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ホーム > 店舗紹介情報 > Glayage KYOTO SAPHIR FRIENDS オーナーインタビュー その1
公開日:2021/09/01 / 最終更新日:2024/01/05

「かっこいい大人を増やす」
小さな靴磨き屋が仕掛ける、大きな企み

「Glayage KYOTO(グラヤージュ キョウト)」オーナー 樺澤幹人氏
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“京の台所”として有名な錦市場に交差する御幸町通りには、セレクトショップや古着屋が数多く並ぶ。シューシャイナーの樺澤幹人氏がこの通り沿いに「Glayage KYOTO(グラヤージュ キョウト)」を構えたのは2019年9月のこと。「かっこいい大人を増やす」という使命を自らに課した樺澤氏は、靴磨きにどのような想いと情熱を抱いているのだろう。

傷んでいく靴を見るのが、つらかった

大学卒業後、樺澤氏は家具店でのアルバイトを経て、アパレル会社に販売職として入社。そこで勤務先の上司が履いていた靴の輝きに目を奪われ、靴磨きに興味をもった。

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「それまでハイブランドの靴は持っていませんでしたが、上司の足元を見て、早速〈オールデン〉のプレーントゥシューズを購入。上司から磨き方のコツを聞いたり、雑誌の情報を参考に毎晩自宅で磨きました。でも、まったく光らない(笑)。悔しいからとにかくトライ&エラーです。これを繰り返したら、いつしか自分なりの磨き方を身につけることができました。今思えば、未熟な技術でしたが、それでも僕が接客時に履いている靴を見たお客様が『靴が光ってる!』『自分も靴磨きを楽しみたい』とおっしゃって、靴を買ってくださるようになったんです。それが本当にうれしくって。当時、配属先の店舗では『靴なら樺澤』って言われていました(笑)」

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店の小窓からは隣の町家の屋根がチラリと見える

確かな手応えをつかんでからも、靴磨きの知識を蓄えることに注力。同時に、来店客に靴磨きの楽しさと奥深さを伝えていった。だが、継続的に靴を磨く人はひと握りに限られ、ほとんどの人が途中で挫折。しばらくぶりに店を訪れた常連の足元を見ると、靴が泣いていた。

 

「〈オールデン〉〈クロケット&ジョーンズ〉〈チャーチ〉といった名門ブランドの靴が傷んでいく様子を眺めるのは、とてもつらかったです。靴を磨いて、大切に扱うことはかっこいいのに」

 

そこで樺澤氏は、「いい靴を長く履き続けることが、かっこいいと思える大人を増やす」という使命を掲げ、自らがシューシャイナーになることを決意した。

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仕上がりのイメージをともにつくり上げる

アパレル会社を退職するタイミングを悩んでいたころ、ふと思い立って連絡をとった常連から「靴磨きができる人を知らない?」との質問を受けた。後先考えず、とっさに「自分ができます」と名乗り出た樺澤氏。そこから退職の話がまとまり、晴れてシューシャイナーとしての一歩を踏み出すことになる。

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2018年2月、店舗を持たないスタイルで開業。友人・知人から声がかかり、美容室やウエディング会場、仕立屋などで間借りをしながら靴を磨いた。また、週に2日は靴修理店でも修行。さらに、サフィールのシューケアトレーナー資格を取得するため、合間を縫って勉強にも取り組んだ。毎日フル稼働していたのは、1日でも早く使命を全うしたいという前向きな気持ちが強かったからかもしれない。

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店内に飾られたサフィールのシューケアトレーナー認定証。「試験勉強は楽しかったです」

独立を意識した時から店舗を持ちたいと考えていた。当初の計画では2020年。ところが、イメージしていた店を具現化できる物件が想定より早く見つかり、計画は前倒しに。店舗は2019年9月にオープン。もともと町家だった建物の小さな一室を選んだ。さすがは京都人である。

 

「目指した店はサロン。これは、フランス語で応接間や交流する場を意味します。僕は、お客様を応接間でもてなすかのようにゆっくり会話を楽しみ、丁寧にカウンセリングをしながら、仕上がりのイメージを一緒につくり上げていきたいんです。『靴磨きの完成形はこうあるべき』という持論をお客様に押し付けるようなことはしたくありません」

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取材が実施されたのは祇園祭の開催期。店の入り口には厄除けちまきがぶら下げられていた

