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ホーム > トピックス > 【海外情報】すばらしきフランスのシューメーカー 9選
公開日:2025/12/11    /  最終更新日:2025/12/10

【海外情報】すばらしきフランスのシューメーカー 9選

早いもので、今年も残すところあとわずかとなりました。
この時期の風物詩であるイルミネーションやクリスマスマーケットが美しく街を彩るフランスは、サフィール発祥の地であり、数多のすぐれたシューメゾンの拠点でもあります。
今回は、有名ブランドから耳慣れないブランドまで、サフィールが厳選したフランスの9大シューメーカーと各ブランドの特色や人気モデルをご紹介します。


なお、本記事は、サフィールのブログ記事The Great French Shoemakersを意訳したものです。

フランスにおいて、靴とは単なる装身具ではなく、ひとつの芸術形式であり、何世紀にもわたるクラフトマンシップとイノベーションによって形作られたリビングヘリテージ(生ける遺産)です。

業界が大きな変革期を迎えているなか、作品に現代性を巧みに取り入れつつ職人技のエクセレンスを守ることに成功しているメゾンが存在します。

フランスで卓越した靴作りを続ける9大ブランドに敬意を表して、今回の記事をお届けします。

名前は英国風ですが、J.M. Weston(ジェイエムウエストン )は紛う方なきフランスのシューズメゾンです。
1891年にエドゥアール・ブランシャールがリモージュ地方で創業。
息子のユージェーヌが米国でファミリーの技巧に磨きを加え、その名声を高めます。
米国で、ユージェーヌは後にブランドの特徴となる縫製技術、グッドイヤー製法と出会います。

 

リモージュへ戻ると、ユージェーヌはこの革新の精神と高い水準をメゾンにもたらし、今日まで受け継がれる伝統の礎を築きます。
ジェイエムウエストンの靴はすべて、ブランドの歴史ある工房で何百もの手作業を伴う綿密な工程を経て生まれます。

 

ブランドの代表作のひとつで、1946年に発売された「#180 シグニチャーローファー 」には、時を超越したエレガンスとすぐれたクラフトマンシップが対を成すウエストンの精神が凝縮されています。
代々受け継がれる厳格なサヴォアフェール(知見と技術 )の証である、180もの厳密な製造工程にその名を由来します。

 

ジェイエムウエストンは、エクセレンスと職人技のルーツを忠実に追い求め、フランスの古典主義と現代の大胆さが交わる場所でそのストーリーを紡いでいきます。

https://eu.jmweston.com/

Paraboot(パラブーツ)の陰には、風雨に耐えうるよう設計された堅牢でありながらスタイリッシュな靴を1908年に早くも考案した革新的シューメーカー、レミー・リシャール・ポンヴェール の存在があります。
アメリカの港湾労働者からヒントを得たレミーは、高級靴の素材として当時は珍しかった天然ラテックス製のソールを直接アッパーに縫い付ける方法を導入します。
静かな、しかしブランドの礎となる革命です。

 

「パラブーツ」という名前にはふたつのアイデアが反映されており、「パラ」はゴムの産地であるブラジルの都市に、「ブーツ」はアングロサクソンのショートブーツに由来します。
創業当初から、機能性とレジリエンスとエレガンスを融合させ、同業他社と一線を画しています。

 

防水性と耐久性の確保のために高度な技術を要するノルウィージャン製法を貫き、高級アウトドアシューズのベンチマークとしての地位を確立しています。
このエクセレンスを象徴するのが1945年発売のモデル「ミカエル」で、1980年代に大ヒットし、会社の経営難を救います 。

 

今日まで、シャルトリューズ山脈のふもとの町サン=ジャン=ド=モワランでファミリーの伝統を受け継いでいるパラブーツ。
すべての靴が100年続くサヴォアフェールによって丁寧に作られ、持続可能で厳格な国内製造へのゆるぎない決意をあらためて明確にしています。

https://www.paraboot.com/

それは賭けでした。
クラウドファンディングで資金を募り、大部分を海外にたよっている製靴業界で完全国内製造を再開する――Jacques & Déméter(ジャック&デメテル)が見事に成し遂げた大胆不敵な大志です。
昔から靴作りがさかんな地域だったショレを拠点に、デザインから最後の縫製にいたるまで、完全フランス製造の靴に誇りを持って挑戦しています。

 

ジャック&デメテルは職人の伝統と現代の透明性の新たなバランスを体現しています。
国内のクラフトマンシップを示し、質のいい素材を選び、中間業者を削り、誠実で持続可能なアクセシブルラグジュアリー(手の届く贅沢)を提供するという強い決意がすべての靴に反映されています。

 

