さる10月5日、第2回ニューヨークスーパートランクショーが開催されました。
最高の秋晴れに恵まれたマンハッタンの会場で、靴の展示会や靴磨き全米大会の決勝などが行われ、盛況のうちに幕を閉じました。
今回は、その模様を写真と動画付きで余すところなくお伝えします。記事の最後に重大発表がありますので、お見逃しなく!
本記事はShoegazingブログの記事Report – New York Super Trunk Show 2024を意訳したものです。
2024年10月5日、第2回ニューヨークスーパートランクショーが開催されました。
今年も会場となったマンハッタンの中心に1,200人の来場者が訪れ、世界中から出展された靴や紳士服をチェックしたり、靴磨き大会をはじめとする靴のイベントを見守ったりと、思い思いに靴の祭典を満喫しました。
今回は、当日のロングレポートを写真満載でお届けします。
ちょうど1年前に第1回スーパートランクショーを開催したときは最悪の天気で、外は土砂降りでかなり冷え込みました。
今年は正反対で、空は快晴、気温は25℃でした。
来場者数は昨年と同じくらいでしたが、混み具合が違いました。
昨年は終日混雑に波がありませんでしたが、今年は午前中と正午過ぎはやや空いていたものの、ピーク時は大にぎわいでした。
会場となるコシチュシュコ財団は、アッパーイーストサイドの東65丁目15番地に建つ美しいタウンハウス。
その4部屋を使ってイベントが行われました。
2回目ともなれば少しは余裕が出るもので、私たちイェスペル・インゲヴァルソン(シューゲイジング)、ジャスティン・フィッツパトリック(ザ・シュー・スノッブ)、カービー・アリソンは、主催者として前回よりは多少うまくイベントを回し、リラックスしてイベントをより楽しむことができたと思います。
それもこれも、本当に楽しい1日だったおかげです。
楽しい1日が幕を開けるとすぐに、エントランスホールでパティーヌのエキシビションが始まりました。
参加したアルベルト・スアステス(パティーヌ・ワークス・アリゾナ)、グレッグ・パーク(ハン・コア・パティーヌ)、クリス・ディロン(アメリカン・パティーヌ)は、クラストレザーを使ったブリドレンのアデレードをサフィール製品で見事に染色し、磨き上げました。
エキシビションは終日行われ、来場者は見事な靴のアートが生まれる過程を見守りました。
エントランスフロアの奥の部屋では、シューケアのプレミアムスポンサーのサフィールと米国代理店のソールテックが豊富な商品を割引価格で終日販売しており、まとめ買いのチャンスに多くの来場者が訪れました。
ありがたいことに、無料の靴磨きサービスもあり、靴磨き界の有名人も参加しました。
昼前は、昨年の靴磨き全米王者リーヴァイ・エリオット(リーヴァイス・シュー・シャイン)が靴磨き台の前に座し、午後は、プレストン・ソト(ザ・エレガント・オックスフォード)が来場者の靴を磨きました。
ジンとウォッカのブレンド、ゴッカは多くの来場者に大好評だった特製コーヒードリンクからゴッカトニックまで、ありとあらゆるドリンクを終日提供しました。
インドのBlkBrd(ブラックバード)は、すべて手作業で作られた靴とブーツをお手頃価格で提供し、強い印象を残しました。
昨年、多くの来場者の好評を博したカリフォルニアを拠点とするテーラーのディヴィジ・ビスポークは、今年も大人気でした。
階段を上がると、天井が高く、美しい古い絵画が壁面を彩るメインルームがあり、ここではゴールドスポンサー3社が展示を行いました。
ニューヨークの老舗シューメーカー、フォーゲルの出展は来場者に大好評で、主催者冥利に尽きます。
美しいクラシックスタイルから紳士用ライディングブーツの傑作まで、ありとあらゆるさまざまなスタイルが展示されていました。
中国のアクメは、最高級のフルビスポークの靴と同じ基準ですべて手作業で作られたRTWとMTOの靴を提供し、高級紳士ドレスシューズ業界で独自の路線を切り開きました。
