いつも ShoesLife をご覧いただき、ありがとうございます。
ハンズ名古屋店 サフィールスタッフ だーうえ こと 植田です。
お久しぶりです。
これまでお届けしてきたスタッフコラムでは、売り場での出来事やシューケアにまつわる話題を中心にご紹介してまいりました。
今回からは少し趣向を変え、株式会社ルボウに日々寄せられる様々なお問い合わせやご相談の中から、特に多いご質問をテーマにしたコラムをお届けしていきます。
そんな視点を交えながら、実際に検証も行い、できるだけ分かりやすくご紹介してまいります。
シューケアやレザーケアには、
「なんとなくやっているけれど、実は理由を知らない」
ということも少なくありません。
このコラムでは、そんな
“よくあるけれど、意外と知られていないこと”
をひとつずつ掘り下げながら、皆さまのお手入れに役立つ情報をお届けしていきたいと思います。
これからも、靴磨きやレザーケアをもっと身近に感じていただけるようなコラムを書いてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
※画像はイメージです
サフィールのユニバーサルレザーローションを使っており、大変重宝しております。
一点教えていただきたいのは、ビジネスバッグの革部分に週1回程度塗布していますが、雨などに濡れた際に、ローションを塗布した部分が白くなることがあります。
こうした場合、どのように対処すればよろしいでしょうか。
塗布の仕方などに問題があるのかなと思っております。
革靴でも同じようなことがありますので、良い方法がありましたらご教示いただけないでしょうか。
実はこれ、比較的よくいただくご相談のひとつです。
特に、
など、日常的によく使う革製品で起こりやすい現象です。
これは、ローションに含まれるワックスや油分が、革になじみ切らない状態で水分と反応することで起こる“白濁”と考えられます。
サフィールユニバーサルレザーローションは、汚れ落とし・保湿・ツヤ出しを1本で行える便利なアイテムですが、塗布量が多過ぎたり、仕上げ不足だったりする場合、革表面になじみきらない余分な成分が残ることがあります。
そこへ雨などの水分が加わることで、ワックス成分が白っぽく浮いて見えることがあるのです。
では早速、検証してみましょう。
なお今回の検証は、製品の良し悪しを評価するものではなく、
「どう使うと、よりきれいに仕上げられて、それを維持できるか」
を検証するためのものです。
が、白くなる原因では?
今回はこちらの革製ビジネスバッグを使用します。
サフィールユニバーサルレザーローションをクロスに適量取り、バッグに塗布していきます。
今回の実験では、仕上げ工程がユニバーサルレザーローション成分の定着にどのような影響を与えるかを検証します。
塗布量・革・乾燥時間をすべて同一条件とし、最後の仕上げ方法のみを変えることで、白濁との関係性を確認しました。
ユニバーサルレザーローション塗布後、十分に乾燥させます。
その後、
A:ローションを塗布。そのまま何もしない(比較のため)
B:ローションを塗布。クロスでしっかり乾拭き。
乾拭きの摩擦熱で油分を浸透させワックスを表面に定着させる。
また余分なローションを拭き取る効果も。
C:ローションを塗布。馬毛ブラシでブラッシングしてから乾拭き。
ブラッシングと乾拭きの摩擦熱で油分の浸透とワックスの定着を促進。
先にブラッシングをすることでクロスで取ってしまうことなく、しっかりなじむ。
(ShoesLihfe推奨の方法)
という3パターンの仕上げを行いました。
A:白濁が大
革に馴染まず塗ったままの状態で、そのまま乾いて定着してしまいます。
B:白濁なし
革に馴染んでいます。ツヤもあり
C:白濁なし
革に馴染んでツヤ感もあります。
ここで
雨を想定した「ちょっと冷えた水」を塗布面に垂らしてみます。
この状態で3日間放置しました。
結果はご覧の通りです。
A(何もしない)
→ 白濁したまま
B(乾拭きのみ)
→ 雨に当たったところが白濁し、跡が残る
C(ブラッシング+乾拭き)
→ 目立った白濁は確認されず
特に注目したいのはBです。
乾拭きだけでも見た目はきれいに仕上がっていたように見えますが、雨水を想定した水分に触れることで、表面に残ったワックス成分が反応し、白く浮き上がる様子が確認できました。
一方で、ブラッシングと乾拭きの両方を行ったCには、白濁がほとんど見られませんでした。
今回の検証から、