どうやらこの“樺澤ポリシー”は、原型がアパレル時代に培われていたようだ。「洋服を買うときに、『流行りだから』『人気だから』と強く提案されると、あまりいい気がしませんよね。そもそも好みのカラーやデザイン、サイズ感、着用して出かけたいシチュエーションなどは人によってバラバラです。そういったお客様の好みに関する周辺情報をできる限り引き出した上で最適な一着をご提案する。それがプロの販売職だと思って仕事をしてきました。靴磨きも同じなんです。例えば、光沢感を求められていないにもかかわらず、「どうだ!」といわんばかりに光らせても、結果的にお客様に対して不正解を突きつけることになってしまいます。もしもそれが初めて靴磨きをプロに依頼した人だとしたら、靴磨きのイメージダウンを招きかねない。そうなると、僕の使命はいつまで経っても果たせないままです。正解はお客様がもっている。これを忘れないよう、日々心がけています」

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靴磨きは、サスティナブルなアクション

靴磨きを始めてから樺澤氏の脳裏にあるひとつの考えが浮かんだ。それは、靴磨きは実にサスティナブルなアクションであるということ。サスティナブルとは「持続可能な」という意味だが、近年は、平和な暮らしと豊かな資源・文明、そして美しい環境が持続する社会の形成を目指す意味でのキーワードとして使われている。では、靴磨きのどういった点がサスティナブルなアクションなのだろうか。

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「靴を購入し、手入れについて考え、長く付き合う。消費ばかりを追うのではなく、モノを愛用し続けようとする姿勢こそ、サスティナブルなアクションではないでしょうか。新品の靴にも寿命があり、一度履いたら劣化が始まります。でも、シューケアを施すことで寿命が伸びれば、世界のどこかで起こっている資源の枯渇や環境破壊の抑制に貢献できるかもしれない。すごく小さなアクションではあるけれど、トライしてみる価値はあります。靴磨きは足元を美しく見せるためだけではありません。これからの時代、持続可能な社会の形成について少し意識してみるのも、かっこいい大人のライフスタイルだと思いませんか」

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また、朽ちていく靴の姿をより美しく見せることに対してもシューケアは効果的だ。「汚れを落とす、油分を補給する、ヒールのすり減りを補修する……、ケアを施した数や箇所は、自分がその靴をどれだけ愛してきたかを証明しています。この証は勲章。そして、長きにわたってともに時を刻んできた靴は、自分がつくり上げた真のシグネチャーアイテムといえるはずです」

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お客様には、かっこよくなってもらいたい

樺澤氏がサフィール製品を選んだきっかけも、“かっこいい”がキーワードになっている。「ケア用品は他社も含め、いろいろ試しました。中でもサフィール製品は、パッケージデザインが秀逸。そこに惹かれてしまったんです。もちろん、質にも満足していますよ。初めて『クレム1925』を使った時の感動は忘れもしません。自分の技術が一段上がったと勘違いしたくらいです(笑)」

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「これ以上が見つからない」と話す樺澤氏とサフィール製品の付き合いは長い

現在、「Glayage KYOTO」で使われるオイルやクリームなどはサフィールで統一。ブラシは大阪の靴磨き店「THE WAY THINGS GO」発の〈KINKOUブラシ〉に別注したモデル。ネルとシューホーンはオリジナルだ。自身が思うかっこよくて使いやすい道具を追求した結果、別注やオリジナルに行き着いたという。「今は、シューレースの製作も進めていますし、奈良県の靴メーカー〈ORIENTAL〉とも新しい靴の企画を検討中です」と、構想を打ち明ける樺澤氏の表情は明るい。

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シャツを目当てに足を運ぶ顧客も多いという

「Glayage KYOTO」では、アパレル・小物の販売も手がけている。「扱うアイテムは、パターンオーダーのシャツと〈バライルアンドガーメンツ〉のアンダーウエア、〈​Komame〉の真鍮アクセサリー。あと、オーダージュエリーも好評で、ジュエラー考案のデザインでイニシャルなどを手彫りしてもらえます。実は、近いうちにパターンオーダーのパンツも展開する予定なんです。どのアイテムも革靴との相性がよく、僕が身につけてみて『かっこいい』と思ったものばかり。アパレル出身なので、そのチョイスには自信がありますね。僕がセレクトしたアイテムが、ファッションにより興味をもつきっかけになればうれしいです。」

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店の入り口は、町家ならではの細い間口を通って階段を上った先にある

「Glayage KYOTO」はオープン3年目。まだまだ若い店であり、樺澤氏もチャレンジしたいことをたくさん思い描いている。町家の小さな靴磨き屋といっても決してあなどれない。「かっこいいとはこういうこと」をソフトに教えてくれる樺澤氏の今後が楽しみだ。なお、次回の記事では、「Glayage KYOTO」のサービス内容やおすすめのメンテナンス方法、とっておきの一足などについて紹介する。

Glayage KYOTO

TEL:075-286-4978

京都府京都市中京区御幸町通蛸薬師上ル蛸屋町165 guest 2F west
12:00〜20:00
水曜定休(ほか不定の休日もあり)

https://glayagekyoto.com/
https://www.instagram.com/mikito.kabasawa_glayagekyoto/

Le Beau
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