」の使用を推奨しています。
今回はアプライブラシの使用をおすすめする理由と使用上のポイントについてお話しいたします。
まとめ
アプライブラシで靴クリームを塗る時は、アプライブラシ以下のように使います。
「なぜ?」については後述します。
・靴の片足分として、だいたい5g(米粒3~4粒)程度を毛先に取ります。
・靴クリームを毛先に取った時、クリームが偏って毛先についています。このまま靴に塗ろうとするとクリームがかたまりで靴に乗ってしまうので、それを避けるために靴クリームのフタの裏を使って、あらかじめ毛先全体にクリームを行き渡らせておきます。
・毛先に行き渡らせた靴クリームを靴に塗り拡げます。履きジワやステッチ、コバとアッパーとの間までしっかりと塗布します。
アプライブラシの使い方をおさらいしたあとは、「なぜアプライブラシを使うのか」というポイントを3つご紹介します。
2-1.手が汚れない
靴クリームをクロスに取って塗る場合、靴クリームがだんだんクロスに染み込んで指にまでついてしまうことがあります。薄手のクロスなんかを使うと顕著です。
そうすると汚すつもりのなかった手は汚れちゃいますよね。
指で直接塗る場合なんかは言うまでもありませんが、洗えば落ちるとは言え爪にまでクリームが入ってしまうときれいになるまで一苦労だったりします。
ブラシを使えば、手を汚すことなく靴クリームを靴に塗ることができます。
2-2.クリームの節約
アプライブラシを使ってクリームを靴に塗る時、前述の通りだいたい5gぐらいを毛先に付けて塗っていきます。
クリームの容器のフタ裏などで毛先全体になじませて塗布すれば、無駄なく全体に、隅々まで塗り拡げることができます。
(当然ながら革のコンディションによって、塗布量は増減しますのであくまで目安です)
これがクロスを使った塗布となると、クロスがクリームを吸ってしまって取った分を全量を靴に塗り込むことは難しいです。
さらには靴に塗り拡げていると思っていたら、クロス表面からクリームがなくなった時点で今度は靴表面に塗布されたクリームをクロスが拭き取ってしまうようになります。
これがクロスでクリームを塗るときに気を遣わなければいけないポイントとなります。
その点、アプライブラシは毛先に取ったクリームがしっかりと靴に塗り込まれているのが塗り終わったブラシを見れば一目瞭然です。
靴クリームの色はブラシに残るものの、クリームを毛先になじませた時よりも明らかに色味が薄くなって元々の毛の色が見えてきており、取ったクリームが靴にしっかり移っていることがわかります。
クロスのように塗ったクリームを拭き取ってしまうこともないので、クリームを「少量で無駄なく」靴に塗ることができる、というわけです。
2-3.届きづらいところまでクリームを行き渡らせることができる
クロスでの塗布や直接指で塗布する場合、どうしてもクリームが届かない場所ができます。
シワやシボの奥、ステッチ・縫い合わせの糸部分、コバとアッパーの間、メダリオン・ブローグといった穴飾りなどが該当します。
ブラシであれば、毛先を細部にまで当てることができるのでクリームが届かない、言わば「死角」をなくすことができます。
ステッチやコバとアッパーの間は、雨に降られたときなど水が染み込みやすい箇所です。
防水スプレーでもカバーしきれない場所でもあるので、ここにしっかりと油分・ワックスで構成される靴クリームを塗布しておくことで、水気を入りにくくする効果を発揮します。
靴本来の耐水性能を高める上では、細部にまでしっかりと靴クリームを塗布することが大変有効です。
サフィールとサフィールノワールのアプライブラシの最大の特長が、“毛先が四角い”ところです。
この「角がある」ことを上手に使いこなすことでアプライブラシによるクリームの塗布をより効率よく効果的に行うことができます。
2.アプライブラシをおすすめする3つのポイント でご紹介した全てのポイントをサフィールのアプライブラシはより効果的に行えることがおわかりいただけたでしょうか?