美意識と倫理のどちらも重視する目が高いクライアントのためにデザインされたエレガントで流行にとらわれない靴のラインナップが人気です。
クリーンな方針、高い製造基準、確固たる価値体系を持つジャック&デメテルは、フランス製ハイエンドシューズの世界で独自の路線を切り開いています。

https://www.jacquesdemeter.fr/

1958年にガール県のラ・カルメットで創業したLa Botte Gardiane(ラボッタガルディエーヌ)は、ガルディアン(この地域で有名な馬に乗った牛追い )のニーズに最適化した堅牢で耐久性のあるカマルグブーツをデザインするという明確な大志を持って誕生しました。
創業当初から、南フランスで何世紀にもわたり受け継がれる伝統に根差す卓越したクラフトマンシップを守り続けています。

 

1995年にミシェル・アギュロン が経営を引き継ぎ 、新たな時代を迎えます。
昔ながらのノウハウを強化するとともに、コレクションを現代風にアレンジしてサンダル、シューズ、レザー製品を展開。
エグ・ヴィヴの自社工房ですべて手作業で作っています。
厳選した革を正確に裁断して精巧に仕上げる―――ひとつひとつの製品が、たぐいまれなる品質の証です。

 

この遺産の生ける象徴が、伝統あるカマルグブーツ(親しみを込めて『ガルディエーヌ』の愛称で呼ばれている)で、時代にとらわれないスタイル、本物の快適さ、そして南部の地に深く根差したクラフトへの誇りというメゾンの精神を体現しています。

 

これからも、信頼性と職人技のエレガンスに価値を見出すクライアントを魅了しつつ、品質、耐久性、国内生産の価値に忠実なまま、ブランドのストーリーを紡いでいきます。

https://www.labottegardiane.com/

1934年にウジェーヌ・エシュンがアルザス地方中心部の町ステンブールで創業したHeschung(エシュン)は、ファミリーと職人の精神を代々受け継いでいます。
創業当初から、厳しい屋外使用を想定したエレガントでありながら丈夫で快適な靴を作るという明確なビジョンを掲げています。

 

卓越した伝統技術(とくにノルウィージャン製法とグッドイヤー製法)を活かし、林業従事者やウィンタースポーツ愛好家向けの堅牢なブーツを作るメーカーとして評判を確立。
1968年、グルノーブル冬季五輪フランススキーチームの公式サプライヤーとなり、この職人技のエクセレンスが公に認められます。

 

現在も、伝統のクラフトマンシップと現代の美的感覚を融合し、このエクセレンスのレガシーを守っています。
代表作の中でも、レザーとファブリックを絶妙に組み合わせたブーツ「ジンコ」には、抑制された、偽りのない、長持ちする靴を作るというメゾンの精神が見事に表現されています。

https://www.heschung.com/

Le Soulor 1925(ル・スロー1925)のルーツは、1925年にピレネー=アトランティック県のポンタックでParadis-Pommiès(パラディ=ポミエス)家が創業した工房です 。
創業当初は、地元の羊飼い、監視員、林業従事者、農業従事者向けの革製の靴底に鋲を打った堅牢なブーツに特化。
さらに、耐久性と技術的精度を併せ持つ飛行士用ブーツも製造します。

 

丈夫で長持ちすること で知られる難易度の高いノルウィージャン製法を極め、2021年に移転したネ(ピレネー=アトランティック県のコミューン)の工房で現在も職人技の伝統を継承しています。
現代のニーズに応えながらも伝統の製法に忠実に、一足一足が綿密な手作業で生み出されます。

 

素材の品質と国内生産への気配りを怠らず、あらゆる冒険のお供ができるよう丈夫に作られた、山歩き用と街歩き用の靴を提供しています。

 

代表的なモデルの中でも、フレンチ・ピレネーの最高峰の名前を付けた「ヴィニュマール」には、山とともにあるル・スロー1925の精神が表れています。
伝統的な羊飼いの靴 にヒントを得たこの頑丈で頼りになるモデルは、アウトドアや過酷な地形をものともしません 。

 

レザーへの熱い思い、熟練のクラフトマンシップ、そして山への愛が一体となってすべての製品に込められたル・スロー1925は、創業家のノウハウ に忠実に、稀代のメゾンであり続けます。

https://www.lesoulor1925.com/

高級な靴、上質な材料、そしてパティーヌという芸術を愛するアレクシス・ラフォンが2008年に創業したCaulaincourt(コーランクール)は、緻密な職人技、大胆な美的感覚、流行にとらわれない優雅さを融合させた、紳士靴に対するユニークなビジョンを提示します。

 

「コーランクール」という名前には個人的かつ歴史的な由来があり、アレクシス・ラフォンの先祖でナポレオン1世の重臣 を務めたアルマン・ド・コーランクールにちなんでいます。
このブランドの特徴である 気品、奉仕の精神、卓越性の追求を裏付ける象徴的な系譜です。

 

