shoegazingblog.comのイェスパー・インゲバルドソン氏とthe shoesnob blog.comのジャスティン・フィッツパトリック氏が立ち上げたイベント、LONDON Super Trunk Showが、今月13日に開催されました!
LONDON Super Trunk Showは、世界中のプロのシューシャイナーや靴磨き・革靴愛好家達が注目する世界的なイベントで、中でも靴磨き部門の決勝戦は、毎年白熱した競技となっています。
今年の決勝戦は、日本から選出されたBrift.Hの林田 直樹さんが参加されました。
そのことをご紹介した記事はこちら
【海外情報】世界最高峰の靴磨き技術を競う祭典 サフィールが共同開催する LONDON Super Trunk Show 2023
大会の結果やイベント風景をSNSなどで既にご覧になった方も多いと思いますが、shoegaizing.comでレポート記事を日本語訳でご紹介いたします。
本記事は、Shoegazing.comで公開されているReport – London Super Trunk Show 2023を日本語に意訳して紹介しています。
画像と動画はすべてReport – London Super Trunk Show 2023から引用しています。
今年もスーパートランクショーを無事開催することができ、記憶に残る素晴らしい靴の日になりました。
イベントが開催された先週の土曜日には、約1,300人の来場者が訪れ、10社以上の出展者から提供された靴や中古靴、シューケアアイテム、アクセサリーを堪能し、3つのワールドチャンピオンシップコンテストを観戦しました。充実した当日の様子をまとめました。
世界各国からの旅行者が訪れており、(列車のストライキが地元の人々に少し影響を与えたかもしれませんが)多くの人が詰めかけてきていたことから、パンデミックは本当に終わっていることを実感しました。
また、会場に訪れた人々は長時間に渡って会場に留まり、人との会話を楽しんだりして出展者と同じ時間をともに過ごしました。
ロンドンのほぼ中心部にあるリージェントストリート12番地の会場が一日中素敵な雰囲気に包まれていたことに、イベントを主催するThe Shoe Snobのジャスティン・フィッツパトリック氏と私から感謝の意を表します。
パティーヌの決勝戦は、朝の開始15分後からすでに始まっていて、3人のパティーヌファイナリストがテーブル席に座り、サフィールの革用染料、クリーム、ワックスを使って、TLB マヨルカ アルティスタのクラストシューズを華麗に変身させました。
今年のファイナリストは、アメリカのアルベルト・スアステス氏、フランスのロッド・ボードリー氏、そして同じくフランスのフィリップ・ヤン氏でした。
フィリップ・ヤン氏は、1日を通して作業時間に5時間を費やし、コントラストと深み、そして細部まで精巧に仕上げられた素晴らしいパティーヌを施し、栄冠を手にしました。
他のファイナリストの作品も、それぞれ異なるスタイルで、ハイレベルなものでした。
午後には、第5回靴磨き世界選手権が開催されました。
毎回、大変な盛り上がりを見せるこのイベントでは、ステージ前に大勢の観客が集まっていました。
北アイルランドのポール・ブラック氏、日本の林田直樹氏、スイスのアルバート・ジュカイ氏の3人のファイナリストは、20分間でサフィールノワールのポリッシュを使い、ローク社製の靴 1880オルドウィッチをできる限り小気味よい所作で、美しくつややかに磨き上げました。
またしてもアジアの靴磨き職人がタイトルを獲得し、林田直樹氏が1位となりました。
会場に入ってきた人々を出迎える2つのテーブルには、2023年の靴作り世界大会の出品作である29足の黒いバルモラルブーツが置かれていました。抜群の見応えです。
コンテストのために初めて作られるブーツは、世界14カ国以上から集まった靴職人にとって、新たな挑戦と機会をもたらしたのです。
イベント前日の午後、靴職人や靴の専門家で構成される審査員が集まり、すべての靴を審査した結果、ベルルッティで働くフランスのビスポーク職人アタナセ・セフォクル氏が金賞を受賞しました。2位はルーマニアのヴィクトル・ヴルペ氏、3位はドイツのルイ・ランペルツデルファー氏でした。嬉しいことに、後者の2人は授賞式に出席していました。