ブラシの毛先の“角”をうまく使うだけで、革靴のお手入れの効果・仕上がりがグッと良くなります。
また筆や刷毛のように一方方向へなすりつけるのではなく、クリームを刷り込むようなイメージでクリームを塗布します。毛先を使って皮革にクリームを押し込み刷り込むような動かし方がよいでしょう。
2:21~3:00までのような手の動かし方が理想的ですね。
アプライブラシを使う上で注意すべき点がいくつかあります。
・クリームは少量ずつを数回に分けて取る
クリームをブラシに取るときに1回でたっぷりブラシに取っても、フタ裏などで毛先になじませているうちになじみきらないクリームはフタに残ってしまいます。
もしフタ裏にクリームが残らないのであれば、それは毛先ではなくブラシの奥、毛の根元の方へクリームが入っていってしまっています。
毛の根元の方へ行ってしまったクリームは、ブラシを押し付けないと革へ塗り込めません。とすると、ブラシの中間部分では平面部分は良いとしても細部にはクリームを行き届かせにくいので、アプライブラシの特長を活かしきれないことになります。
したがって、アプライブラシを使う時はなるべくクリームを毛先に留めて使うのが重要なポイントとなります。
・クリームを取るときに、押し付けない
前述のクリームを取る量にも影響しますが、クリームを取る時はできるだけクリームの表面に毛先だけを触れるようにして、あまり押し付けて突っ込みすぎないように加減してください。
アプライブラシをクリームに押し付けすぎると、毛先より内側にクリームが入り込んでしまいます。内側に入り込んだクリームを毛先に戻すことは困難なので、結局取ったクリームのすべてを靴に塗るためにはブラシを押し付けて塗ることになります。結果は上記の通りになりますよね。
そして、クリームを多く取りすぎるとブラシの内側にクリームが入り込んでしまう、と今度はブラシの残ったクリームが固まってガチガチになってしまいます。
毛先が固くなる分には、新たにクリームを取ってフタ裏でなじませているうちに固くなった以前までのクリームも溶かされて柔らかくなり、再び靴に塗り込むことのできる状態になります。
ところが奥に入り込んだクリームを溶かそうとすると、ブラシの内部にクリームを取らなくてはならず、結果として靴に塗り込めない余計なクリームを蓄えるだけ、という悪循環を起こします。
と、いうことでクリームをブラシに取る時は「少量を数回に分けて、毛先だけにつける」ようにしましょう。
・アプライブラシは洗っても大丈夫?
例えば上記のように余計なクリームが溜まってしまって使い勝手が悪くなったと感じたら、いっそ洗ってしまうのも手です。
ただし洗う場合には注意が必要です。
持ち手の木部分にはなるべく水がつかないようにしましょう
ブラシの毛の部分をジャブジャブ無造作に洗ってしまうと、植え込み部分から水が染み込んでしまいます。持ち手は木材なので大量の水気を吸ってから乾燥すると急な収縮によりヒビ・亀裂が入ります。
植え込み部分に亀裂が入ると毛が束で抜けてしまうため、できるだけ木部分には水が入らないようにしてください。
クリームに含まれるワックスやろうは熱でやわらかくなりますので、ぬるま湯を使い、油切れのよい中性洗剤を使ってブラシ部分から残ったクリームを取り除くようにしましょう。
※他のブラシでも同様です。持ち手が木材のブラシは水気にご注意ください。
アプライブラシがいかに靴磨きに有効か、おわかりいただけましたでしょうか?
アプライブラシはただ「手を汚さずクリームが塗れて便利」だけではなく、
といった様々なメリットがあり、靴クリームを塗るという工程で最小限の手間で最大限の効果を得ることができます。
皆さまもぜひこのスグレモノのサフィール アプライブラシをうまく使いこなして、快適なShoesLife(シューズライフ)をお過ごしください。
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