これまで靴やカバンのお手入れについては何度もお話していますが、ソファはノータッチだったので大慌てで記事を書いている筆者です。
実は、女性からのご相談で靴やカバンの次に多いのが、“革ソファ”のお手入れに関するお悩みです。
お食事中やリラックスタイムはもちろん座るし、気づいたらソファで寝落ちして朝を迎えていた…なんて方もいるほど私たちの生活に欠かせないソファ。
在宅ワークになって、ほぼソファから離れないという方も増えたのではないでしょうか。
そんなソファには、目に見えないだけで皮脂や汗の汚れが蓄積されています。
目立つものだとコーヒーなどの飲み物や、お子さまがこぼしてしまった食べ物など、注意していても汚れてシミになってしまうものです。
それから避けられないのがキズ。
革製品は使用すればある程度のキズができるのは仕方ありませんが、意図せずできてしまうとやはりショックですよね。
特にネコちゃんを飼われているご家庭なら、引っかきキズのお悩みはつきものかと思います。
すまんニャ
ということで今回は、革ソファのお悩みを解消するお手入れ術をご紹介します。
ちなみに、この記事を書き始めてから「ソファ」と「ソファー」ってどちらが正解なの?と思い調べてみましたが、どちらでも良いそうです(笑)
筆者は「ソファ」の方がなんとなく好きなので、こちらの記事は「ソファ」で統一させていただきます。
革ソファのお手入れは、靴やカバンのお手入れ手順をご存知の方であれば決して難しいものではありません。
ツヤ革のお手入れの基本である“汚れ落とし、栄養・保革、必要に応じてツヤ出し”の3つをこなすだけです。
まず、ソファのお手入れをする際に守ってもらいたいのがしっかり換気をすること。
どれだけ革に優しいと言われるお手入れ道具を使ったとしても、道具のニオイが密室に充満すると気分が悪くなってしまう恐れがあります。
そうでなくとも大掛かりな作業でホコリが舞ってしまうので、必ず窓を開けて空気の入れ替えができる場所で作業してください。
気を付けるんだワン
小さなお子さまやペットにも要注意です。
作業中に液体を倒してしまったり、口に入れてしまったりすると危険です。
今回ご紹介する商品は人や動物が口にすることを想定して製造された商品ではありません。
お子さまやペットのそばでの作業や、よく舐めてしまう場所へのご使用はなるべく避けてください。
まずはソファに付着しているホコリを払い落します。
表面のホコリはブラッシングで払い落し、隙間に入り込んでしまったものは掃除機で吸ってしまいましょう。
ソファの隙間って、玉手箱のように色々な物が入っていますよね(笑)
使うブラシは、毛先のやわらかい馬毛ブラシが革をキズつけないので最適です。
革靴用に使っている物はクリームが付着しているので、ソファ専用のブラシをご用意ください。
汚れ落としには、タラゴのユニバーサルクリーナーをおすすめします。
数多くあるクリーナーの中でも一押しの理由は、スムースレザー(ツヤ革)、スエードなどの皮革製品の他、合皮やテキスタイル(布地)などのあらゆる素材・物に使えるからです。
なんといっても嫌なニオイが広がらないので、ソファに使っても不快感がありません。
乾いたクロスに少量含ませて、汚れた部分を拭き取ると泡が立ってきます。
界面活性剤の泡の力で汚れを浮かすので、あとはサッとクロスで拭き取るだけ。
水拭きが不要なのも手間がかからず、革へのダメージも最小限に抑えられるので安心ですね。
クリーナーとしてだけでなく、シミへの対処にはステインリムーバーとして使用することもできるのがおすすめポイント。
シミ部分にユニバーサルクリーナーを染み込ませて2〜3分置き、少し湿らせたクロスでシミが消えるまで優しくこすります。
汚れを落としてキレイになったと思いきや、こんなところにボールペンの跡が…!なんてことありますよね。
慌てて水拭きなんかしちゃった日にゃ、インクが周囲に滲んで余計に目立ってしまった…なんて失敗もあるあるです。
水性ボールペンであれば付いてすぐなら比較的落としやすいですが、油性ボールペンは浸透してしまうので簡単には落とせません。
革用クリーナーや洗剤でもなかなか落とすことができない厄介なボールペン跡には、アベルのボールペンリムーバーがおすすめです。
商品名で分かる通り、ツヤ革に付着したボールペン跡を落とすための専用リムーバーです。
綿棒にボールペンリムーバーを浸してボールペン跡に押しつけるだけでインクを取り除くことができます。
取れない場合は数回繰り返しますが、革の色まで抜いてしまう恐れがあるのでこすりすぎには注意です。
1回目
2回目
⚠こちらは強力なリムーバーなので素材によっては色落ちやシミになる場合があります。
