タグとフリーワードで検索
タグで検索
革靴のデザインと種類を知ると選ぶのがもっと楽しくなる
あなたが革靴を購入する時は、デザインで探しますか?それとも「仕事で履く革靴」「仕事でも普段でも履ける革靴」など、履くシーンに合わせて革靴を選びますか?
同じように見える革靴でも、よく見るとデザインが違っていて履くシーンを選ぶものがあります。
私は過去に革靴の販売に携わっていたこともあり、たくさんのお客様の革靴選びをお手伝いしてきました。 革靴を扱う以上、デザインの名前や特徴、製法を知っておきたいと思い、当時勤めていた会社の上司や企画部門に教わったり、某革靴雑誌を参考に勉強したりしました。
そこで、今回は靴紐がついているレースアップシューズに限定して"革靴のデザイン"と履かれるシーンについてお話します。
革靴を選ぶ時の参考にしていただけると嬉しいです。
靴紐がある革靴には、大きく分けて内羽根と外羽根と呼ばれるものがあり、内羽根は“オックスフォードシューズ”、外羽根は“ダービーシューズ”とも呼ばれます。 甲の靴紐を通すパーツが開閉して動かせるのを鳥の翼に見立てて、“羽根”と称されています。
内羽根式の革靴の特徴としては、靴紐を通す穴(アイレット)が配置されているレースステーと甲革が繋がっています。そのため、紐を外しても大きく開閉しません。 また、レースステーの根本部分には、シャコ止め(かんぬき・かんぬき止め)と呼ばれる補強が施されています。脱ぎ履きする時などには、根元に負荷がかかるため補強によって裂けてしまうのを防いでいます。
内羽根の革靴はフォーマル度が高いとされているので、冠婚葬祭やビジネスシーンで大活躍です。
外羽根式の革靴の特徴としては、レースステーが甲からタン部分に被さるようになっていて大きく開きます。そのため足入れがしやすく、足の甲への圧迫が靴紐の締め具合で調整ができます。
この羽根部分の根元は、しっかりとした糸で縫い付けられているため、始めは足への圧迫を感じるものが多いでしょう。さらに、ソールの屈曲がスムーズになるまでも硬さを感じるかもしれません。それはしっかりとした作りの靴であるという証のようなものです。
履き始めから楽に履けるものもありますが、革靴を履いたことがある方のほとんどがこの様な経験があると思います。
つま先に横一文字のステッチがあり、"キャップトゥ"とも呼ばれます。 このステッチ部分に飾り穴のあるパンチドキャップトゥや、装飾的なステッチが施されたアデレードなど、ひとえにストレートチップといってもいろんなデザインがあります。 また、内羽式のものと外羽式の両方があり、フォーマルシーンで履かれているのはほとんどが、内羽式のストレートチップです。
お店で「冠婚葬祭用の革靴を探している」と伝えると、まずはこのデザインを勧められるかと思います。 冠婚葬祭用に選ばれる革靴第1位は、おそらくこのデザインでしょう。
この投稿をInstagramで見る Saphir by Le Beau(@saphir_japan)がシェアした投稿
Saphir by Le Beau(@saphir_japan)がシェアした投稿
つま先にステッチが一切なく、シンプルなデザインのプレーントゥ。外羽式のものは、内羽根式のストレートチップと比べるとフォーマル感が強くないとされているので、カジュアルな装いにも合わせやすいデザインです。
羽根の付け根がやや長く爪先に向かってV字に広がっているものをVフロントといいます。こちらはアイレットが2~3対であることからよりシンプルな印象を受けます。羽根が甲の高い位置に来るので、圧迫がより少ないのも特徴です。
オン・オフ兼用にしたいとお店に希望を伝えると、こちらをお勧めされることが多いのではないかと思います。
また、プレーントゥには内羽式のものも存在します。 内羽式のプレーントゥは、内羽式のストレートチップ同様、フォーマル度が高いとされているので、冠婚葬祭やビジネスシーンで履くと良いでしょう。
つま先から甲にかけてU字に縫い合わされたものをUチップ、つま先の縫い合わせがやや尖ったものはVチップとも呼ばれます。 また、U字部分をエプロンに見立てて、エプロンフロントダービーとも呼ばれます。
つま先の中央に縫い目があり、縫い糸を革の表面に出さないように仕上げられた縫合部分をスキンステッチといいます。職人の高い技術によって施されるスキンステッチのUチップは、高級靴ブランドではしばしば見かけます。
このデザインは、元々は狩猟靴だったこともあり、堅牢度に優れています。ドレスにもカジュアルにもよく合うので、プレーントゥ同様に、オン・オフ兼用で使いやすいデザインです。
ブローグとは“穴飾り”のことで、主にトゥやステッチ部分の装飾として施されています。トゥに施された装飾的な穴飾りは“メダリオン”、ギザギザにカットされたW字の切り替え部分はピンキング、穴飾りがステッチに沿って線状並んだものはパーフォレーションといいます。 この穴飾りのパターンによって、フルブローグ・セミブローグ・クォーターブローグとあり、穴飾りがないブラインドフルブローグまで呼び方のバリエーションが多いのもこのデザインの特長です。
ブローグシューズは「ウィングチップ」とも呼ばれますが、このことについては今後詳しくご紹介したいと思います。
甲部分に一切の縫い目がなく一枚革で仕立てられたデザインです。 革が重なっている部分もなくステッチ(縫い目)もないので、足あたりが良く甲部分の圧迫も比較的緩やかです。 内羽式の革靴は甲部分で合わないものが多いとお嘆きの方は、一度試してみてください!
ホールカットは、製靴が難しく職人泣かせと聞いたことがあります。 たくさん革靴が置いてあるお店でも、1型か2型くらいしか見かけたことがありません。
余談ですが、私が今一番欲しい革靴のひとつが、このホールカットです!
紐靴の最大のメリットは、足を甲部分でしっかりと固定ができるため、歩行時に足が中滑りしにくくなりフィット感が持続することだと私は思います。 それ故に、アッパーや中もの、ソールが足になじむまで苦痛を感じる方も少なくないと思います。 しかし、この修行の様な時期が過ぎさえすれば快適なシューズライフが待っています!その瞬間を心待ちに育てることも、革靴が楽しめる理由のひとつではないでしょうか。
更新情報・お得な情報をメールでお届け! “ShoesLifeメルマガ”登録受付中♪
<< 前の記事へ
次の記事へ >>
│一覧へ戻る│