「靴を返すまで」がシューシャイナーの仕事
体験の最後には、磨き上げた靴を持ち主へ返却します。
実はこの工程こそ、樺澤さんが特に大切にしていた部分でした。
「どんなに靴磨きの技術があっても、お客様のご要望に寄り添えていなければ評価していただけないと思っています。ご要望を伺い、実際に磨き、最後に直接お渡しして『いかがですか?』と聞いて初めて評価をいただけるんです」
そのため樺澤さんは今回の体験でも、磨くだけでは終わらず、お客様へ靴を返すところまでを仕事として組み込みました。
「子どもたちには、自分の手で磨いた靴を初めてのお客様へ直接渡すという緊張感と、お客様から褒めていただく成功体験を感じてもらいたかったんです」
実際に保護者からは、
「こんなにピカピカにしてくれて、もったいなくて履けない!」
といった声も聞かれました。
その言葉を受け取った子どもたちの表情はとても誇らしげで、シューシャイナーとしての最初の仕事をやり遂げた瞬間でもありました。
こうしたやり取りもまた、シューシャイナーという仕事の大切な一部です。
「靴磨き」は、ただ革靴を光らせる作業ではありません。大切な一足を預かり、また気持ちよく履ける状態に整える仕事です。磨き上げた靴を受け取る人の表情まで含めて、シューシャイナーの仕事は完了します。
体験後には、樺澤 幹人さんからローション、ミニブラシ、クロス、グローブのシューケアセットが、髙島屋からはレストラン街で使えるクーポン券が“お給料”として進呈されました。