創業以来、創造性とフランスの靴作りの伝統が対話する大胆なスタイルへのアプローチで注目されています。
素材の処理、唯一無二のパティーヌ(革靴に描く真の絵画)の探求、そして快適さに妥協することなくエレガンスを提供するという大志は、すべてメゾンのDNAです。

 

シューズ、ブーツ、ハイエンドスニーカーのコレクションを取りそろえてクラシックとモダンのバランスを巧みに操るコーランクールは、生命力にあふれる、個性的で、職人技を極めた贅沢という希少な特性をクライアントに提供しています。

https://www.caulaincourt.paris/fr/

1895年、イタリアの靴職人アレッサンドロ・ベルルッティがパリで創業したときから、Berluti(ベルルッティ)のストーリーは始まります。
ほどなくして彼は、クラフトマンシップと前衛的なエレガンスを融合した、紳士靴に対する独自のビジョンを確立します。
第一次大戦後に発表したベルルッティ・オックスフォードは、3つのアイレットの周囲に巧みに縫い目を隠し一枚革で仕立てた、技術と様式美を誇る傑作です。

 

パリのビスポーク工房で 、緻密な技術と上質な材料、そしてクリエイティブな才能を結集した特殊な工程で一足一足がすべて手作業で作られ、履く人の足と好みにぴったり合わせた唯一無二の靴になります。

 

メゾンを代表するモデルのひとつ「アンディ」は、1962年にアーティストのアンディ・ウォーホルのために作られたローファーです。
美しい流線形と緻密な構造によって、ベルルッティの哲学である大胆な現代性と伝統への忠誠の上品なバランスが見事に体現され、流行にとらわれないエレガンスと自由な精神を象徴するロングセラーとなっています。

 

卓越したビスポークを今日に継承するベルルッティは、緻密な職人技と大胆なデザインの融合という唯一無二の体験をクライアントに提供しています。

https://www.berluti.com/fr-fr/homepage/

ジョンロブとベルルッティで修業した有名な靴職人ピエール・コルテが1990年に創業したCorthay(コルテ)は、パリの高級靴業界で一躍その名を馳せます。
創業当初から、大胆な美的感覚と卓越したクラフトマンシップへのこだわりで注目され、伝統的な紳士靴製造の新境地を開きます。

 

熟練の技術と飽くなき独自性の探究の賜物である彫刻的なフォルムと洗練されたシルエットで評価されているコルテは、すべての靴に洗練と個性の調和が表現されているプレタポルテ(既成靴)コレクションと、ユニークな靴には目がないクライアントを対象にビスポークサービスを提供しています。

 

代表作の中でも、ダービー「アルカ」は特別です。
反対(下側)に結ぶ紐とエレガントで型破りな2アイレットで、靴好きの間で真の代表作と目されています。

洗練された大胆な、ほかにはない贅沢を求めている人のためにデザインされたアルカには、コルテの精神が見事に凝縮されています。

 

今日も、エレガンスと個性を求める目の肥えたクライアントに特別な靴を届けるという大志に忠実に、そのサヴォアフェールを世界に伝えています。

https://www.corthay.com/fr/

先見の明があるブーツメーカー、ジョン・ロブが1866年にロンドンで創業。
ほどなくして、ビスポーク・シューメイキングの目指すべき指標となります。
成功に乗じて、1899年に パリ1号店を開店。
世界のエレガンスの首都にそのノウハウを定着させます。

 

1976年からパリ店はエルメスグループ傘下となり、メゾンの職人の精神を守りながら高めています。
モガドール通りのビスポーク工房で、顧客の足の形や好みにぴったり合う靴を一足一足すべて手作業で作り、エクセレンスの伝統を守っています。
最初のスケッチから最後の仕上げまで、貴重で高度な技術を持つ職人たちが携わり、緻密な作業に数カ月を費やします。

 

メゾンの代表作のひとつ、ダブルモンクストラップシューズ「ウィリアム」は、粋な男性のワードローブの定番になっています。
耐久性と快適性、そして抑制されたエレガンスを兼ね備えるウィリアムは、奥ゆかしさ、熟練のクラフトマンシップ、流行にとらわれない上品さというジョンロブの価値観を見事に体現しています。

 

ジョンロブパリは今日も、エレガンスが細部に宿り、すべての靴が変わることのない本物の気品を約束する、卓越した靴作りのレガシーを発展させています。

https://www.johnlobb.com/fr_fr/


いかがでしたか。
いずれも個性的で魅力的なシューメゾンでしたね。
めいめいが唯一無二の靴を生み出す誇り高きメゾンに共通しているのは、顧客と伝統技術と品質に忠実な職人気質。
そんなブランドの至高の一足で新年を迎えられたら、さぞかし素敵でしょうね… ちと値は張りますが、クリスマスも近いことですし、ご自分や大切な方へのプレゼントに奮発するのもいいかもしれません。
その際は、ぜひサフィールのシューケア製品もあわせてお求めください!


 

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Le Beau
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