スーパートランクショーでは毎回すばらしい新作を発表してくれますが、今回は、パティーヌスエードのタッセルローファーが傑出していました。
ブレイク製法、グッドイヤーウェルト製法、ハンドソーンウェルト製法の靴を提供するCNESは、ベトナムにおけるハンドメイドシューズの大手メーカーです。
手頃な価格でありながら仕様と外観は魅力的で、さまざまなスタイルを提供しつつもCNESらしさを守り続けています。
メインルームの出展者はほかにもいて、スイスのマジョルドムは、ユニークでありがならとても履きやすいデザインのスペイン製グッドイヤーウェルトシューズをメインに展示していました。
ブルックリンにアトリエを構えるビスポークシューメーカーのフランシス・ワプリンガーは、イタリアでの修行とアメリカでの経験を融合させて靴作りをしています。
日本のレイマーは、グッドイヤーウェルト製法ないしハンドソーンウェルト製法のクラシックな靴を確固たる解釈とすぐれたコストパフォーマンスで提供する、国内の市場で評判のRTWブランドです。
中国の自社工場で洗練された美しいハンドメイドの靴を製造しているヤーンは、世界中でますます注目されています。
最後に、最上階の小さな部屋の中央には、靴のプラチナスポンサー、ブリドレン専用の大きな展示台が置かれていました。
振り返れば2020年、無名のあたらしいブランドだったブリドレンがアムステルダムのスーパートランクショーに初出展してから、その後もスーパートランクショーを足掛かりに世界から注目され、パートナーと顧客を獲得し、押しも押されもせぬ評判のシューブランドとなるまでの足跡を見届けることができ、主催者冥利に尽きます。
同社は、インドにある操業40年の自社工場でチャネリングリブ方式のグッドイヤー製法で靴を製造し、商品開発を続けています。
このほか、スーパートランクショー初出展となるベトナムの一期一会は、すべて手作業で作られたデザイン性の高い靴で大いに注目を集め、注文が跡を絶ちませんでした。
人気と売れ行きでは、シカゴのハットメーカー、オプティモも引けを取りませんでした。
彼らのようにきちんとした仕事をすれば、正当に評価されるのは当然のことです。
最後に、こちらも初出展となるニューヨークのテーラー、チャールズ・ペイジ・アトリエは、カスタムメイドからフルビスポークまで、クオリティの高い衣料を幅広く提供しています。
スーパートランクショーのハイライトのひとつが、靴磨き大会です。
栄えある第2回靴磨き全米大会をサフィールとブリドレンの協賛で開催しました。
全米各地から決勝に進出したのは、レイ・チェン(ニューヨーク州)、ハンリー・リー(カリフォルニア州)、ケイレブ・マリノフスキ(テキサス州)の3人です。
制限時間20分で、新品のブリドレンのオックスフォードシューズをサフィールのシューポリッシュを使って美しく磨き上げました。
大観衆が見守るなか、ハン・リーが見事優勝の栄冠を手にしました。
本記事の最後で今大会のストリーミングをご覧いただけます。
第2回ニューヨークスーパートランクショーのくわしい模様は、カービー・アリソンのYouTubeチャンネルで公開中です。
そしてもちろん、来年10月に第3回を開催予定です!
その前に、ロンドンスーパートランクショーを5月10日に開催します。(カレンダーに印を付けておいてくださいね!)
そしてさらに、2026年にはアジアとシンガポールでスーパートランクショーを開催予定です…… 詳細は追ってお知らせします。
今後の展開から目が離せませんよ!
いかがでしたか。
出展者も来場者も、そして主催者もニューヨークへ帰ってきた靴の祭典を満喫している様子が活き活きと伝わってくるレポートでした。
ぜひとも行ってみたいけれど、そう簡単にロンドンやニューヨークへ旅行できるはずもなく……
そんな極東の靴愛好家の声に応え、2026年、スーパートランクショーがついにアジアに上陸します!
はたして日本開催はあるのでしょうか?
続報を楽しみに待ちましょう!
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