“エナメル”は素材特有の独特な光沢・質感が魅力的な素材で、広くファッションに取り入れられています。
季節が秋・冬となると夏場のカジュアルルックからドレッシーな装いへと変わり、そういったフォーマル/きれいめコーデな時に履くエナメルの靴は、日中の穏やかな陽射しや夜の街のイルミネーションを足元に映して、まばゆいほどの輝きで彩ってくれるアイテムです。
そんなとっても魅力的ですてきな素材であるエナメルで意外と知られていないのが、れっきとした「皮革素材」であるということ。
エナメル素材・生地の中で、“皮革素材”をウレタン樹脂でコーティングしたものを“エナメル革(レザー)”と称します。
天然皮革以外にも、合成皮革や目の詰まった布地(織物)にコーティングしたものも同様にエナメル素材に分類されるので、パッと見で下地の素材が革かどうかを見分けるのは難しいですが、上質なレザーを加工したエナメル革はアッパークラスのブランドでも重宝されており、靴以外にもバッグや財布・小物に多く用いられています。
余談ですが、エナメル革は他にも“パテント革(レザー)”とも呼ばれているのを、ご存知ですか?
これは水気や汚れに強い革の開発にあたって、エナメル加工による製法で「特許=Patent・パテント」を取得したことからそう呼ばれるようになったそうです。
したがって「パテント革=エナメル革」で、開発当時の技術の粋を結集した特殊素材と思ってもらって差し支えありません。
ということで、エナメル革は一応雨や水気に強く、汚れにくい(汚れても落としやすい)という特長を持った大変機能的な素材であることがわかりました。
これなら「お手入れもしやすそう」という風に思いますよね。