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今はどんな気持ちで靴磨きのお仕事に向き合われているのですか？

Brift Hに入って８年目になるのですが、もっとお客様とお話がしたいですし、もっと磨きが上手くなりたいと強く思っています。実は、1年目より8年目の今のほうが楽しいんです。頭の中で描いたものを表現できる幅が広がってきています。ここまで長くなってくるとお客様に喜んでいただけるのもさらに楽しいですね。

楽しいって大事ですよね。靴磨きって実は手は荒れるし疲れるし、ずっと立ち仕事だし、かなり大変なのではないかとお察ししますが、Brift Hの皆さんは楽しそうに磨いている印象が強いです。しかも、とびきり明るくて仲が良いですよね。靴磨き選手権のときには、ちょっと体育会系のようなチームワークを発揮している印象がありました。

うちも今は組織っぽくなってきましたが、昔から部活のような靴磨き部のような感じです。営業終わっても帰らずに磨いて喋ってるのが日常です。良い環境だなと思います。

皆で楽しみながら切磋琢磨できる会社って素晴らしいですね。

そうですね、やっぱり楽しいと思えないと続かないと思います。単純作業と捉えてしまうとその靴にベストな磨きとは何かを考えることができず、そこで差が出てきてしまうので。

楽しそうな様子はこちらにも伝わってきています。

お客様の靴だけど自分たちが楽しんでしまっているところもあります。いつも指名をいただく常連のお客様の中に毎月新品の靴を2〜3足購入される方いらっしゃって、いつだったか自分が好きなジョンロブのイヤーモデルのお話をしたんです。すると帰り際に「明日も来るから予約入れておいて」とおっしゃられて。次の日、「磨いてごらん」と前日に話した僕の好きなジョンロブの靴を買って来店してくださったんです。お客様のおかげですが、本当に楽しかったです。

懐の深いお客様ですね。そうやって育ててくださるお客様の存在ってありがたいですよね。

はい。本当にお客様には楽しませていただいていて、大変よりも楽しい割合が勝ってます。

さて、仕上がりました！今回はほんのりアンティーク感を表現してみました。影になったりすると濃い部分がわかるかと思います。

ずいぶんと乾燥していたので靴も喜んでいると思います。ピカピカになり過ぎず、全体的にしっとりした印象ですね。

女性はどうなのかわからないですが、男性は切りたての髪がちょっと嫌だったりするところがあるんです。これは靴磨きも同じで、敢えて磨いた感を出したくなかったりすることもあって、僕はピカピカの磨きたての感じが出ないように意識して仕上げています

なるほど、レザーのバッグの新品感が嫌だっていう男性っていますよね。靴もピカピカで新品感のあるものよりも、10年履き込んだ靴の方が味のある光り方を出したりしますよね。私もそうですが、女性も新品より年季の入ったバッグや靴のほうが良いという人もいますよ。クタクタになったエルメスのバーキンをラフに持ちこなす初老の女性に憧れたりします。

おぉ、女性にもそのような傾向あるんですね。参考になります。

私もそのような女性になりたくて、もっと精進します（笑）新井田さん、本日はありがとうございました。