「ユニバーサルレザーローションを塗った後のブラッシングは、想像以上に重要」
という結果が見えてきました。
馬毛ブラシの毛先が革のシボや凹凸に入り込み、余分なローション成分を均一になじませることで、水分による白濁を防ぎやすくなると考えられます。
乾拭きだけでは仕上げ切れない部分を、ブラッシングが補ってくれているのかもしれません。
では、次は
「雨に濡れて白くなってしまった時の対処法」を解説します。
まずは馬毛ブラシでしっかりブラッシングしてみてください。
ブラッシングの摩擦熱によって、白く浮いたワックスや油分が再び革になじみ、改善することがあります。
その後、柔らかいクロスで乾拭きを行います。
意外と、この工程だけで落ち着くケースは多いです。
①で改善しない場合は、クロスに少量のレザーローションを取り、白くなった部分を軽く溶かすようになじませます。
その後、再度ブラッシング → 乾拭き。
ポイントは“少量”です。
追加で大量に塗ってしまうと、逆に成分が残りやすくなってしまいます。
また白くなった上からワックスのコーティングをすることになってしまうので注意してください。
①も②も効果が見られず白濁が強く残る場合は、レノマットリムーバーなどの強力クリーナーで一度表面をリセットします。
もちろんリセット後は改めて薄くローションを入れ直します。
ただし、こちらはやや強力なクリーナーを使用することになるため、まずは①②から試すのがおすすめです。
なお、この白濁現象は、ユニバーサルレザーローションにビーズワックス、ホホバオイル、ラノリンといった高品質な天然成分が贅沢に配合されていることも一因と考えられます。
これらの成分は、革に栄養とうるおいを与え、柔軟性を保ちながら乾燥やひび割れを防ぎ、美しいツヤを引き出すために欠かせないものです。
一方で、塗布量の過多や仕上げ不足などで革にローションがなじみ切らない状態で雨などの水分に触れることで、ワックスや油分が白っぽく見えることがあります。
つまり、この現象は製品の不良などではなく、天然成分を豊富に配合したサフィールのレザーローションだからこそ目立ってしまう特性であり、塗布量や仕上げとのバランスによって引き起こされるものと考えられます。
今回の検証から分かったことは、白濁は製品の不良ではなく、主に「塗りすぎ」や「仕上げ不足」が原因で起こるということです。
ユニバーサルレザーローションは、適量を塗布し、ブラッシングと乾拭きでしっかりなじませるだけでも、雨濡れによる白濁を防ぐことができます。
ユニバーサルレザーローションをご使用の際、意外と見落とされがちなのがブラッシングです。
馬毛ブラシの毛先を使って、
までしっかりブラッシングすることで、ローションが均一に革になじみます。
しっかりとなじませたその後に乾拭きを行うことで、より自然でムラの少ない仕上がりになります。
ブラシが「点」でなじませる道具なら、クロスは「面」で整える道具。
このひと手間が、仕上がりに大きな差を生みます。
今回のご相談では、バッグに週1回のペースでローションを使用されていました。
もちろん使用環境によって異なりますが、革の状態によっては少し頻度が高い場合もあります。
前回のお手入れで補給した油分やワックスが十分残っている場合は、
でも十分きれいになることがあります。
ローションは、「毎回たっぷり」ではなく「必要な時に少量」を意識するのがおすすめです。
この考え方はバッグだけでなく、革靴にも当てはまります。
靴クリームでも、
によって、同様の白濁が起こることがあります。まずは、「少量をしっかりなじませる」ことを意識してみてください。
革のお手入れというと、「もっと栄養を与えた方が良い」と考えがちです。
しかし実際には、塗りすぎないことも大切なお手入れのひとつ。
必要な分だけ補給し、しっかりなじませる。
そのくらいが、革にはちょうど良い場合も少なくありません。
サフィール製品は少量でも革になじみやすく、自然なツヤとコンディションを与えてくれます。
だからこそ、適量で使うことで本来の性能をより発揮してくれるのです。
これからも ShoesLife「ルボラボ」 では、こうしたレザーケアの疑問を検証しながらお答えしていきます。
「これ、どうすればいいの?」
そんな疑問がありましたら、ぜひお寄せください。
次回のテーマで取り上げさせていただくかもしれません。
本記事で紹介した商品はこちらで購入できます。



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