この3人は、コンテストのスポンサーであるカービー・アリソン氏、マスター・シューメーカー、惜しくも2年前に亡くなった靴愛好家エドマンド・シェネッカー氏の弟パーカー・シェネッカー氏からの賞金総額6,000ポンドを分け合うことになりました。また、3人には、フィル・ノーズワーシー氏による手作りの靴作り用千枚通しも贈られます。この記事でトップ3の詳細を見ることができます。また、彼らや他のすべてのコンテストシューズについては、後日2つの大きな記事で紹介します(まとめるのに時間がかかるので、我慢してください)。トップ3は、難易度、完成度、クリエイティビティのいずれにおいても、信じられないほど高いレベルにあります。これらの靴とパティーヌ受賞者は、今年後半にワールドツアーを行う予定で、後日詳細が発表されます。
来場者の多くが展示会に集まりました。
今年の新企画は中古靴の展示で、アボット社から100足以上の中古靴が持ち込まれました。来場者の中には靴を持ち込んでその場で販売する人もいて、新たな価値が加わりました。
このマーケットプレイスは、きっと喜んでもらえたことでしょう。イタリアのブレッシアーニは、コットン、シルク、ウールの3種類のソックスで、保守的なクラシックスタイルから大胆なスタイルまで、最高級のソックスを展示しました。
イベントのメインパートナーであるサフィールは、サフィールノワールの靴クリームとワックスポリッシュを開封して展示し、来場者にカラーバリエーションと製品の品質をより実感してもらえるような展示方法を取り入れていました。
ロンドンスーパートランクショー初出展のヤーンは、中価格帯に位置しながらも洗練されたシルエットと上質なデザインを持つフルハンドメイドの靴に、多くの来場者が感嘆していました。
その隣には、インドから参加したブライドレンのテーブルがあり、昔ながらの製法であるウェルトとインソールが直縫いされたクラシックで上品な靴が並べられていました。
出展2度目の彼らの靴を、昨年知り合った人たちが沢山購入してくれ、売れ行きに勢いがあったことが喜ばしかったです。
ハンガリーからは、オーストリア・ハンガリーの伝統的なスタイルと大胆なモダンさが融合した「アッティラ」が出展しており、完全ハンドメイドの靴をお得な価格で提供していました。
ベトナム発のCNESは、幅広いスタイルと木型を備えたグッドイヤーウェルト製法とハンドソーンウェルト製法の靴を、驚きの価格帯で提供し、最高のコストパフォーマンスを持つブランドの1つとして確立されています。
グッドイヤー製法やハンドウェルト製法で作られた靴を低価格で提供するレイマーは、日本で最も急成長しているブランドの一つで、より英国的なスタイルで国際的なラストを使用しており、来場者からフィット感が高いとの評価を得ていました。
スウェーデンを本拠地とするノーブル シューは、カルロス サントスの靴、エンツォ ボナフェやパオロ スカフォラのイタリア製品に加え、自社ブランドの靴の初期サンプルなどを展示しました。
元世界チャンピオンのダニエル・ウィーガンや、現在はサム・ノースワージーのブランドであるカテラも、世界最高のオーダーメイドシューズを携えて参加していました。
英国のプレミアムスニーカーブランド「ゴラル」は、スニーカーも上質な素材で良いものができることを示し、本革のラスティングボードとフェルトフィラーでブレイクステッチを施し、カップソールにサイドウォールステッチを施しています。
アクメは、オーダーメイド規格のRTWで世界を驚かせましたが、今回はよりシンプルで手頃な価格のマーベルシリーズを発表しました。
残念ながら、ポール・サージェントはこのイベントへの参加を断念せざるを得ませんでした。
そして、10月14日に開催されるニューヨークでのスーパートランクショーに向け、ジャスティンと私は気持ちを切り替えています!
来年春にもロンドンでの開催が決定していますので、また皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
本記事の最後に、3つの世界選手権の動画と、会場周辺の映像もあります。
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