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【海外情報】靴のアンティーク仕上げ:新しい靴に履き込んだような風合いを

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公開日:2025/04/25 

【海外情報】靴のアンティーク仕上げ:新しい靴に履き込んだような風合いを

SDGsに対する関心の高まりやレトロブームともあいまって、ヴィンテージ市場がいよいよ活況を呈する昨今。
かくいう私も蚤の市が好きでよく足を運びます。
古いものには人を引きつける独特な魅力がありますよね。
今回は、新しい靴に味のあるヴィンテージ感をプラスする、アンティーク仕上げのテクニックをくわしくご紹介します。


なお、本記事はKirby Allisonのブログ記事Shoe Antiquing: The New Oldを意訳したものです。

新しい靴に履き込んだ靴の風合いを出したい方におすすめしたいテクニックが、アンティーク仕上げです。

靴のアンティーク仕上げとは

つま先(先芯部分)への摩擦やほかの箇所への曲げを繰り返すうちに、レザー表面の細胞組織が徐々に露出します。
そのため、摩耗が激しい箇所ほど、ポリッシュ(やコンディショナー)の油分とシューポリッシュワックスの顔料をよく吸収し、結果的に色がくすみます。
これが「エイジング」です。

 

そんなに待っていられないという方は、次のいずれかの方法で靴のアンティーク仕上げを行いましょう。

 

1.レザーを同系色で染める。(一般的でなく、おすすめしません。)
2.同系色のシューポリッシュを塗る。(一般的で、おすすめです。)

 

靴についているシューポリッシュをしっかり落とす

まず、靴についているシューポリッシュをなるべくしっかり落とします。
いいレザークリーナーであればどれでも構いませんが、靴にワックスが蓄積している場合、サフィールのレノマットリムーバーが最適です。
レザー表面のあらゆる付着物を除去するために作られたこの製品は、高級な靴にも安心してお使いいただけます。

 

アンティーク仕上げをする際に蓄積したポリッシュやワックスと格闘するのを避けるために、古いワックスポリッシュの除去は欠かせません。
汚れのないレザーから始めるのがいちばん確実で結果を出しやすいです。

 

サフィールのレノベイタークリームで保革

レザーからワックスを落とし切ったら、色付きポリッシュを塗る前に、サフィールのレノベイタークリームで保革しましょう。
時間とともに失われた(またはレノマットリムーバーで落ちてしまった)油分と栄養をレザーに与えます。
レザーの乾燥やひび割れを防ぐこともできるので、ぜひとも行ってください。

 

コットンのシャモアクロスでレノベイタークリームをたっぷり塗り、(時間があれば1日おいて)乾かしてから馬毛ブラシで磨きます。

 

クリームポリッシュ(クレム1925)を2~3回塗って下地を作る

レノマットリムーバーは靴全体の保護ワックスを落とし切ってしまうので、レザーそのものが露出します。
そこで、アンティーク仕上げ前の下地作りが重要になります。

 

クリームポリッシュ(クレム1925)はワックスポリッシュよりも油分と顔料を多く含む一方ロウ分の含有量が少ないので、下地作りに最適です。
クリームポリッシュで下地を作ることで、ペーストワックスよりも容易にベースカラーで小傷を埋めることができます。

 

元のレザーの色にもっとも近い色のサフィールノワールのクレム1925をコットンのシャモアクロスで靴全体に塗ります。
数分おいて乾かし、馬毛ブラシで磨いてからまた塗ります。
仕上げと保護層を作るために、2~3回塗るのがベストです。

 

暗色のポリッシュを塗ってアンティーク加工

アンティーク仕上げをしたい箇所に、先ほど使った色より一段階暗い色のサフィールノワールのビーズワックスポリッシュを塗り、くすみを出します。
コットンのシャモアクロスでいつもどおりポリッシュを塗り、顔料と油分をレザーになじませます。
ポリッシュを乾かしてからコットンのシャモアクロスで磨きます。
お好みの暗さになるまで繰り返してください。
塗るたびに暗色のポリッシュの顔料と油分がレザーに浸透し、レザーにエイジング感(くすみ)が出ます。
塗り重ねるほどくすみが強くなります。

 

重要:自然な感じに(そして美しく)アンティーク仕上げするために、次の手順で示す箇所にポリッシュを塗ることが重要です。

 

暗色のポリッシュを塗る箇所

靴が(色の面で)古く見えるのは、ムラがあるためです。
履き込んだ靴の色がくすんだ箇所は、レザーが摩擦により繰り返し磨かれたり、油分や顔料が縫い目に染み込んだりすることで生じます。
靴のつま先はトゥキャップの上部より摩耗が激しいため、履き込んだ靴のつま先は上部よりさらにくすみます。
靴の後部にあるヒールカウンターも同様です。
あたらしい靴でこの色合いを再現するために、つま先、ヒールカウンター、縫い目に暗色のポリッシュを使いましょう。

 

使用するポリッシュの色

エイジング効果を出すには、前述の箇所にレザーの元の色よりも暗い色のポリッシュを塗る必要があります。
たとえば、靴の色がタンやライトブラウンなら、ミディアムブラウンやダークブラウンのポリッシュを使ってエイジング効果を出します。

 

ダークブラウンやバーガンディの靴は、ブラックのポリッシュでエイジング効果を出します。
ダークブラウンの靴にブラックのポリッシュを使っても問題ありません。
シューポリッシュの着色はあまり強くなく、ほのかにくすんだ色味をプラスするだけです。
ただし、(アンティーク仕上げしない靴でも)ペーストポリッシュを厚塗りするのは避けてください。

 

ブラックの靴のアンティーク仕上げは、トゥキャップの上部、クォーター、フェイシングなど(逆の効果を出すので基本的にブラウンの靴のアンティーク仕上げと反対の箇所)の色味を明るくします。
サフィールのダークブルーかボルドー(バーガンディ)のポリッシュをお使いください。

 

美しく仕上げるために、ポリッシュの塗布は多くても6~8回程度にとどめましょう。

 

アンティーク仕上げとはつまり、靴を暗めの色のポリッシュ(黒い靴の場合は明るめの色のポリッシュ)で磨き、靴に履き込んだような風合いを出すことです。

 

お好みでいろいろな色味でグラデーション効果を試してみるのもまた一興です。
出来が気に入らなければ、落としてやり直してください。


いかがでしたか。
少々手間はかかりますが、お手持ちのアイテムで気軽に靴をカスタマイズできそうですね。
桜の季節も過ぎ、全国的に初夏の陽気になる日も増えました。
みなさんのお召し物も秋冬とはだいぶ雰囲気が変わったのではないでしょうか。
来るゴールデンウィークにでも、お時間があればぜひ靴の衣替えに挑戦してみてください。


 

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Le Beau
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