どの商品にも言えることですが、お使いになる前には必ず目立たない場所で革との相性をお確かめください。
少しだけ本題から反れますが、革にシミができてしまった時の対処法をご紹介します。
今回のシミの原因は一概に言えませんが、ボールペンリムーバーを塗布した場所が輪郭のように色が濃くなりボールペン跡は消えていることから、もしかすると取れたボールペンのインクが周囲に押し寄せられたからなのでは?と想定しています。
ボールペンリムーバーが蒸発した後、周囲にぼかしたインクの輪郭だけが残ってしまったのかもしれません。
本サイトのこちらの記事を思い出したので参考にしてみました。
もしシミの原因がボールペンリムーバーに含まれる水分だとしたら、水で濡らすことで跡になった成分を散らせば目立たなくすることができます。
やってみたところシミは薄くなりましたが微かに残ったので、革が湿っている状態で溶剤系リムーバーであるサフィールのレノマットリムーバーで散らすように拭き取ったところシミは目立たなくなりました。
レノマットリムーバーと水でぼかす
シミが散って消える
すべてのシミに対応するわけではないですが、もしもの時に役に立つかもしれない方法をご紹介しました。
ボールペン跡に限らず、どんな汚れであっても汚れてからの時間が長ければ長いほど落ちにくくなります。
汚れが付いたらすぐに落とすことを徹底してくださいね。
栄養・保革には、ダスコのレザークリーニングコンディショナーをおすすめします。
汚れを落とし、栄養・保革効果もあるレザーローションです。
ビーズワックス配合なので塗布した後にクロスで乾拭きすると程良いツヤが生まれます。
栄養を与えるための成分には植物性油分のアロエベラが配合されているので、革の色を濃くしにくく、革に優しいのが特長です。
ソファのような広範囲のお手入れには、クリームよりもサラッとしたテクスチャーのローションタイプの方が伸びも良くて塗り広げやすいのでおすすめです。
ユニバーサルクリーナー同様、ニオイにクセがないのでソファへのご使用に非常に向いています。
塗布前
塗布後
レザークリーニングコンディショナーのみで汚れ落としから栄養・保革まで済ませることができますが、汚れ落としの効果は汚れ落とし専用商品に比べると劣るので、頑固な汚れが付着している場合は先ほどご紹介したユニバーサルクリーナーと併用することをおすすめします。
ソファのお手入れに色つきクリームやローションを使用すると衣服に色移りしてしまうので、必ず無色をお選びください。
しかし、キズや色あせに無色のクリームを塗布しても目立たなくすることはできません。
そんな場合は、サフィールのレノベイティングカラー補修がおすすめです。
Before
After
アクリル樹脂と顔料による抜群の着色効果のある皮革用のアクリル絵の具です。
とても柔軟性の高いクリームなので摩擦や屈曲への耐久性に優れており、完全に乾いた後は色移りの心配もありません。
角スレやキズが深い場合はクリームの状態で塗布し、広範囲の場合は水で希釈して塗布したりと状態や素材に合わせて使い分けることができます。
もちろん色を組み合わせて調色することも可能なので、お使いのソファにぴったりの色を作ることもできます。
ソファの色補修をご自身で行うには手間と技術が必要にはなりますが、プロに任すと数万円の料金がかかってしまうケースも少なくないので、頼みの綱としてレノベイティングカラー補修に頼ってみるのも一案です。
今回ご紹介した通り、本サイトではおなじみのサフィールやダスコの商品はソファのお手入れにも最適です。
しかし、どちらも小ぶりなサイズなので広範囲のソファに使うには容量が足りないのが玉に瑕…。
そこで、ソファのお手入れをご検討中のあなたにぜひ知ってほしいおすすめメーカーをご紹介します。
それが、サフィールの製造元として多くの有名ブランドのレザーケア商品をOEM生産しているフランスのAVEL(アベル)社が手がける「アベル ファニチャーシリーズ」です。
先ほどご紹介したボールペンリムーバーも、このアベルの商品です。
そんな信頼のおけるアベルファニチャーシリーズには、ミンクオイルの効果でソファのひび割れを防ぐバームレザーファニチャークリームや、布地のソファの色を鮮やかに回復させるスペシャルテキスタイルクリーナーなどがあり、どれも大きめサイズなのでソファにもたっぷりお使いいただけます。
ソファのお手入れにおすすめのお手入れ道具をご紹介しました。
お部屋を占領するソファがキレイになると、それだけでお部屋全体がパッと明るくなります。
大切なソファを輝かせて、心地良い空間で過ごしてくださいね。